22 – 奇跡
これらは全能の神の聖なる言葉です。
私たちは人間の言葉には興味がありません。
神を愛する人なら誰でも...神は次のように言われています。 奇跡.
これらは全能の神の聖なる言葉です。
私たちは人間の言葉には興味がありません。
神を愛する人なら誰でも...神は次のように言われています。 奇跡.
そこで、イエスは十二 弟子 でし を 呼 よ び 寄 よ せて、 汚 けが れた 霊 れい を 追 お い 出 だ し、あらゆる 病気 びょうき 、あらゆるわずらいをいやす 権威 けんい をお 授 さづ けになった。
”イエスは 答 こた えて 言 い われた、「 神 かみ を 信 しん じなさい。 よく 聞 き いておくがよい。だれでもこの 山 やま に、 動 うご き 出 だ して、 海 うみ の 中 なか にはいれと 言 い い、その 言 い ったことは 必 かなら ず 成 な ると、 心 こころ に 疑 うたが わないで 信 しん じるなら、そのとおりに 成 な るであろう。 そこで、あなたがたに 言 い うが、なんでも 祈 いの り 求 もと めることは、すでにかなえられたと 信 しん じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。
”そのころ、 多 おお くのしるしと 奇跡 きせき とが、 次々 つぎつぎ に 使徒 しと たちの 手 て により 人々 ひとびと の 中 なか で 行 おこな われた。そして、 一同 いちどう は 心 こころ を一つにして、ソロモンの 廊 ろう に 集 あつ まっていた。 ほかの 者 もの たちは、だれひとり、その 交 まじ わりに 入 い ろうとはしなかったが、 民衆 みんしゅう は 彼 かれ らを 尊敬 そんけい していた。 しかし、 主 しゅ を 信 しん じて 仲間 なかま に 加 くわ わる 者 もの が、 男女 だんじょ とも、ますます 多 おお くなってきた。 ついには、 病人 びょうにん を 大通 おおどお りに 運 はこ び 出 だ し、 寝台 しんだい や 寝床 ねどこ の 上 うえ に 置 お いて、ペテロが 通 とお るとき、 彼 かれ の 影 かげ なりと、そのうちのだれかにかかるようにしたほどであった。 またエルサレム 附近 ふきん の 町々 まちまち からも、 大 おお ぜいの 人 ひと が、 病人 びょうにん や 汚 けが れた 霊 れい に 苦 くる しめられている 人 ひと たちを 引 ひ き 連 つ れて、 集 あつ まってきたが、その 全部 ぜんぶ の 者 もの が、ひとり 残 のこ らずいやされた。
”はじめに 神 かみ は 天 てん と 地 ち とを 創造 そうぞう された。 地 ち は 形 かたち なく、むなしく、やみが 淵 ふち のおもてにあり、 神 かみ の 霊 れい が 水 みず のおもてをおおっていた。 神 かみ は「 光 ひかり あれ」と 言 い われた。すると 光 ひかり があった。
”主 しゅ なる 神 かみ は 土 つち のちりで 人 ひと を 造 つく り、 命 いのち の 息 いき をその 鼻 はな に 吹 ふ きいれられた。そこで 人 ひと は 生 い きた 者 もの となった。
”パロはヨセフに 言 い った、「わたしは 夢 ゆめ を 見 み たが、これを 解 と き 明 あ かす 者 もの がない。 聞 き くところによると、あなたは 夢 ゆめ を 聞 き いて、 解 と き 明 あ かしができるそうだ」。 ヨセフはパロに 答 こた えて 言 い った、「いいえ、わたしではありません。 神 かみ がパロに 平安 へいあん をお 告 つ げになりましょう」。
”ときに 主 しゅ の 使 つかい は、しばの 中 なか の 炎 ほのお のうちに 彼 かれ に 現 あらわ れた。 彼 かれ が 見 み ると、しばは 火 ひ に 燃 も えているのに、そのしばはなくならなかった。 モーセは 言 い った、「 行 い ってこの 大 おお きな 見 み ものを 見 み 、なぜしばが 燃 も えてしまわないかを 知 し ろう」。 主 しゅ は 彼 かれ がきて 見定 みさだめ ようとするのを 見 み 、 神 かみ はしばの 中 なか から 彼 かれ を 呼 よ んで、「モーセよ、モーセよ」と 言 い われた。 彼 かれ は「ここにいます」と 言 い った。 神 かみ は 言 い われた、「ここに 近 ちか づいてはいけない。 足 あし からくつを 脱 ぬ ぎなさい。あなたが 立 た っているその 場所 ばしょ は 聖 せい なる 地 ち だからである」。
”主 しゅ は 彼 かれ に 言 い われた、「あなたの 手 て にあるそれは 何 なに か」。 彼 かれ は 言 い った、「つえです」。 また 言 い われた、「それを 地 ち に 投 な げなさい」。 彼 かれ がそれを 地 ち に 投 な げると、へびになったので、モーセはその 前 まえ から 身 み を 避 さ けた。 主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたの 手 て を 伸 の ばして、その 尾 お を 取 と りなさい。――そこで 手 て を 伸 の ばしてそれを 取 と ると、 手 て のなかでつえとなった。―― これは、 彼 かれ らの 先祖 せんぞ たちの 神 かみ 、アブラハムの 神 かみ 、イサクの 神 かみ 、ヤコブの 神 かみ である 主 しゅ が、あなたに 現 あらわ れたのを、 彼 かれ らに 信 しん じさせるためである」。
”主 しゅ はまた 彼 かれ に 言 い われた、「あなたの 手 て をふところに 入 い れなさい」。 彼 かれ が 手 て をふところに 入 い れ、それを 出 だ すと、 手 て は、らい 病 びょう にかかって、 雪 ゆき のように 白 しろ くなっていた。 主 しゅ は 言 い われた、「 手 て をふところにもどしなさい」。 彼 かれ は 手 て をふところにもどし、それをふところから 出 だ して 見 み ると、 回復 かいふく して、もとの 肉 にく のようになっていた。 主 しゅ は 言 い われた、「 彼 かれ らがもしあなたを 信 しん ぜず、また 初 はじ めのしるしを 認 みと めないならば、 後 のち のしるしは 信 しん じるであろう。 彼 かれ らがもしこの二つのしるしをも 信 しん ぜず、あなたの 声 こえ に 聞 き き 従 したが わないならば、あなたはナイル 川 かわ の 水 みず を 取 と って、かわいた 地 ち に 注 そそ ぎなさい。あなたがナイル 川 かわ から 取 と った 水 みず は、かわいた 地 ち で 血 ち となるであろう」。
”そしてアロンは 主 しゅ がモーセに 語 かた られた 言葉 ことば を、ことごとく 告 つ げた。また 彼 かれ は 民 たみ の 前 まえ でしるしを 行 おこな ったので、 民 たみ は 信 しん じた。 彼 かれ らは 主 しゅ がイスラエルの 人々 ひとびと を 顧 かえり み、その 苦 くる しみを 見 み られたのを 聞 き き、 伏 ふ して 礼拝 れいはい した。
”しかし、わたしはパロの 心 こころ をかたくなにするので、わたしのしるしと 不思議 ふしぎ をエジプトの 国 くに に 多 おお く 行 おこな っても、
”「パロがあなたがたに、『 不思議 ふしぎ をおこなって 証拠 しょうこ を 示 しめ せ』と 言 い う 時 とき 、あなたはアロンに 言 い いなさい、『あなたのつえを 取 と って、パロの 前 まえ に 投 な げなさい』と。するとそれはへびになるであろう」。 それで、モーセとアロンはパロのところに 行 い き、 主 しゅ の 命 めい じられたとおりにおこなった。すなわちアロンはそのつえを、パロとその 家来 けらい たちの 前 まえ に 投 な げると、それはへびになった。 そこでパロもまた 知者 ちしゃ と 魔法使 まほうつかい を 召 め し 寄 よ せた。これらのエジプトの 魔術 まじゅつ 師 し らもまた、その 秘術 ひじゅつ をもって 同 おな じように 行 おこな った。 すなわち 彼 かれ らは、おのおのそのつえを 投 な げたが、それらはへびになった。しかし、アロンのつえは 彼 かれ らのつえを、のみつくした。
”モーセとアロンは 主 しゅ の 命 めい じられたようにおこなった。すなわち、 彼 かれ はパロとその 家来 けらい たちの 目 め の 前 まえ で、つえをあげてナイル 川 かわ の 水 みず を 打 う つと、 川 かわ の 水 みず は、ことごとく 血 ち に 変 かわ った。 それで 川 かわ の 魚 うお は 死 し に、 川 かわ は 臭 くさ くなり、エジプトびとは 川 かわ の 水 みず を 飲 の むことができなくなった。そしてエジプト 全国 ぜんこく にわたって 血 ち があった。 エジプトの 魔術 まじゅつ 師 し らも 秘術 ひじゅつ をもって 同 おな じようにおこなった。しかし、 主 しゅ の 言 い われたように、パロの 心 こころ はかたくなになり、 彼 かれ らの 言 い うことを 聞 き かなかった。 パロは 身 み をめぐらして 家 いえ に 入 い り、またこのことをも 心 こころ に 留 と めなかった。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたはパロのところに 行 い って 言 い いなさい、『 主 しゅ はこう 仰 おお せられます、「わたしの 民 たみ を 去 さ らせて、わたしに 仕 つか えさせなさい。 しかし、 去 さ らせることを 拒 こば むならば、 見 み よ、わたしは、かえるをもって、あなたの 領土 りょうど を、ことごとく 撃 う つであろう。 ナイル 川 かわ にかえるが 群 むら がり、のぼって、あなたの 家 いえ 、あなたの 寝室 しんしつ にはいり、 寝台 しんだい にのぼり、あなたの 家来 けらい と 民 たみ の 家 いえ にはいり、またあなたのかまどや、こね 鉢 はち にはいり、 あなたと、あなたの 民 たみ と、すべての 家来 けらい のからだに、はい 上 あ がるであろう」と』」。 主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたはアロンに 言 い いなさい、『つえを 持 も って、 手 て を 川 かわ の 上 うえ 、 流 なが れの 上 うえ 、、 池 いけ の 上 うえ にさし 伸 の べ、かえるをエジプトの 地 ち にのぼらせなさい』と」。 アロンが 手 て をエジプトの 水 みず の 上 うえ にさし 伸 の べたので、かえるはのぼってエジプトの 地 ち をおおった。 魔術 まじゅつ 師 し らも 秘術 ひじゅつ をもって 同 おな じように 行 おこな い、かえるをエジプトの 地 ち にのぼらせた。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたはアロンに 言 い いなさい、『あなたのつえをさし 伸 の べて 地 ち のちりを 打 う ち、それをエジプトの 全国 ぜんこく にわたって、ぶよとならせなさい』と」。 彼 かれ らはそのように 行 おこな った。すなわちアロンはそのつえをとって 手 て をさし 伸 の べ、 地 ち のちりを 打 う ったので、ぶよは 人 ひと と 家畜 かちく についた。すなわち、 地 ち のちりはみなエジプトの 全国 ぜんこく にわたって、ぶよとなった。 魔術 まじゅつ 師 し らも 秘術 ひじゅつ をもって 同 おな じように 行 おこな い、ぶよを 出 だ そうとしたが、 彼 かれ らにはできなかった。ぶよが 人 ひと と 家畜 かちく についたので、 魔術 まじゅつ 師 し らはパロに 言 い った、「これは 神 かみ の 指 ゆび です」。しかし 主 しゅ の 言 い われたように、パロの 心 こころ はかたくなになって、 彼 かれ らのいうことを 聞 き かなかった。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたは 朝 あさ 早 はや く 起 お きてパロの 前 まえ に 立 た ちなさい。ちょうど 彼 かれ は 水 みず のところに 出 で ているから 彼 かれ に 言 い いなさい、『 主 しゅ はこう 仰 おお せられる、「わたしの 民 たみ を 去 さ らせて、わたしに 仕 つか えさせなさい。 あなたがわたしの 民 たみ を 去 さ らせないならば、わたしは、あなたとあなたの 家来 けらい と、あなたの 民 たみ とあなたの 家 いえ とに、あぶの 群 む れをつかわすであろう。エジプトびとの 家々 いえいえ は、あぶの 群 む れで 満 み ち、 彼 かれ らの 踏 ふ む 地 ち もまた、そうなるであろう。 その 日 ひ わたしは、わたしの 民 たみ の 住 す むゴセンの 地 ち を 区 く 別 べっ して、そこにあぶの 群 む れを 入 い れないであろう。 国 くに の 中 なか でわたしが 主 しゅ であることをあなたが 知 し るためである。 わたしはわたしの 民 たみ とあなたの 民 たみ の 間 あいだ に 区別 くべつ をおく。このしるしは、あす 起 おこ るであろう」と』」。 主 しゅ はそのようにされたので、おびただしいあぶが、パロの 家 いえ と、その 家来 けらい の 家 いえ と、エジプトの 全国 ぜんこく にはいってきて、 地 ち はあぶの 群 む れのために 害 がい をうけた。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「パロのもとに 行 い って、 彼 かれ に 言 い いなさい、『ヘブルびとの 神 かみ 、 主 しゅ はこう 仰 おお せられる、「わたしの 民 たみ を 去 さ らせて、わたしに 仕 つか えさせなさい。 あなたがもし 彼 かれ らを 去 さ らせることを 拒 こば んで、なお 彼 かれ らを 留 と めおくならば、 主 しゅ の 手 て は 最 もっと も 激 はげ しい 疫病 えきびょう をもって、 野 の にいるあなたの 家畜 かちく 、すなわち 馬 うま 、ろば、らくだ、 牛 うし 、 羊 ひつじ の 上 うえ に 臨 のぞ むであろう。 しかし、 主 しゅ はイスラエルの 家畜 かちく と、エジプトの 家畜 かちく を 区別 くべつ され、すべてイスラエルの 人々 ひとびと に 属 ぞく するものには一 頭 とう も 死 し ぬものがないであろう」と』」。 主 しゅ は、また、 時 とき を 定 さだ めて 仰 おお せられた、「あす、 主 しゅ はこのことを 国 くに に 行 おこな うであろう」。 あくる 日 ひ 、 主 しゅ はこのことを 行 おこな われたので、エジプトびとの 家畜 かちく はみな 死 し んだ。しかし、イスラエルの 人々 ひとびと の 家畜 かちく は一 頭 とう も 死 し ななかった。 パロは 人 ひと をつかわして 見 み させたが、イスラエルの 家畜 かちく は一 頭 とう も 死 し んでいなかった。それでもパロの 心 こころ はかたくなで、 民 たみ を 去 さ らせなかった。
”主 しゅ はモーセとアロンに 言 い われた、「あなたがたは、かまどのすすを 両 りょう 手 て いっぱい 取 と り、それをモーセはパロの 目 め の 前 まえ で 天 てん にむかって、まき 散 ち らしなさい。 それはエジプトの 全国 ぜんこく にわたって、 細 こま かいちりとなり、エジプト 全国 ぜんこく で 人 ひと と 獣 けもの に 付 つ いて、うみの 出 で るはれものとなるであろう」。 そこで 彼 かれ らは、かまどのすすを 取 と ってパロの 前 まえ に 立 た ち、モーセは 天 てん にむかってこれをまき 散 ち らしたので、 人 ひと と 獣 けもの に 付 つ いて、うみの 出 で るはれものとなった。 魔術 まじゅつ 師 し らは、はれもののためにモーセの 前 まえ に 立 た つことができなかった。はれものが 魔術 まじゅつ 師 し らと、すべてのエジプトびとに 生 しょう じたからである。 しかし、 主 しゅ はパロの 心 こころ をかたくなにされたので、 彼 かれ は 主 しゅ がモーセに 語 かた られたように、 彼 かれ らの 言 い うことを 聞 き かなかった。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたの 手 て を 天 てん にむかってさし 伸 の べ、エジプトの 全国 ぜんこく にわたって、エジプトの 地 ち にいる 人 ひと と 獣 けもの と 畑 はたけ のすべての 青物 あおもの の 上 うえ に 雹 ひょう を 降 ふ らせなさい」。 モーセが 天 てん にむかってつえをさし 伸 の べると、 主 しゅ は 雷 かみなり と 雹 ひょう をおくられ、 火 ひ は 地 ち にむかって、はせ 下 くだ った。こうして 主 しゅ は、 雹 ひょう をエジプトの 地 ち に 降 ふ らされた。 そして 雹 ひょう が 降 ふ り、 雹 ひょう の 間 あいだ に 火 ひ がひらめき 渡 わた った。 雹 ひょう は 恐 おそ ろしく 大 おお きく、エジプト 全国 ぜんこく には、 国 くに をなしてこのかた、かつてないものであった。 雹 ひょう はエジプト 全国 ぜんこく にわたって、すべて 畑 はたけ にいる 人 ひと と 獣 けもの を 打 う った。 雹 ひょう はまた 畑 はたけ のすべての 青物 あおもの を 打 う ち、 野 の のもろもろの 木 き を 折 お り 砕 くだ いた。 ただイスラエルの 人々 ひとびと のいたゴセンの 地 ち には、 雹 ひょう が 降 ふ らなかった。 そこで、パロは 人 ひと をつかわし、モーセとアロンを 召 め して 言 い った、「わたしはこんどは 罪 つみ を 犯 おか した。 主 しゅ は 正 ただ しく、わたしと、わたしの 民 たみ は 悪 わる い。
”主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたの 手 て をエジプトの 地 ち の 上 うえ にさし 伸 の べて、エジプトの 地 ち にいなごをのぼらせ、 地 ち のすべての 青物 あおもの 、すなわち、 雹 ひょう が 打 う ち 残 のこ したものを、ことごとく 食 た べさせなさい」。 そこでモーセはエジプトの 地 ち の 上 うえ に、つえをさし 伸 の べたので、 主 しゅ は 終日 しゅうじつ 、 終夜 しゅうや 、 東風 ひがしかぜ を 地 ち に 吹 ふ かせられた。 朝 あさ となって、 東風 ひがしかぜ は、いなごを 運 はこ んできた。 いなごはエジプト 全国 ぜんこく にのぞみ、エジプトの 全 ぜん 領土 りょうど にとどまり、その 数 かず がはなはだ 多 おお く、このようないなごは 前 まえ にもなく、また 後 のち にもないであろう。 いなごは 地 ち の 全面 ぜんめん をおおったので、 地 ち は 暗 くら くなった。そして 地 ち のすべての 青物 あおもの と、 雹 ひょう の 打 う ち 残 のこ した 木 き の 実 み を、ことごとく 食 た べたので、エジプト 全国 ぜんこく にわたって、 木 き にも 畑 はたけ の 青物 あおもの にも、 緑 みどり の 物 もの とては 何 なに も 残 のこ らなかった。 そこで、パロは、 急 いそ いでモーセとアロンを 召 め して 言 い った、「わたしは、あなたがたの 神 かみ 、 主 しゅ に 対 たい し、また、あなたがたに 対 たい して 罪 つみ を 犯 おか しました。
”主 しゅ はまたモーセに 言 い われた、「 天 てん にむかってあなたの 手 て をさし 伸 の べ、エジプトの 国 くに に、くらやみをこさせなさい。そのくらやみは、さわれるほどである」。 モーセが 天 てん にむかって 手 て をさし 伸 の べたので、 濃 こ いくらやみは、エジプト 全国 ぜんこく に 臨 のぞ み三 日 か に 及 およ んだ。 三 日 か の 間 あいだ 、 人々 ひとびと は 互 たがい に 見 み ることもできず、まただれもその 所 ところ から 立 た つ 者 もの もなかった。しかし、イスラエルの 人々 ひとびと には、みな、その 住 す む 所 ところ に 光 ひかり があった。
”夜中 よなか になって 主 しゅ はエジプトの 国 くに の、すべてのういご、すなわち 位 くらい に 座 ざ するパロのういごから、 地下 ちか のひとやにおる 捕虜 ほりょ のういごにいたるまで、また、すべての 家畜 かちく のういごを 撃 う たれた。 それでパロとその 家来 けらい およびエジプトびとはみな 夜 よる のうちに 起 お きあがり、エジプトに 大 おお いなる 叫 さけ びがあった。 死人 しにん のない 家 いえ がなかったからである。 そこでパロは 夜 よる のうちにモーセとアロンを 呼 よ び 寄 よ せて 言 い った、「あなたがたとイスラエルの 人々 ひとびと は 立 た って、わたしの 民 たみ の 中 なか から 出 で て 行 い くがよい。そしてあなたがたの 言 い うように、 行 い って 主 しゅ に 仕 つか えなさい。 あなたがたの 言 い うように 羊 ひつじ と 牛 うし とを 取 と って 行 い きなさい。また、わたしを 祝福 しゅくふく しなさい」。 こうしてエジプトびとは 民 たみ をせき 立 た てて、すみやかに 国 くに を 去 さ らせようとした。 彼 かれ らは「われわれはみな 死 し ぬ」と 思 おも ったからである。
”このとき、イスラエルの 部隊 ぶたい の 前 まえ に 行 い く 神 かみ の 使 つかい は 移 うつ って 彼 かれ らのうしろに 行 い った。 雲 くも の 柱 はしら も 彼 かれ らの 前 まえ から 移 うつ って 彼 かれ らのうしろに 立 た ち、 エジプトびとの 部隊 ぶたい とイスラエルびとの 部隊 ぶたい との 間 あいだ にきたので、そこに 雲 くも とやみがあり 夜 よ もすがら、かれとこれと 近 ちか づくことなく、 夜 よる がすぎた。 モーセが 手 て を 海 うみ の 上 うえ にさし 伸 の べたので、 主 しゅ は 夜 よ もすがら 強 つよ い 東風 ひがしかぜ をもって 海 うみ を 退 しりぞ かせ、 海 うみ を 陸地 りくち とされ、 水 みず は 分 わ かれた。 イスラエルの 人々 ひとびと は 海 うみ の 中 なか のかわいた 地 ち を 行 おこな ったが、 水 みず は 彼 かれ らの 右 みぎ と 左 ひだり に、かきとなった。 エジプトびとは 追 お ってきて、パロのすべての 馬 うま と 戦車 せんしゃ と 騎兵 きへい とは、 彼 かれ らのあとについて 海 うみ の 中 なか にはいった。 暁 あかつき の 更 さら に、 主 しゅ は 火 ひ と 雲 くも の 柱 はしら のうちからエジプトびとの 軍勢 ぐんぜい を 見 み おろして、エジプトびとの 軍勢 ぐんぜい を 乱 みだ し、 その 戦車 せんしゃ の 輪 わ をきしらせて、 進 すす むのに 重 おも くされたので、エジプトびとは 言 い った、「われわれはイスラエルを 離 はな れて 逃 に げよう。 主 しゅ が 彼 かれ らのためにエジプトびとと 戦 たたか う」。 そのとき 主 しゅ はモーセに 言 い われた、「あなたの 手 て を 海 うみ の 上 うえ にさし 伸 の べて、 水 みず をエジプトびとと、その 戦車 せんしゃ と 騎兵 きへい との 上 うえ に 流 なが れ 返 かえ らせなさい」。 モーセが 手 て を 海 うみ の 上 うえ にさし 伸 の べると、 夜明 よあ けになって 海 うみ はいつもの 流 なが れに 返 かえ り、エジプトびとはこれにむかって 逃 に げたが、 主 しゅ はエジプトびとを 海 うみ の 中 なか に 投 な げ 込 こ まれた。 水 みず は 流 なが れ 返 かえ り、イスラエルのあとを 追 お って 海 うみ にはいった 戦車 せんしゃ と 騎兵 きへい およびパロのすべての 軍勢 ぐんぜい をおおい、ひとりも 残 のこ らなかった。 しかし、イスラエルの 人々 ひとびと は 海 うみ の 中 なか のかわいた 地 ち を 行 おこな ったが、 水 みず は 彼 かれ らの 右 みぎ と 左 ひだり に、かきとなった。
”言 い われた、「あなたが、もしあなたの 神 かみ 、 主 しゅ の 声 こえ に 良 よ く 聞 き き 従 したが い、その 目 め に 正 ただ しいと 見 み られることを 行 おこな い、その 戒 いまし めに 耳 みみ を 傾 かたむ け、すべての 定 さだ めを 守 まも るならば、わたしは、かつてエジプトびとに 下 くだ した 病 やまい を一つもあなたに 下 くだ さないであろう。わたしは 主 しゅ であって、あなたをいやすものである」。
”彼 かれ らに 言 い われた、「あなたがたは、いま、わたしの 言葉 ことば を 聞 き きなさい。あなたがたのうちに、もし、 預言者 よげんしゃ があるならば、 主 しゅ なるわたしは 幻 まぼろし をもって、これにわたしを 知 し らせ、また 夢 ゆめ をもって、これと 語 かた るであろう。
”わたしの 栄光 えいこう と、わたしがエジプトと 荒野 あらの で 行 い ったしるしを 見 み ながら、このように十 度 ど もわたしを 試 こころ みて、わたしの 声 こえ に 聞 き きしたがわなかった 人々 ひとびと はひとりも、
”そこであなたがたは 近 ちか づいて、 山 やま のふもとに 立 た ったが、 山 やま は 火 ひ で 焼 や けて、その 炎 ほのお は 中天 ちゅうてん に 達 たっ し、 暗黒 あんこく と 雲 くも と 濃 こ い 雲 くも とがあった。 時 とき に 主 しゅ は 火 ひ の 中 なか から、あなたがたに 語 かた られたが、あなたがたは 言葉 ことば の 声 こえ を 聞 き いたけれども、 声 こえ ばかりで、なんの 形 かたち も 見 み なかった。 主 しゅ はその 契約 けいやく を 述 の べて、それを 行 おこな うように、あなたがたに 命 めい じられた。それはすなわち 十誡 じっかい であって、 主 しゅ はそれを 二 に 枚 まい の 石 いし の 板 いた に 書 か きしるされた。
”火 ひ の 中 なか から 語 かた られる 神 かみ の 声 こえ をあなたが 聞 き いたように、 聞 き いてなお 生 い きていた 民 たみ がかつてあったであろうか。 あるいはまた、あなたがたの 神 かみ 、 主 しゅ がエジプトにおいて、あなたがたの 目 め の 前 まえ に、あなたがたのためにもろもろの 事 こと をなされたように、 試 こころ みと、しるしと、 不思議 ふしぎ と、 戦 たたか いと、 強 つよ い 手 て と、 伸 の ばした 腕 うで と、 大 おお いなる 恐 おそ るべき 事 こと とをもって 臨 のぞ み、一つの 国民 こくみん を 他 た の 国民 こくみん のうちから 引 ひ き 出 だ して、 自分 じぶん の 民 たみ とされた 神 かみ が、かつてあったであろうか。
”主 しゅ はわれわれの 目 め の 前 まえ で、 大 おお きな 恐 おそ ろしいしるしと 不思議 ふしぎ とをエジプトと、パロとその 全家 ぜんか とに 示 しめ され、
”主 しゅ はまたすべての 病 やまい をあなたから 取 と り 去 さ り、あなたの 知 し っている、あのエジプトの 悪疫 あくえき にかからせず、ただあなたを 憎 にく むすべての 者 もの にそれを 臨 のぞ ませられるであろう。
”すなわち、あなたが 目 め で 見 み た 大 おお いなる 試 こころ みと、しるしと、 不思議 ふしぎ と、 強 つよ い 手 て と、 伸 の ばした 腕 うで とを 覚 おぼ えなさい。あなたの 神 かみ 、 主 しゅ はこれらをもって、あなたを 導 みちび き 出 だ されたのである。またそのように、あなたの 神 かみ 、 主 しゅ はあなたが 恐 おそ れているすべての 民 たみ にされるであろう。
”それで 主 しゅ はあなたを 苦 くる しめ、あなたを 飢 う えさせ、あなたも 知 し らず、あなたの 先祖 せんぞ たちも 知 し らなかったマナをもって、あなたを 養 やしな われた。 人 ひと はパンだけでは 生 い きず、 人 ひと は 主 しゅ の 口 くち から 出 で るすべてのことばによって 生 い きることをあなたに 知 し らせるためであった。 この四十 年 ねん の 間 あいだ 、あなたの 着物 きもの はすり 切 き れず、あなたの 足 あし は、はれなかった。
”イスラエルには、こののちモーセのような 預言者 よげんしゃ は 起 おこ らなかった。モーセは 主 しゅ が 顔 かお を 合 あ わせて 知 し られた 者 もの であった。 主 しゅ はエジプトの 地 ち で 彼 かれ をパロとそのすべての 家来 けらい およびその 全 ぜん 地 ち につかわして、もろもろのしるしと 不思議 ふしぎ を 行 おこな わせられた。 モーセはイスラエルのすべての 人 ひと の 前 まえ で 大 おお いなる 力 ちから をあらわし、 大 おお いなる 恐 おそ るべき 事 こと をおこなった。
”こうして 民 たみ はヨルダンを 渡 わた ろうとして 天幕 てんまく をいで 立 た ち、 祭司 さいし たちは 契約 けいやく の 箱 はこ をかき、 民 たみ に 先立 さきだ って 行 い ったが、 箱 はこ をかく 者 もの がヨルダンにきて、 箱 はこ をかく 祭司 さいし たちの 足 あし が 水 みず ぎわにひたると 同時 どうじ に、――ヨルダンは 刈入 かりい れの 間 あいだ 中 ぢゅう 、 岸 きし 一面 いちめん にあふれるのであるが、―― 上 うえ から 流 なが れくだる 水 みず はとどまって、はるか 遠 とお くのザレタンのかたわらにある 町 まち アダムのあたりで、うず 高 たか く 立 た ち、アラバの 海 うみ すなわち 塩 しお の 海 うみ の 方 ほう に 流 なが れくだる 水 みず は 全 まった くせきとめられたので、 民 たみ はエリコに 向 む かって 渡 わた った。 すべてのイスラエルが、かわいた 地 ち を 渡 わた って 行 い く 間 あいだ 、 主 しゅ の 契約 けいやく の 箱 はこ をかく 祭司 さいし たちは、ヨルダンの 中 なか のかわいた 地 ち に 立 た っていた。そしてついに 民 たみ はみなヨルダンを 渡 わた り 終 おわ った。
”七日 なぬか 目 め には、 夜明 よあ けに、 早 はや く 起 お き、 同 おな じようにして、 町 まち を七 度 ど めぐった。 町 まち を七 度 ど めぐったのはこの 日 ひ だけであった。 七 度目 どめ に、 祭司 さいし たちがラッパを 吹 ふ いた 時 とき 、ヨシュアは 民 たみ に 言 い った、「 呼 よ ばわりなさい。 主 しゅ はこの 町 まち をあなたがたに 賜 たま わった。 この 町 まち と、その 中 なか のすべてのものは、 主 しゅ への 奉納物 ほうのうぶつ として 滅 ほろ ぼされなければならない。ただし 遊女 ゆうじょ ラハブと、その 家 いえ に 共 とも におる 者 もの はみな 生 い かしておかなければならない。われわれが 送 おく った 使者 ししゃ たちをかくまったからである。 また、あなたがたは、 奉納物 ほうのうぶつ に 手 て を 触 ふ れてはならない。 奉納 ほうのう に 当 あた り、その 奉納物 ほうのうぶつ をみずから 取 と って、イスラエルの 宿営 しゅくえい を、 滅 ほろ ぼさるべきものとし、それを 悩 なや ますことのないためである。 ただし、 銀 ぎん と 金 きん 、 青銅 せいどう と 鉄 てつ の 器 うつわ は、みな 主 しゅ に 聖 せい なる 物 もの であるから、 主 しゅ の 倉 くら に 携 たずさ え 入 い れなければならない」。 そこで 民 たみ は 呼 よ ばわり、 祭司 さいし たちはラッパを 吹 ふ き 鳴 な らした。 民 たみ はラッパの 音 おと を 聞 き くと 同時 どうじ に、みな 大声 おおごえ をあげて 呼 よ ばわったので、 石 いし がきはくずれ 落 お ちた。そこで 民 たみ はみな、すぐに 上 のぼ って 町 まち にはいり、 町 まち を 攻 せ め 取 と った。
”主 しゅ がアモリびとをイスラエルの 人々 ひとびと にわたされた 日 ひ に、ヨシュアはイスラエルの 人々 ひとびと の 前 まえ で 主 しゅ にむかって 言 い った、「 日 ひ よ、ギベオンの 上 うえ にとどまれ、 月 つき よ、アヤロンの 谷 たに にやすらえ」。 民 たみ がその 敵 てき を 撃 う ち 破 やぶ るまで、 日 ひ はとどまり、 月 つき は 動 うご かなかった。これはヤシャルの 書 しょ にしるされているではないか。 日 ひ が 天 てん の 中空 ちゅうくう にとどまって、 急 いそ いで 没 ぼっ しなかったこと、おおよそ一 日 にち であった。
”かくてサムソンは 父母 ふぼ と 共 とも にテムナに 下 くだ って 行 い った。 彼 かれ がテムナのぶどう 畑 はたけ に 着 つ くと、一 頭 とう の 若 わか いししがほえたけって 彼 かれ に 向 む かってきた。 時 とき に 主 しゅ の 霊 れい が 激 はげ しく 彼 かれ に 臨 のぞ んだので、 彼 かれ はあたかも 子 こ やぎを 裂 さ くようにそのししを 裂 さ いたが、 手 て にはなんの 武器 ぶき も 持 も っていなかった。しかしサムソンはそのしたことを 父 ちち にも 母 はは にも 告 つ げなかった。
”そしてサムソンは、その 家 いえ をささえている二つの 中 なか 柱 はしら の一つを 右 みぎ の 手 て に、一つを 左 ひだり の 手 て にかかえて、 身 み をそれに 寄 よ せ、 「わたしはペリシテびとと 共 とも に 死 し のう」と 言 い って、 力 ちから をこめて 身 み をかがめると、 家 いえ はその 中 なか にいた 君 きみ たちと、すべての 民 たみ の 上 うえ に 倒 たお れた。こうしてサムソンが 死 し ぬときに 殺 ころ したものは、 生 い きているときに 殺 ころ したものよりも 多 おお かった。
”そしてペリシテびとはその 神 かみ の 箱 はこ を 取 と ってダゴンの 宮 みや に 運 はこ びこみ、ダゴンのかたわらに 置 お いた。 アシドドの 人々 ひとびと が、 次 つぎ の 日 ひ 、 早 はや く 起 お きて 見 み ると、ダゴンが 主 しゅ の 箱 はこ の 前 まえ に、うつむきに 地 ち に 倒 たお れていたので、 彼 かれ らはダゴンを 起 おこ して、それをもとの 所 ところ に 置 お いた。 その 次 つぎ の 朝 あさ また 早 はや く 起 お きて 見 み ると、ダゴンはまた、 主 しゅ の 箱 はこ の 前 まえ に、うつむきに 地 ち に 倒 たお れていた。そしてダゴンの 頭 あたま と 両手 りょうて とは 切 き れて 離 はな れ、しきいの 上 うえ にあり、ダゴンはただ 胴体 どうたい だけとなっていた。
”そして 主 しゅ の 手 て はアシドドびとの 上 うえ にきびしく 臨 のぞ み、 主 しゅ は 腫物 はれもの をもってアシドドとその 領域 りょういき の 人々 ひとびと を 恐 おそ れさせ、また 悩 なや まされた。 アシドドの 人々 ひとびと は、このありさまを 見 み て 言 い った、「イスラエルの 神 かみ の 箱 はこ を、われわれの 所 ところ に、とどめ 置 お いてはならない。その 神 かみ の 手 て が、われわれと、われわれの 神 かみ ダゴンの 上 うえ にきびしく 臨 のぞ むからである」。 そこで 彼 かれ らは 人 ひと をつかわして、ペリシテびとの 君 きみ たちを 集 あつ めて 言 い った、「イスラエルの 神 かみ の 箱 はこ をどうしましょう」。 彼 かれ らは 言 い った、「イスラエルの 神 かみ の 箱 はこ はガテに 移 うつ そう」。 人々 ひとびと はイスラエルの 神 かみ の 箱 はこ をそこに 移 うつ した。 彼 かれ らがそれを 移 うつ すと、 主 しゅ の 手 て がその 町 まち に 臨 のぞ み、 非常 ひじょう な 騒 さわ ぎが 起 た った。そして 老若 ろうにゃく を 問 と わず 町 まち の 人々 ひとびと を 撃 う たれたので、 彼 かれ らの 身 み に 腫物 はれもの ができた。 そこで 人々 ひとびと は 神 かみ の 箱 はこ をエクロンに 送 おく ったが、 神 かみ の 箱 はこ がエクロンに 着 つ いた 時 とき 、エクロンの 人々 ひとびと は 叫 さけ んで 言 い った、「 彼 かれ らがイスラエルの 神 かみ の 箱 はこ をわれわれの 所 ところ に 移 うつ したのは、われわれと 民 たみ を 滅 ほろ ぼすためである」。 そこで 彼 かれ らは 人 ひと をつかわして、ペリシテびとの 君 きみ たちをみな 集 あつ めて 言 い った、「イスラエルの 神 かみ の 箱 はこ を 送 おく り 出 だ して、もとの 所 ところ に 返 かえ し、われわれと 民 たみ を 滅 ほろ ぼすことのないようにしよう」。 恐 おそ ろしい 騒 さわ ぎが 町中 まちぢゅう に 起 た っていたからである。そこには 神 かみ の 手 て が 非常 ひじょう にきびしく 臨 のぞ んでいたので、 死 し なない 人 ひと は 腫物 はれもの をもって 撃 う たれ、 町 まち の 叫 さけ びは 天 てん に 達 たっ した。
”ベテシメシの 人々 ひとびと で 主 しゅ の 箱 はこ の 中 なか を 見 み たものがあったので、 主 しゅ はこれを 撃 う たれた。すなわち 民 たみ のうち七十 人 にん を 撃 う たれた。 主 しゅ が 民 たみ を 撃 う って 多 おお くの 者 もの を 殺 ころ されたので、 民 たみ はなげき 悲 かな しんだ。 ベテシメシの 人々 ひとびと は 言 い った、「だれが、この 聖 せい なる 神 かみ 、 主 しゅ の 前 まえ に 立 た つことができようか。 主 しゅ はわれわれを 離 はな れてだれの 所 ところ へ 上 のぼ って 行 い かれたらよいのか」。
”しかしダビデはサウルに 言 い った、「しもべは 父 ちち の 羊 ひつじ を 飼 か っていたのですが、しし、あるいはくまがきて、 群 む れの 小羊 こひつじ を 取 と った 時 とき 、 わたしはそのあとを 追 お って、これを 撃 う ち、 小羊 こひつじ をその 口 くち から 救 すく いだしました。その 獣 けもの がわたしにとびかかってきた 時 とき は、ひげをつかまえて、それを 撃 う ち 殺 ころ しました。 しもべはすでに、ししと、くまを 殺 ころ しました。この 割礼 かつれい なきペリシテびとも、 生 い ける 神 かみ の 軍 ぐん をいどんだのですから、あの 獣 けもの の一 頭 とう のようになるでしょう」。 ダビデはまた 言 い った、「ししのつめ、くまのつめからわたしを 救 すく い 出 だ された 主 しゅ は、またわたしを、このペリシテびとの 手 て から 救 すく い 出 だ されるでしょう」。サウルはダビデに 言 い った、「 行 い きなさい。どうぞ 主 しゅ があなたと 共 とも におられるように」。
”ダビデはペリシテびとに 言 い った、「おまえはつるぎと、やりと、 投 な げやりを 持 も って、わたしに 向 む かってくるが、わたしは 万軍 ばんぐん の 主 しゅ の 名 な 、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの 軍 ぐん の 神 かみ の 名 な によって、おまえに 立 た ち 向 む かう。 きょう、 主 しゅ は、おまえをわたしの 手 て にわたされるであろう。わたしは、おまえを 撃 う って、 首 くび をはね、ペリシテびとの 軍勢 ぐんぜい の 死 し かばねを、きょう、 空 そら の 鳥 とり 、 地 ち の 野獣 やじゅう のえじきにし、イスラエルに、 神 かみ がおられることを 全 ぜん 地 ち に 知 し らせよう。 またこの 全 ぜん 会衆 かいしゅう も、 主 しゅ は 救 すくい を 施 ほどこ すのに、つるぎとやりを 用 もち いられないことを 知 し るであろう。この 戦 たたか いは 主 しゅ の 戦 たたか いであって、 主 しゅ がわれわれの 手 て におまえたちを 渡 わた されるからである」。 そのペリシテびとが 立 た ち 上 あ がり、 近 ちか づいてきてダビデに 立 た ち 向 む かったので、ダビデは 急 いそ ぎ 戦線 せんせん に 走 はし り 出 で て、ペリシテびとに 立 た ち 向 む かった。 ダビデは 手 て を 袋 ふくろ に 入 い れて、その 中 なか から一つの 石 いし を 取 と り、 石 いし 投 な げで 投 な げて、ペリシテびとの 額 ひたい を 撃 う ったので、 石 いし はその 額 ひたい に 突 つ き 入 はい り、うつむきに 地 ち に 倒 たお れた。 こうしてダビデは 石 いし 投 な げと 石 いし をもってペリシテびとに 勝 か ち、ペリシテびとを 撃 う って、これを 殺 ころ した。ダビデの 手 て につるぎがなかったので、 ダビデは 走 はし りよってペリシテびとの 上 うえ に 乗 の り、そのつるぎを 取 と って、さやから 抜 ぬ きはなし、それをもって 彼 かれ を 殺 ころ し、その 首 くび をはねた。ペリシテの 人々 ひとびと は、その 勇士 ゆうし が 死 し んだのを 見 み て 逃 に げた。
”彼 かれ らがナコンの 打 う ち 場 ば にきた 時 とき 、ウザは 神 かみ の 箱 はこ に 手 て を 伸 の べて、それを 押 おさ えた。 牛 うし がつまずいたからである。 すると 主 しゅ はウザに 向 む かって 怒 いか りを 発 はっ し、 彼 かれ が 手 て を 箱 はこ に 伸 の べたので、 彼 かれ をその 場 ば で 撃 う たれた。 彼 かれ は 神 かみ の 箱 はこ のかたわらで 死 し んだ。
”ギレアデのテシベに 住 す むテシベびとエリヤはアハブに 言 い った、「わたしの 仕 つか えているイスラエルの 神 かみ 、 主 しゅ は 生 い きておられます。わたしの 言葉 ことば のないうちは、 数年 すうねん 雨 あめ も 露 つゆ もないでしょう」。
”彼女 かのじょ は 言 い った、「あなたの 神 かみ 、 主 しゅ は 生 い きておられます。わたしにはパンはありません。ただ、かめに 一握 ひとにぎ りの 粉 こな と、びんに 少 すこ しの 油 あぶら があるだけです。 今 いま わたしはたきぎ二、三 本 ぼん を 拾 ひろ い、うちへ 帰 かえ って、わたしと 子供 こども のためにそれを 調理 ちょうり し、それを 食 た べて 死 し のうとしているのです」。 エリヤは 彼女 かのじょ に 言 い った、「 恐 おそ れるにはおよばない。 行 い って、あなたが 言 い ったとおりにしなさい。しかしまず、それでわたしのために 小 ちい さいパンを、一つ 作 つく って 持 も ってきなさい。その 後 のち 、あなたと、あなたの 子供 こども のために 作 つく りなさい。 『 主 しゅ が 雨 あめ を 地 ち のおもてに 降 ふ らす 日 ひ まで、かめの 粉 こな は 尽 つ きず、びんの 油 あぶら は 絶 た えない』とイスラエルの 神 かみ 、 主 しゅ が 言 い われるからです」。 彼女 かのじょ は 行 い って、エリヤが 言 い ったとおりにした。 彼女 かのじょ と 彼 かれ および 彼女 かのじょ の 家族 かぞく は 久 ひさ しく 食 た べた。 主 しゅ がエリヤによって 言 い われた 言葉 ことば のように、かめの 粉 こな は 尽 つ きず、びんの 油 あぶら は 絶 た えなかった。
”これらの 事 こと の 後 のち 、その 家 いえ の 主婦 しゅふ であるこの 女 おんな の 男 おとこ の 子 こ が 病気 びょうき になった。その 病気 びょうき はたいそう 重 おも く、 息 いき が 絶 た えたので、 彼女 かのじょ はエリヤに 言 い った、「 神 かみ の 人 ひと よ、あなたはわたしに、 何 なに の 恨 うら みがあるのですか。あなたはわたしの 罪 つみ を 思 おも い 出 だ させるため、またわたしの 子 こ を 死 し なせるためにおいでになったのですか」。 エリヤは 彼女 かのじょ に 言 い った、「 子 こ をわたしによこしなさい」。そして 彼女 かのじょ のふところから 子供 こども を 取 と り、 自分 じぶん のいる 屋上 おくじょう のへやへかかえて 上 のぼ り、 自分 じぶん の 寝台 しんだい に 寝 ね かせ、 主 しゅ に 呼 よ ばわって 言 い った、「わが 神 かみ 、 主 しゅ よ、あなたはわたしが 宿 やど っている 家 いえ のやもめにさえ 災 わざわい をくだして、 子供 こども を 殺 ころ されるのですか」。 そして三 度 ど その 子 こ 供 とも の 上 うえ に 身 み を 伸 の ばし、 主 しゅ に 呼 よ ばわって 言 い った、「わが 神 かみ 、 主 しゅ よ、この 子供 こども の 魂 たましい をもとに 帰 かえ らせてください」。 主 しゅ はエリヤの 声 こえ を 聞 き きいれられたので、その 子 こ 供 とも の 魂 たましい はもとに 帰 かえ って、 彼 かれ は 生 い きかえった。 エリヤはその 子 こ 供 とも を 取 と って 屋上 おくじょう のへやから 家 いえ の 中 なか につれて 降 ふ り、その 母 はは にわたして 言 い った、「ごらんなさい。あなたの 子 こ は 生 い きかえりました」。 女 おんな はエリヤに 言 い った、「 今 いま わたしはあなたが 神 かみ の 人 ひと であることと、あなたの 口 くち にある 主 しゅ の 言葉 ことば が 真実 しんじつ であることを 知 し りました」。
”その 石 いし で 主 しゅ の 名 な によって 祭壇 さいだん を 築 きず き、 祭壇 さいだん の 周囲 しゅうい に 種 たね 二セヤをいれるほどの 大 おお きさの、みぞを 作 つく った。 また、たきぎを 並 なら べ、 牛 うし を 切 き り 裂 さ いてたきぎの 上 うえ に 載 の せて 言 い った、「四つのかめに 水 みず を 満 み たし、それを 燔祭 はんさい とたきぎの 上 うえ に 注 そそ げ」。 また 言 い った、「それを二 度 ど せよ」。二 度 ど それをすると、また 言 い った、「三 度 ど それをせよ」。三 度 ど それをした。 水 みず は 祭壇 さいだん の 周囲 しゅうい に 流 なが れた。またみぞにも 水 みず を 満 み たした。 夕 ゆう の 供 そな え 物 もの をささげる 時 とき になって、 預言者 よげんしゃ エリヤは 近寄 ちかよ って 言 い った、「アブラハム、イサク、ヤコブの 神 かみ 、 主 しゅ よ、イスラエルでは、あなたが 神 かみ であること、わたしがあなたのしもべであって、あなたの 言葉 ことば に 従 したが ってこのすべての 事 こと を 行 おこな ったことを、 今日 こんにち 知 し らせてください。 主 しゅ よ、わたしに 答 こた えてください、わたしに 答 こた えてください。 主 しゅ よ、この 民 たみ にあなたが 神 かみ であること、またあなたが 彼 かれ らの 心 こころ を 翻 ひるがえ されたのであることを 知 し らせてください」。 そのとき 主 しゅ の 火 ひ が 下 くだ って 燔祭 はんさい と、たきぎと、 石 いし と、ちりとを 焼 や きつくし、またみぞの 水 みず をなめつくした。 民 たみ は 皆 みな 見 み て、ひれ 伏 ふ して 言 い った、「 主 しゅ が 神 かみ である。 主 しゅ が 神 かみ である」。
”エリヤは 外套 がいとう を 取 と り、それを 巻 ま いて 水 みず を 打 う つと、 水 みず が 左右 さゆう に 分 わか れたので、ふたりはかわいた 土 つち の 上 うえ を 渡 わた ることができた。
”彼 かれ らが 進 すす みながら 語 かた っていた 時 とき 、 火 ひ の 車 くるま と 火 ひ の 馬 うま があらわれて、ふたりを 隔 へだ てた。そしてエリヤはつむじ 風 かぜ に 乗 の って 天 てん にのぼった。 エリシャはこれを 見 み て「わが 父 ちち よ、わが 父 ちち よ、イスラエルの 戦車 せんしゃ よ、その 騎兵 きへい よ」と 叫 さけ んだが、 再 ふたた び 彼 かれ を 見 み なかった。そこでエリシャは 自分 じぶん の 着物 きもの をつかんで、それを二つに 裂 さ き、 またエリヤの 身 み から 落 お ちた 外套 がいとう を 取 と り 上 あ げ、 帰 かえ ってきてヨルダンの 岸 きし に 立 た った。 そしてエリヤの 身 み から 落 お ちたその 外套 がいとう を 取 と って 水 みず を 打 う ち、「エリヤの 神 かみ 、 主 しゅ はどこにおられますか」と 言 い い、 彼 かれ が 水 みず を 打 う つと、 水 みず は 左右 さゆう に 分 わか れたので、エリシャは 渡 わた った。
”彼 かれ はそこからベテルへ 上 のぼ ったが、 上 のぼ って 行 い く 途中 とちゅう 、 小 ちい さい 子供 こども らが 町 まち から 出 で てきて 彼 かれ をあざけり、 彼 かれ にむかって「はげ 頭 あたま よ、のぼれ。はげ 頭 あたま よ、のぼれ」と 言 い ったので、 彼 かれ はふり 返 かえ って 彼 かれ らを 見 み 、 主 しゅ の 名 な をもって 彼 かれ らをのろった。すると 林 はやし の 中 なか から二 頭 とう の 雌 め ぐまが 出 で てきて、その 子 こ 供 とも らのうち四十二 人 にん を 裂 さ いた。
”エリシャは 彼女 かのじょ に 言 い った、「あなたのために 何 なに をしましょうか。あなたの 家 いえ にどんな 物 もの があるか、 言 い いなさい」。 彼女 かのじょ は 言 い った、「一びんの 油 あぶら のほかは、はしための 家 いえ に 何 なに もありません」。 彼 かれ は 言 い った、「ほかへ 行 い って、 隣 となり の 人々 ひとびと から 器 うつわ を 借 か りなさい。あいた 器 うつわ を 借 か りなさい。 少 すこ しばかりではいけません。 そして 内 うち にはいって、あなたの 子供 こども たちと 一緒 いっしょ に 戸 と の 内 うち に 閉 と じこもり、そのすべての 器 うつわ に 油 あぶら をついで、いっぱいになったとき、一つずつそれを 取 と りのけておきなさい」。 彼女 かのじょ は 彼 かれ を 離 はな れて 去 さ り、 子供 こども たちと 一緒 いっしょ に 戸 と の 内 うち に 閉 と じこもり、 子供 こども たちの 持 も って 来 く る 器 うつわ に 油 あぶら をついだ。 油 あぶら が 満 み ちたとき、 彼女 かのじょ は 子供 こども に「もっと 器 うつわ を 持 も ってきなさい」と 言 い ったが、 子供 こども が「 器 うつわ はもうありません」と 言 い ったので、 油 あぶら はとまった。 そこで 彼女 かのじょ は 神 かみ の 人 ひと のところにきて 告 つ げたので、 彼 かれ は 言 い った、「 行 い って、その 油 あぶら を 売 う って 負債 ふさい を 払 はら いなさい。あなたと、あなたの 子供 こども たちはその 残 のこ りで 暮 くら すことができます」。
”エリシャが 家 いえ にはいって 見 み ると、 子供 こども は 死 し んで、 寝台 しんだい の 上 うえ に 横 よこ たわっていたので、 彼 かれ ははいって 戸 と を 閉 と じ、 彼 かれ らふたりだけ 内 うち にいて 主 しゅ に 祈 いの った。 そしてエリシャが 上 あ がって 子供 こども の 上 うえ に 伏 ふ し、 自分 じぶん の 口 くち を 子供 こども の 口 くち の 上 うえ に、 自分 じぶん の 目 め を 子供 こども の 目 め の 上 うえ に、 自分 じぶん の 両手 りょうて を 子供 こども の 両手 りょうて の 上 うえ にあて、その 身 み を 子供 こども の 上 うえ に 伸 の ばしたとき、 子供 こども のからだは 暖 あたた かになった。 こうしてエリシャは 再 ふたた び 起 お きあがって、 家 いえ の 中 なか をあちらこちらと 歩 あゆ み、また 上 うえ がって、その 身 み を 子供 こども の 上 うえ に 伸 の ばすと、 子供 こども は七たびくしゃみをして 目 め を 開 ひら いた。
”やがてこれを 盛 も って 人々 ひとびと に 食 た べさせようとしたが、 彼 かれ らがその 煮物 にもの を 食 た べようとした 時 とき 、 叫 さけ んで、「ああ 神 かみ の 人 ひと よ、かまの 中 なか に、たべると 死 し ぬものがはいっています」と 言 い って、 食 た べることができなかったので、 エリシャは「それでは 粉 こな を 持 も って 来 き なさい」と 言 い って、それをかまに 投 な げ 入 い れ、「 盛 も って 人々 ひとびと に 食 た べさせなさい」と 言 い った。かまの 中 なか には、なんの 毒物 どくぶつ もなくなった。 その 時 とき 、バアル・シャリシャから 人 ひと がきて、 初穂 はつほ のパンと、 大麦 おおむぎ のパン二十 個 こ と、 新穀 しんこく 一 袋 ふくろ とを 神 かみ の 人 ひと のもとに 持 も ってきたので、エリシャは「 人々 ひとびと に 与 あた えて 食 た べさせなさい」と 言 い ったが、 その 召使 めしつかい は 言 い った、「どうしてこれを百 人 にん の 前 まえ に 供 そな えるのですか」。しかし 彼 かれ は 言 い った、「 人々 ひとびと に 与 あた えて 食 た べさせなさい。 主 しゅ はこう 言 い われる、『 彼 かれ らは 食 た べてなお 余 あま すであろう』」。 そこで 彼 かれ はそれを 彼 かれ らの 前 まえ に 供 そな えたので、 彼 かれ らは 食 た べてなお 余 あま した。 主 しゅ の 言葉 ことば のとおりであった。
”するとエリシャは 彼 かれ に 使者 ししゃ をつかわして 言 い った、「あなたはヨルダンへ 行 い って七たび 身 み を 洗 あら いなさい。そうすれば、あなたの 肉 にく はもとにかえって 清 きよ くなるでしょう」。 しかしナアマンは 怒 いか って 去 さ り、そして 言 い った、「わたしは、 彼 かれ がきっとわたしのもとに 出 で てきて 立 た ち、その 神 かみ 、 主 しゅ の 名 な を 呼 よ んで、その 箇所 かしょ の 上 うえ に 手 て を 動 うご かして、らい 病 びょう をいやすのだろうと 思 おも った。 ダマスコの 川 かわ アバナとパルパルはイスラエルのすべての 川 かわ 水 みず にまさるではないか。わたしはこれらの 川 かわ に 身 み を 洗 あら って 清 きよ まることができないのであろうか」。こうして 彼 かれ は 身 み をめぐらし、 怒 いか って 去 さ った。 その 時 とき 、しもべたちは 彼 かれ に 近 ちか よって 言 い った、「わが 父 ちち よ、 預言者 よげんしゃ があなたに、 何 なに か 大 おお きな 事 こと をせよと 命 めい じても、あなたはそれをなさらなかったでしょうか。まして 彼 かれ はあなたに『 身 み を 洗 あら って 清 きよ くなれ』と 言 い うだけではありませんか」。 そこでナアマンは 下 くだ って 行 い って、 神 かみ の 人 ひと の 言葉 ことば のように七たびヨルダンに 身 み を 浸 ひた すと、その 肉 にく がもとにかえって 幼 おさ な 子 こ の 肉 にく のようになり、 清 きよ くなった。
”ひとりが 材木 ざいもく を 切 き り 倒 たお しているとき、おのの 頭 あたま が 水 みず の 中 なか に 落 お ちたので、 彼 かれ は 叫 さけ んで 言 い った。「ああ、わが 主 しゅ よ。これは 借 か りたものです」。 神 かみ の 人 ひと は 言 い った、「それはどこに 落 お ちたのか」。 彼 かれ がその 場所 ばしょ を 知 し らせると、エリシャは一 本 ぽん の 枝 えだ を 切 き り 落 おと し、そこに 投 な げ 入 い れて、そのおのの 頭 あたま を 浮 うか ばせ、 「それを 取 と りあげよ」と 言 い ったので、その 人 ひと は 手 て を 伸 の べてそれを 取 と った。
”かつてスリヤの 王 おう がイスラエルと 戦 たたか っていたとき、 家来 けらい たちと 評議 ひょうぎ して「しかじかの 所 ところ にわたしの 陣 じん を 張 は ろう」と 言 い うと、 神 かみ の 人 ひと はイスラエルの 王 おう に「あなたは 用心 ようじん して、この 所 ところ をとおってはなりません。スリヤびとがそこに 下 くだ ってきますから」と 言 い い 送 おく った。 それでイスラエルの 王 おう は 神 かみ の 人 ひと が 自分 じぶん に 告 つ げてくれた 所 ところ に 人 ひと をつかわし、 警戒 けいかい したので、その 所 ところ でみずからを 防 ふせ ぎえたことは一、二 回 かい にとどまらなかった。 スリヤの 王 おう はこの 事 こと のために 心 こころ を 悩 なや まし、 家来 けらい たちを 召 め して 言 い った、「われわれのうち、だれがイスラエルの 王 おう と 通 つう じているのか、わたしに 告 つ げる 者 もの はないか」。 ひとりの 家来 けらい が 言 い った、「 王 おう 、わが 主 しゅ よ、だれも 通 つう じている 者 もの はいません。ただイスラエルの 預言者 よげんしゃ エリシャが、あなたが 寝室 しんしつ で 語 かた られる 言葉 ことば でもイスラエルの 王 おう に 告 つ げるのです」。
”神 かみ の 人 ひと の 召使 めしつかい が 朝 あさ 早 はや く 起 お きて 出 で て 見 み ると、 軍勢 ぐんぜい が 馬 うま と 戦車 せんしゃ をもって 町 まち を 囲 かこ んでいたので、その 若者 わかもの はエリシャに 言 い った、「ああ、わが 主 しゅ よ、わたしたちはどうしましょうか」。 エリシャは 言 い った、「 恐 おそ れることはない。われわれと 共 とも にいる 者 もの は 彼 かれ らと 共 とも にいる 者 もの よりも 多 おお いのだから」。 そしてエリシャが 祈 いの って「 主 しゅ よ、どうぞ、 彼 かれ の 目 め を 開 ひら いて 見 み させてください」と 言 い うと、 主 しゅ はその 若者 わかもの の 目 め を 開 ひら かれたので、 彼 かれ が 見 み ると、 火 ひ の 馬 うま と 火 ひ の 戦車 せんしゃ が 山 やま に 満 み ちてエリシャのまわりにあった。 スリヤびとがエリシャの 所 ところ に 下 くだ ってきた 時 とき 、エリシャは 主 しゅ に 祈 いの って 言 い った、「どうぞ、この 人々 ひとびと の 目 め をくらましてください」。するとエリシャの 言葉 ことば のとおりに 彼 かれ らの 目 め をくらまされた。 そこでエリシャは 彼 かれ らに「これはその 道 みち ではない。これはその 町 まち でもない。わたしについてきなさい。わたしはあなたがたを、あなたがたの 尋 たず ねる 人 ひと の 所 ところ へ 連 つ れて 行 い きましょう」と 言 い って、 彼 かれ らをサマリヤへ 連 つ れて 行 い った。 彼 かれ らがサマリヤにはいったとき、エリシャは 言 い った、「 主 しゅ よ、この 人々 ひとびと の 目 め を 開 ひら いて 見 み させてください」。 主 しゅ は 彼 かれ らの 目 め を 開 ひら かれたので、 彼 かれ らが 見 み ると、 見 み よ、 彼 かれ らはサマリヤのうちに 来 き ていた。
”時 とき に、ひとりの 人 ひと を 葬 ほうむ ろうとする 者 もの があったが、 略奪 りゃくだつ 隊 たい を 見 み たので、その 人 ひと をエリシャの 墓 はか に 投 な げ 入 い れて 去 さ った。その 人 ひと はエリシャの 骨 ほね に 触 ふ れるとすぐ 生 い きかえって 立 た ちあがった。
”イザヤは 言 い った、「 主 しゅ が 約束 やくそく されたことを 行 おこな われることについては、 主 しゅ からこのしるしを 得 え られるでしょう。すなわち 日影 ひかげ が十 度 ど 進 すす むか、あるいは十 度 ど 退 しりぞ くかです」。 ヒゼキヤは 答 こた えた、「 日影 ひかげ が十 度 ど 進 すす むことはたやすい 事 こと です。むしろ 日影 ひかげ を十 度 ど 退 しりぞ かせてください」。 そこで 預言者 よげんしゃ イザヤが 主 しゅ に 呼 よ ばわると、アハズの 日 ひ 時 とき 計の 上 うえ に 進 すす んだ 日影 ひかげ を、十 度 ど 退 しりぞ かせられた。
”アサはその 治世 ちせい の三十九 年 ねん に 足 あし を 病 や み、その 病 やまい は 激 はげ しくなったが、その 病 やまい の 時 とき にも、 主 しゅ を 求 もと めないで 医者 いしゃ を 求 もと めた。
”ところが 彼 かれ は 強 つよ くなるに 及 およ んで、その 心 こころ に 高 たか ぶり、ついに 自分 じぶん を 滅 ほろ ぼすに 至 いた った。すなわち 彼 かれ はその 神 かみ 、 主 しゅ にむかって 罪 つみ を 犯 おか し、 主 しゅ の 宮 みや にはいって 香 こう の 祭壇 さいだん の 上 うえ に 香 こう をたこうとした。 その 時 とき 、 祭司 さいし アザリヤは 主 しゅ の 祭司 さいし である 勇士 ゆうし 八十 人 にん を 率 ひき いて、 彼 かれ のあとに 従 したが ってはいり、 ウジヤ 王 おう を 引 ひ き 止 と めて 言 い った、「ウジヤよ、 主 しゅ に 香 こう をたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの 子孫 しそん で、 香 こう をたくために 清 きよ められた 祭司 さいし たちのすることです。すぐ 聖所 せいじょ から 出 で なさい。あなたは 罪 つみ を 犯 おか しました。あなたは 主 しゅ なる 神 かみ から 栄 さか えを 得 え ることはできません」。 するとウジヤは 怒 いか りを 発 はっ し、 香炉 こうろ を 手 て にとって 香 こう をたこうとしたが、 彼 かれ が 祭司 さいし に 向 む かって 怒 いか りを 発 はっ している 間 あいだ に、らい 病 びょう がその 額 ひたい に 起 た った。 時 とき に 彼 かれ は 主 しゅ の 宮 みや で 祭司 さいし たちの 前 まえ 、 香 こう の 祭壇 さいだん のかたわらにいた。 祭司 さいし の 長 ちょう アザリヤおよびすべての 祭司 さいし たちが 彼 かれ を 見 み ると、 彼 かれ の 額 ひたい にらい 病 びょう が 生 しょう じていたので、 急 いそ いで 彼 かれ をそこから 追 お い 出 だ した。 彼 かれ 自身 じしん もまた 主 しゅ に 撃 う たれたことを 知 し って、 急 いそ いで 出 で て 行 い った。
”しるしと 不思議 ふしぎ とをあらわしてパロと、そのすべての 家来 けらい と、その 国 くに のすべての 民 たみ を 攻 せ められました。 彼 かれ らがわれわれの 先祖 せんぞ に 対 たい して、ごうまんにふるまったことを 知 し られたからです。そしてあなたが 名 な をあげられたこと 今日 こんにち のようです。
”しかし、わたしであるならば、 神 かみ に 求 もと め、 神 かみ に、わたしの 事 こと をまかせる。 彼 かれ は 大 おお いなる 事 こと をされるかたで、 測 はか り 知 し れない、その 不思議 ふしぎ なみわざは 数 かぞ えがたい。
”あなたがたは 偽 いつわ りをもってうわべを 繕 つくろ う 者 もの 、 皆 みな 、 無用 むよう の 医師 いし だ。
”わが 神 かみ 、 主 しゅ よ、わたしがあなたにむかって 助 たす けを 叫 さけ び 求 もと めると、あなたはわたしをいやしてくださいました。
”主 しゅ は 彼 かれ をその 病 やまい の 床 とこ でささえられる。あなたは 彼 かれ の 病 や む 時 とき 、その 病 やまい をことごとくいやされる。 わたしは 言 い った、「 主 しゅ よ、わたしをあわれみ、わたしをいやしてください。わたしはあなたにむかって 罪 つみ を 犯 おか しました」と。
”あなたは、くすしきみわざを 行 おこな われる 神 かみ である。あなたは、もろもろの 民 たみ の 間 あいだ に、その 大能 たいのう をあらわし、
”主 しゅ はあなたのすべての 不義 ふぎ をゆるし、あなたのすべての 病 やまい をいやし、 あなたのいのちを 墓 はか からあがないいだし、いつくしみと、あわれみとをあなたにこうむらせ、 あなたの 生 い きながらえるかぎり、 良 よ き 物 もの をもってあなたを 飽 あ き 足 た らせられる。こうしてあなたは 若返 わかがえ って、わしのように 新 あら たになる。
”主 しゅ は 心 こころ の 打 う ち 砕 くだ かれた 者 もの をいやし、その 傷 きず を 包 つつ まれる。
”それゆえ、 主 しゅ はみずから一つのしるしをあなたがたに 与 あた えられる。 見 み よ、おとめがみごもって 男 おとこ の 子 こ を 産 う む。その 名 な はインマヌエルととなえられる。
”しかし 彼 かれ はわれわれのとがのために 傷 きず つけられ、われわれの 不義 ふぎ のために 砕 くだ かれたのだ。 彼 かれ はみずから 懲 こら しめをうけて、われわれに 平安 へいあん を 与 あた え、その 打 う たれた 傷 きず によって、われわれはいやされたのだ。
”主 しゅ は 言 い われる、わたしはあなたの 健康 けんこう を 回復 かいふく させ、あなたの 傷 きず をいやす。それは、 人 ひと があなたを 捨 す てられた 者 もの とよび、『だれも 心 こころ に 留 と めないシオン』というからである。
”あなたは、しるしと、 不思議 ふしぎ なわざとをエジプトの 地 ち に 行 おこな い、また 今日 こんにち に 至 いた るまでイスラエルと 全 ぜん 人類 じんるい のうちに 行 おこな い、そして 今日 こんにち のように 名 な をあげられました。 あなたは、しるしと、 不思議 ふしぎ なわざと、 強 つよ い 手 て と、 伸 の べた 腕 うで と、 大 おお いなる 恐 おそ るべき 事 こと をもって、あなたの 民 たみ イスラエルをエジプトの 地 ち から 導 みちび き 出 だ し、
”主 しゅ の 手 て がわたしに 臨 のぞ み、 主 しゅ はわたしを 主 しゅ の 霊 れい に 満 み たして 出 で て 行 い かせ、 谷 たに の 中 なか にわたしを 置 お かれた。そこには 骨 ほね が 満 み ちていた。 彼 かれ はわたしに 谷 たに の 周囲 しゅうい を 行 ゆ きめぐらせた。 見 み よ、 谷 たに の 面 めん には、はなはだ 多 おお くの 骨 ほね があり、 皆 みな いたく 枯 か れていた。 彼 かれ はわたしに 言 い われた、「 人 ひと の 子 こ よ、これらの 骨 ほね は、 生 い き 返 かえ ることができるのか」。わたしは 答 こた えた、「 主 しゅ なる 神 かみ よ、あなたはご 存 ぞん じです」。 彼 かれ はまたわたしに 言 い われた、「これらの 骨 ほね に 預言 よげん して、 言 い え。 枯 か れた 骨 ほね よ、 主 しゅ の 言葉 ことば を 聞 き け。 主 しゅ なる 神 かみ はこれらの 骨 ほね にこう 言 い われる、 見 み よ、わたしはあなたがたのうちに 息 いき を 入 い れて、あなたがたを 生 い かす。 わたしはあなたがたの 上 うえ に 筋 すじ を 与 あた え、 肉 にく を 生 しょう じさせ、 皮 かわ でおおい、あなたがたのうちに 息 いき を 与 あた えて 生 い かす。そこであなたがたはわたしが 主 しゅ であることを 悟 さと る」。 わたしは 命 めい じられたように 預言 よげん したが、わたしが 預言 よげん した 時 とき 、 声 こえ があった。 見 み よ、 動 うご く 音 おと があり、 骨 ほね と 骨 ほね が 集 あつ まって 相 あい つらなった。 わたしが 見 み ていると、その 上 うえ に 筋 すじ ができ、 肉 にく が 生 しょう じ、 皮 かわ がこれをおおったが、 息 いき はその 中 なか になかった。 時 とき に 彼 かれ はわたしに 言 い われた、「 人 ひと の 子 こ よ、 息 いき に 預言 よげん せよ、 息 いき に 預言 よげん して 言 い え。 主 しゅ なる 神 かみ はこう 言 い われる、 息 いき よ、 四方 しほう から 吹 ふ いて 来 き て、この 殺 ころ された 者 もの たちの 上 うえ に 吹 ふ き、 彼 かれ らを 生 い かせ」。 そこでわたしが 命 めい じられたように 預言 よげん すると、 息 いき はこれにはいった。すると 彼 かれ らは 生 い き、その 足 あし で 立 た ち、はなはだ 大 おお いなる 群衆 ぐんしゅう となった。
”王 おう は 答 こた えて、ベルテシャザルという 名 な のダニエルに 言 い った、「あなたはわたしが 見 み た 夢 ゆめ と、その 解 と き 明 あ かしとをわたしに 知 し らせることができるのか」。 ダニエルは 王 おう に 答 こた えて 言 い った、「 王 おう が 求 もと められる 秘密 ひみつ は、 知者 ちしゃ 、 法 ほう 術 じゅつ 士 し 、 博士 はかせ 、 占 うらな い 師 し など、これを 王 おう に 示 しめ すことはできません。 しかし 秘密 ひみつ をあらわすひとりの 神 かみ が 天 てん におられます。 彼 かれ は 後 のち の 日 ひ に 起 おこ るべき 事 こと を、ネブカデネザル 王 おう に 知 し らされたのです。あなたの 夢 ゆめ と、あなたが 床 とこ にあって 見 み た 脳中 のうちゅう の 幻 まぼろし はこれです。 王 おう よ、あなたが 床 とこ におられたとき、この 後 のち どんな 事 こと があろうかと、 思 おも いまわされたが、 秘密 ひみつ をあらわされるかたが、 将来 しょうらい どんな 事 こと が 起 おこ るかを、あなたに 知 し らされたのです。 この 秘密 ひみつ をわたしにあらわされたのは、すべての 生 い ける 者 もの にまさって、わたしに 知恵 ちえ があるためではなく、ただその 解 と き 明 あ かしを、 王 おう にお 知 おし らせすることによって、あなたが 心 こころ に 思 おも われたことを、お 知 し りになるためです。
”そこでネブカデネザルは 怒 いか りに 満 み ち、シャデラク、メシャクおよびアベデネゴにむかって、 顔色 かおいろ を 変 か え、 炉 ろ を 平常 へいじょう よりも七 倍 ばい 熱 あつ くせよと 命 めい じた。 またその 軍勢 ぐんぜい の 中 なか の 力 ちから の 強 つよ い 人々 ひとびと を 呼 よ んで、シャデラク、メシャクおよびアベデネゴを 縛 しば って、 彼 かれ らを 火 ひ の 燃 も える 炉 ろ の 中 なか に 投 な げ 込 こ めと 命 めい じた。 そこでこの 人々 ひとびと は、 外套 がいとう 、 下着 したぎ 、 帽子 ぼうし 、その 他 た の 衣服 いふく のまま 縛 しば られて、 火 ひ の 燃 も える 炉 ろ の 中 なか に 投 な げ 込 こ まれた。 王 おう の 命令 めいれい はきびしく、かつ 炉 ろ は、はなはだしく 熱 ねっ していたので、シャデラク、メシャクおよびアベデネゴを 引 ひ きつれていった 人々 ひとびと は、その 火炎 かえん に 焼 や き 殺 ころ された。 シャデラク、メシャク、アベデネゴの三 人 にん は 縛 しば られたままで、 火 ひ の 燃 も える 炉 ろ の 中 なか に 落 お ち 込 こ んだ。 その 時 とき 、ネブカデネザル 王 おう は 驚 おどろ いて 急 いそ ぎ 立 た ちあがり、 大臣 だいじん たちに 言 い った、「われわれはあの三 人 にん を 縛 しば って、 火 ひ の 中 なか に 投 な げ 入 い れたではないか」。 彼 かれ らは 王 おう に 答 こた えて 言 い った、「 王 おう よ、そのとおりです」。 王 おう は 答 こた えて 言 い った、「しかし、わたしの 見 み るのに四 人 にん の 者 もの がなわめなしに、 火 ひ の 中 なか を 歩 ある いているが、なんの 害 がい をも 受 う けていない。その 第 だい 四の 者 もの の 様子 ようす は 神 かみ の 子 こ のようだ」。 そこでネブカデネザルは、その 火 ひ の 燃 も える 炉 ろ の 入口 いりぐち に 近寄 ちかよ って、「いと 高 たか き 神 かみ のしもべシャデラク、メシャク、アベデネゴよ、 出 で てきなさい」と 言 い ったので、シャデラク、メシャク、アベデネゴはその 火 ひ の 中 なか から 出 で てきた。 総督 そうとく 、 長官 ちょうかん 、 知事 ちじ および 王 おう の 大臣 だいじん たちも 集 あつ まってきて、この 人々 ひとびと を 見 み たが、 火 ひ は 彼 かれ らの 身 み にはなんの 力 ちから もなく、その 頭 あたま の 毛 け は 焼 や けず、その 外套 がいとう はそこなわれず、 火 ひ のにおいもこれに 付 つ かなかった。 ネブカデネザルは 言 い った、「シャデラク、メシャク、アベデネゴの 神 かみ はほむべきかな。 神 かみ はその 使者 ししゃ をつかわして、 自分 じぶん に 寄 よ り 頼 たの むしもべらを 救 すく った。また 彼 かれ らは 自分 じぶん の 神 かみ 以外 いがい の 神 かみ に 仕 つか え、 拝 おが むよりも、むしろ 王 おう の 命令 めいれい を 無視 むし し、 自分 じぶん の 身 み をも 捨 す てようとしたのだ。 それでわたしはいま 命令 めいれい を 下 くだ す。 諸民 しょみん 、 諸 しょ 族 ぞく 、 諸国 しょこく 語 ご の 者 もの のうちだれでも、シャデラク、メシャク、アベデネゴの 神 かみ をののしる 者 もの があるならば、その 身 み は 切 き り 裂 さ かれ、その 家 いえ は 滅 ほろ ぼされなければならない。このように 救 すくい を 施 ほどこ すことのできる 神 かみ は、ほかにないからだ」。 こうして、 王 おう はシャデラク、メシャクおよびアベデネゴの 位 くらい を 進 すす めて、バビロン 州 しゅう におらせた。
”ネブカデネザル 王 おう は 全 ぜん 世界 せかい に 住 す む 諸民 しょみん 、 諸 しょ 族 ぞく 、 諸国 しょこく 語 ご の 者 もの に 告 つ げる。どうか、あなたがたに 平安 へいあん が 増 ま すように。 いと 高 たか き 神 かみ はわたしにしるしと 奇跡 きせき とを 行 おこな われた。わたしはこれを 知 し らせたいと 思 おも う。 ああ、そのしるしの 大 おお いなること、ああ、その 奇跡 きせき のすばらしいこと、その 国 くに は 永遠 えいえん の 国 くに 、その 主権 しゅけん は 世々 よよ に 及 およ ぶ。
”すると 突然 とつぜん 人 ひと の 手 て の 指 ゆび があらわれて、 燭台 しょくだい と 相対 あいたい する 王 おう の 宮殿 きゅうでん の 塗 ぬ り 壁 かべ に 物 もの を 書 か いた。 王 おう はその 物 もの を 書 か いた 手 て の 先 さき を 見 み た。 そのために 王 おう の 顔色 かおいろ は 変 かわ り、その 心 こころ は 思 おも い 悩 なや んで 乱 みだ れ、その 腰 こし のつがいはゆるみ、ひざは 震 ふる えて 互 たがい に 打 う ちあった。
”そこで 王 おう は 命令 めいれい を 下 くだ したので、ダニエルは 引 ひ き 出 だ されて、ししの 穴 あな に 投 な げ 入 い れられた。 王 おう はダニエルに 言 い った、「どうか、あなたの 常 つね に 仕 つか える 神 かみ が、あなたを 救 すく われるように」。 そして一つの 石 いし を 持 も ってきて、 穴 あな の 口 くち をふさいだので、 王 おう は 自分 じぶん の 印 いん と、 大臣 だいじん らの 印 いん をもって、これに 封印 ふういん した。これはダニエルの 処置 しょち を 変 か えることのないようにするためであった。 こうして 王 おう はその 宮殿 きゅうでん に 帰 かえ ったが、その 夜 よる は 食 しょく をとらず、また、そばめたちを 召 め し 寄 よ せず、 全 まった く 眠 ねむ ることもしなかった。 こうして 王 おう は 朝 あさ まだき 起 お きて、ししの 穴 あな へ 急 いそ いで 行 い ったが、 ダニエルのいる 穴 あな に 近 ちか づいたとき、 悲 かな しげな 声 こえ をあげて 呼 よ ばわり、ダニエルに 言 い った、「 生 い ける 神 かみ のしもべダニエルよ、あなたが 常 つね に 仕 つか えている 神 かみ はあなたを 救 すく って、ししの 害 がい を 免 まぬか れさせることができたか」。 ダニエルは 王 おう に 言 い った、「 王 おう よ、どうか、とこしえに 生 い きながらえられますように。 わたしの 神 かみ はその 使 つかい をおくって、ししの 口 くち を 閉 と ざされたので、ししはわたしを 害 がい しませんでした。これはわたしに 罪 つみ のないことが、 神 かみ の 前 まえ に 認 みと められたからです。 王 おう よ、わたしはあなたの 前 まえ にも、 何 なに も 悪 わる い 事 こと をしなかったのです」。 そこで 王 おう は 大 おお いに 喜 よろこ び、ダニエルを 穴 あな の 中 なか から 出 だ せと 命 めい じたので、ダニエルは 穴 あな の 中 なか から 出 だ されたが、その 身 み になんの 害 がい をも 受 う けていなかった。これは 彼 かれ が 自分 じぶん の 神 かみ を 頼 たの みとしていたからである。 王 おう はまた 命令 めいれい を 下 くだ して、ダニエルをあしざまに 訴 うった えた 人々 ひとびと を 引 ひ いてこさせ、 彼 かれ らをその 妻子 さいし と 共 とも に、ししの 穴 あな に 投 な げ 入 い れさせた。 彼 かれ らが 穴 あな の 底 そこ に 達 たっ しないうちに、ししは 彼 かれ らにとびかかって、その 骨 ほね までもかみ 砕 くだ いた。
”そこでダリヨス 王 おう は 全 ぜん 世界 せかい に 住 す む 諸民 しょみん 、 諸 しょ 族 ぞく 、 諸国 しょこく 語 ご の 者 もの に 詔 みことのり を 書 か きおくって 言 い った、「どうか、あなたがたに 平安 へいあん が 増 ま すように。 わたしは 命令 めいれい を 出 だ す。わが 国 くに のすべての 州 しゅう の 人 ひと は、 皆 みな ダニエルの 神 かみ を、おののき 恐 おそ れなければならない。 彼 かれ は 生 い ける 神 かみ であって、とこしえに 変 かわ ることなく、その 国 くに は 滅 ほろ びず、その 主権 しゅけん は 終 おわ りまで 続 つづ く。 彼 かれ は 救 すくい を 施 ほどこ し、 助 たす けをなし、 天 てん においても、 地 ち においても、しるしと 奇跡 きせき とをおこない、ダニエルを 救 すく って、ししの 力 ちから をのがれさせたかたである」。
”その 後 のち わたしはわが 霊 れい をすべての 肉 にく なる 者 もの に 注 そそ ぐ。あなたがたのむすこ、 娘 むすめ は 預言 よげん をし、あなたがたの 老人 ろうじん たちは 夢 ゆめ を 見 み 、あなたがたの 若者 わかもの たちは 幻 まぼろし を 見 み る。 その 日 ひ わたしはまたわが 霊 れい をしもべ、はしために 注 そそ ぐ。 わたしはまた、 天 てん と 地 ち とにしるしを 示 しめ す。すなわち 血 ち と、 火 ひ と、 煙 けむり の 柱 はしら とがあるであろう。 主 しゅ の 大 おお いなる 恐 おそ るべき 日 ひ が 来 く る 前 まえ に、 日 ひ は 暗 くら く、 月 つき は 血 ち に 変 かわ る。
”イエスはガリラヤの 全 ぜん 地 ち を 巡 めぐ り 歩 ある いて、 諸 しょ 会堂 かいどう で 教 おし え、 御国 みくに の 福音 ふくいん を 宣 の べ 伝 つた え、 民 たみ の 中 なか のあらゆる 病気 びょうき 、あらゆるわずらいをおいやしになった。 そこで、その 評判 ひょうばん はシリヤ 全 ぜん 地 ち にひろまり、 人々 ひとびと があらゆる 病 やまい にかかっている 者 もの 、すなわち、いろいろの 病気 びょうき と 苦 くる しみとに 悩 なや んでいる 者 もの 、 悪霊 あくれい につかれている 者 もの 、てんかん、 中風 ちゅうぶ の 者 もの などをイエスのところに 連 つ れてきたので、これらの 人々 ひとびと をおいやしになった。
”すると、そのとき、ひとりのらい 病人 びょうにん がイエスのところにきて、ひれ 伏 ふ して 言 い った、「 主 しゅ よ、みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。 イエスは 手 て を 伸 の ばして、 彼 かれ にさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」と 言 い われた。すると、らい 病 びょう は 直 ただ ちにきよめられた。
”それから、イエスはペテロの 家 いえ にはいって 行 い かれ、そのしゅうとめが 熱病 ねつびょう で、 床 とこ についているのをごらんになった。 そこで、その 手 て にさわられると、 熱 ねつ が 引 ひ いた。そして 女 おんな は 起 お きあがってイエスをもてなした。
”夕暮 ゆうぐれ になると、 人々 ひとびと は 悪霊 あくれい につかれた 者 もの を 大 おお ぜい、みもとに 連 つ れてきたので、イエスはみ 言葉 ことば をもって 霊 れい どもを 追 お い 出 だ し、 病人 びょうにん をことごとくおいやしになった。 これは、 預言者 よげんしゃ イザヤによって「 彼 かれ は、わたしたちのわずらいを 身 み に 受 う け、わたしたちの 病 やまい を 負 お うた」と 言 い われた 言葉 ことば が 成就 じょうじゅ するためである。
”すると 突然 とつぜん 、 海上 かいじょう に 激 はげ しい 暴風 ぼうふう が 起 おこ って、 舟 ふね は 波 なみ にのまれそうになった。ところが、イエスは 眠 ねむ っておられた。 そこで 弟子 でし たちはみそばに 寄 よ ってきてイエスを 起 おこ し、「 主 しゅ よ、お 助 たす けください、わたしたちは 死 し にそうです」と 言 い った。 するとイエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「なぜこわがるのか、 信仰 しんこう の 薄 うす い 者 もの たちよ」。それから 起 お きあがって、 風 かぜ と 海 うみ とをおしかりになると、 大 おお なぎになった。 彼 かれ らは 驚 おどろ いて 言 い った、「このかたはどういう 人 ひと なのだろう。 風 かぜ も 海 うみ も 従 したが わせるとは」。
”それから、 向 む こう 岸 ぎし 、ガダラ 人 びと の 地 ち に 着 つ かれると、 悪霊 あくれい につかれたふたりの 者 もの が、 墓場 はかば から 出 で てきてイエスに 出会 であ った。 彼 かれ らは 手 て に 負 お えない 乱暴 らんぼう 者 もの で、だれもその 辺 へん の 道 みち を 通 とお ることができないほどであった。 すると 突然 とつぜん 、 彼 かれ らは 叫 さけ んで 言 い った、「 神 かみ の 子 こ よ、あなたはわたしどもとなんの 係 かか わりがあるのです。まだその 時 とき ではないのに、ここにきて、わたしどもを 苦 くる しめるのですか」。 さて、そこからはるか 離 はな れた 所 ところ に、おびただしい 豚 ぶた の 群 む れが 飼 か ってあった。 悪霊 あくれい どもはイエスに 願 ねが って 言 い った、「もしわたしどもを 追 お い 出 だ されるのなら、あの 豚 ぶた の 群 む れの 中 なか につかわして 下 くだ さい」。 そこで、イエスが「 行 い け」と 言 い われると、 彼 かれ らは 出 で て 行 い って、 豚 ぶた の 中 なか へはいり 込 こ んだ。すると、その 群 む れ 全体 ぜんたい が、がけから 海 うみ へなだれを 打 う って 駆 か け 下 くだ り、 水 みず の 中 なか で 死 し んでしまった。 飼 か う 者 もの たちは 逃 に げて 町 まち に 行 い き、 悪霊 あくれい につかれた 者 もの たちのことなど、いっさいを 知 し らせた。 すると、 町中 まちじゅう の 者 もの がイエスに 会 あ いに 出 で てきた。そして、イエスに 会 あ うと、この 地方 ちほう から 去 さ ってくださるようにと 頼 たの んだ。
”すると、 人々 ひとびと が 中風 ちゅうぶ の 者 もの を 床 とこ の 上 うえ に 寝 ね かせたままでみもとに 運 はこ んできた。イエスは 彼 かれ らの 信仰 しんこう を 見 み て、 中風 ちゅうぶ の 者 もの に、「 子 こ よ、しっかりしなさい。あなたの 罪 つみ はゆるされたのだ」と 言 い われた。 すると、ある 律法 りっぽう 学者 がくしゃ たちが 心 こころ の 中 なか で 言 い った、「この 人 ひと は 神 かみ を 汚 けが している」。 イエスは 彼 かれ らの 考 かんが えを 見抜 みぬ いて、「なぜ、あなたがたは 心 こころ の 中 なか で 悪 わる いことを 考 かんが えているのか。 あなたの 罪 つみ はゆるされた、と 言 い うのと、 起 お きて 歩 ある け、と 言 い うのと、どちらがたやすいか。 しかし、 人 ひと の 子 こ は 地上 ちじょう で 罪 つみ をゆるす 権威 けんい をもっていることが、あなたがたにわかるために」と 言 い い、 中風 ちゅうぶ の 者 もの にむかって、「 起 お きよ、 床 とこ を 取 と りあげて 家 いえ に 帰 かえ れ」と 言 い われた。 すると 彼 かれ は 起 お きあがり、 家 いえ に 帰 かえ って 行 い った。 群衆 ぐんしゅう はそれを 見 み て 恐 おそ れ、こんな 大 おお きな 権威 けんい を 人 ひと にお 与 あた えになった 神 かみ をあがめた。
”するとそのとき、十二 年間 ねんかん も 長 なが 血 ち をわずらっている 女 おんな が 近寄 ちかよ ってきて、イエスのうしろからみ 衣 ころも のふさにさわった。 み 衣 ころも にさわりさえすれば、なおしていただけるだろう、と 心 こころ の 中 なか で 思 おも っていたからである。 イエスは 振 ふ り 向 む いて、この 女 おんな を 見 み て 言 い われた、「 娘 むすめ よ、しっかりしなさい。あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく ったのです」。するとこの 女 おんな はその 時 とき に、いやされた。
”それからイエスは 司 つかさ の 家 いえ に 着 つ き、 笛 ふえ 吹 ふ きどもや 騒 さわ いでいる 群衆 ぐんしゅう を 見 み て 言 い われた。 「あちらへ 行 い っていなさい。 少女 しょうじょ は 死 し んだのではない。 眠 ねむ っているだけである」。すると 人々 ひとびと はイエスをあざ 笑 わら った。 しかし、 群衆 ぐんしゅう を 外 そと へ 出 だ したのち、イエスは 内 うち へはいって、 少女 しょうじょ の 手 て をお 取 と りになると、 少女 しょうじょ は 起 お きあがった。 そして、そのうわさがこの 地方 ちほう 全体 ぜんたい にひろまった。
”そこから 進 すす んで 行 い かれると、ふたりの 盲人 もうじん が、「ダビデの 子 こ よ、わたしたちをあわれんで 下 くだ さい」と 叫 さけ びながら、イエスについてきた。 そしてイエスが 家 いえ にはいられると、 盲人 もうじん たちがみもとにきたので、 彼 かれ らに「わたしにそれができると 信 しん じるか」と 言 い われた。 彼 かれ らは 言 い った、「 主 しゅ よ、 信 しん じます」。 そこで、イエスは 彼 かれ らの 目 め にさわって 言 い われた、「あなたがたの 信仰 しんこう どおり、あなたがたの 身 み になるように」。 すると 彼 かれ らの 目 め が 開 ひら かれた。イエスは 彼 かれ らをきびしく 戒 いまし めて 言 い われた、「だれにも 知 し れないように 気 き をつけなさい」。 しかし、 彼 かれ らは 出 で て 行 い って、その 地方 ちほう 全体 ぜんたい にイエスのことを 言 い いひろめた。
”彼 かれ らが 出 で て 行 い くと、 人々 ひとびと は 悪霊 あくれい につかれたおしをイエスのところに 連 つ れてきた。 すると、 悪霊 あくれい は 追 お い 出 だ されて、おしが 物 もの を 言 い うようになった。 群衆 ぐんしゅう は 驚 おどろ いて、「このようなことがイスラエルの 中 なか で 見 み られたことは、これまで 一度 いちど もなかった」と 言 い った。
”イエスは、すべての 町々 まちまち 村々 むらむら を 巡 めぐ り 歩 ある いて、 諸 しょ 会堂 かいどう で 教 おし え、 御国 みくに の 福音 ふくいん を 宣 の べ 伝 つた え、あらゆる 病気 びょうき 、あらゆるわずらいをおいやしになった。
”そこで、イエスは十二 弟子 でし を 呼 よ び 寄 よ せて、 汚 けが れた 霊 れい を 追 お い 出 だ し、あらゆる 病気 びょうき 、あらゆるわずらいをいやす 権威 けんい をお 授 さづ けになった。
”病人 びょうにん をいやし、 死人 しにん をよみがえらせ、らい 病人 びょうにん をきよめ、 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ せ。ただで 受 う けたのだから、ただで 与 あた えるがよい。
”盲人 もうじん は 見 み え、 足 あし なえは 歩 ある き、らい 病人 びょうにん はきよまり、 耳 みみ しいは 聞 きこ え、 死人 しにん は 生 い きかえり、 貧 まず しい 人々 ひとびと は 福音 ふくいん を 聞 き かされている。
”すると、そのとき、 片手 かたて のなえた 人 ひと がいた。 人々 ひとびと はイエスを 訴 うった えようと 思 おも って、「 安息日 あんそくにち に 人 ひと をいやしても、さしつかえないか」と 尋 たず ねた。 イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「あなたがたのうちに、一 匹 ぴき の 羊 ひつじ を 持 も っている 人 ひと があるとして、もしそれが 安息日 あんそくにち に 穴 あな に 落 お ちこんだなら、 手 て をかけて 引 ひ き 上 あ げてやらないだろうか。 人 ひと は 羊 ひつじ よりも、はるかにすぐれているではないか。だから、 安息日 あんそくにち に 良 よ いことをするのは、 正 ただ しいことである」。 そしてイエスはその 人 ひと に、「 手 て を 伸 の ばしなさい」と 言 い われた。そこで 手 て を 伸 の ばすと、ほかの 手 て のように 良 よ くなった。
”イエスはこれを 知 し って、そこを 去 さ って 行 い かれた。ところが 多 おお くの 人々 ひとびと がついてきたので、 彼 かれ らを 皆 みな いやし、
”そのとき、 人々 ひとびと が 悪霊 あくれい につかれた 盲人 もうじん のおしを 連 つ れてきたので、イエスは 彼 かれ をいやして、 物 もの を 言 い い、また 目 め が 見 み えるようにされた。 すると 群衆 ぐんしゅう はみな 驚 おどろ いて 言 い った、「この 人 ひと が、あるいはダビデの 子 こ ではあるまいか」。
”しかし、わたしが 神 かみ の 霊 れい によって 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ しているのなら、 神 かみ の 国 くに はすでにあなたがたのところにきたのである。
”そして 彼 かれ らの 不 ふ 信仰 しんこう のゆえに、そこでは 力 ちから あるわざを、あまりなさらなかった。
”イエスは 舟 ふね から 上 あ がって、 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう をごらんになり、 彼 かれ らを 深 ふか くあわれんで、そのうちの 病人 びょうにん たちをおいやしになった。
”夕方 ゆうがた になったので、 弟子 でし たちがイエスのもとにきて 言 い った、「ここは 寂 さび しい 所 ところ でもあり、もう 時 とき もおそくなりました。 群衆 ぐんしゅう を 解散 かいさん させ、めいめいで 食物 しょくもつ を 買 か いに、 村々 むらむら へ 行 い かせてください」。 するとイエスは 言 い われた、「 彼 かれ らが 出 で かけて 行 い くには 及 およ ばない。あなたがたの 手 て で 食物 しょくもつ をやりなさい」。 弟子 でし たちは 言 い った、「わたしたちはここに、パン五つと 魚 うお 二ひきしか 持 も っていません」。 イエスは 言 い われた、「それをここに 持 も ってきなさい」。 そして 群衆 ぐんしゅう に 命 めい じて、 草 くさ の 上 うえ にすわらせ、五つのパンと二ひきの 魚 うお とを 手 て に 取 と り、 天 てん を 仰 あお いでそれを 祝福 しゅくふく し、パンをさいて 弟子 でし たちに 渡 わた された。 弟子 でし たちはそれを 群衆 ぐんしゅう に 与 あた えた。 みんなの 者 もの は 食 た べて 満腹 まんぷく した。パンくずの 残 のこ りを 集 あつ めると、十二のかごにいっぱいになった。 食 た べた 者 もの は、 女 おんな と 子供 こども とを 除 のぞ いて、おおよそ五千 人 にん であった。
”イエスは 夜明 よあ けの四 時 じ ごろ、 海 うみ の 上 うえ を 歩 ある いて 彼 かれ らの 方 ほう へ 行 い かれた。 弟子 でし たちは、イエスが 海 うみ の 上 うえ を 歩 ある いておられるのを 見 み て、 幽霊 ゆうれい だと 言 い っておじ 惑 まど い、 恐怖 きょうふ のあまり 叫 さけ び 声 ごえ をあげた。 しかし、イエスはすぐに 彼 かれ らに 声 こえ をかけて、「しっかりするのだ、わたしである。 恐 おそ れることはない」と 言 い われた。
”するとペテロが 答 こた えて 言 い った、「 主 しゅ よ、あなたでしたか。では、わたしに 命 めい じて、 水 みず の 上 うえ を 渡 わた ってみもとに 行 い かせてください」。 イエスは、「おいでなさい」と 言 い われたので、ペテロは 舟 ふね からおり、 水 みず の 上 うえ を 歩 ある いてイエスのところへ 行 い った。 しかし、 風 かぜ を 見 み て 恐 おそ ろしくなり、そしておぼれかけたので、 彼 かれ は 叫 さけ んで、「 主 しゅ よ、お 助 たす けください」と 言 い った。 イエスはすぐに 手 て を 伸 の ばし、 彼 かれ をつかまえて 言 い われた、「 信仰 しんこう の 薄 うす い 者 もの よ、なぜ 疑 うたが ったのか」。 ふたりが 舟 ふね に 乗 の り 込 こ むと、 風 かぜ はやんでしまった。 舟 ふね の 中 なか にいた 者 もの たちはイエスを 拝 はい して、「ほんとうに、あなたは 神 かみ の 子 こ です」と 言 い った。
”するとその 土地 とち の 人々 ひとびと はイエスと 知 し って、その 附近 ふきん 全体 ぜんたい に 人 ひと をつかわし、イエスのところに 病人 びょうにん をみな 連 つ れてこさせた。 そして 彼 かれ らにイエスの 上着 うわぎ のふさにでも、さわらせてやっていただきたいとお 願 ねが いした。そしてさわった 者 もの は 皆 みな いやされた。
”すると、そこへ、その 地方 ちほう 出 で のカナンの 女 おんな が 出 で てきて、「 主 しゅ よ、ダビデの 子 こ よ、わたしをあわれんでください。 娘 むすめ が 悪霊 あくれい にとりつかれて 苦 くる しんでいます」と 言 い って 叫 さけ びつづけた。 しかし、イエスはひと 言 こと もお 答 こた えにならなかった。そこで 弟子 でし たちがみもとにきて 願 ねが って 言 い った、「この 女 おんな を 追 お い 払 はら ってください。 叫 さけ びながらついてきていますから」。 するとイエスは 答 こた えて 言 い われた、「わたしは、イスラエルの 家 いえ の 失 うしな われた 羊 ひつじ 以外 いがい の 者 もの には、つかわされていない」。 しかし、 女 おんな は 近寄 ちかよ りイエスを 拝 はい して 言 い った、「 主 しゅ よ、わたしをお 助 たす けください」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「 子供 こども たちのパンを 取 と って 小犬 こいぬ に 投 な げてやるのは、よろしくない」。 すると 女 おんな は 言 い った、「 主 しゅ よ、お 言葉 ことば どおりです。でも、 小犬 こいぬ もその 主人 しゅじん の 食卓 しょくたく から 落 お ちるパンくずは、いただきます」。 そこでイエスは 答 こた えて 言 い われた、「 女 おんな よ、あなたの 信仰 しんこう は 見 み あげたものである。あなたの 願 ねが いどおりになるように」。その 時 とき に、 娘 むすめ はいやされた。
”すると 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう が、 足 あし なえ、 不具者 ふぐしゃ 、 盲人 もうじん 、おし、そのほか 多 おお くの 人々 ひとびと を 連 つ れてきて、イエスの 足 あし もとに 置 お いたので、 彼 かれ らをおいやしになった。 群衆 ぐんしゅう は、おしが 物 もの を 言 い い、 不具者 ふぐしゃ が 直 なお り、 足 あし なえが 歩 ある き、 盲人 もうじん が 見 み えるようになったのを 見 み て 驚 おどろ き、そしてイスラエルの 神 かみ をほめたたえた。
”イエスは 弟子 でし たちを 呼 よ び 寄 よ せて 言 い われた、「この 群衆 ぐんしゅう がかわいそうである。もう三 日間 かかん もわたしと 一緒 いっしょ にいるのに、 何 なに も 食 た べるものがない。しかし、 彼 かれ らを 空腹 くうふく のままで 帰 かえ らせたくはない。 恐 おそ らく 途中 とちゅう で 弱 よわ り 切 き ってしまうであろう」。 弟子 でし たちは 言 い った、「 荒野 あらの の 中 なか で、こんなに 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう にじゅうぶん 食 た べさせるほどたくさんのパンを、どこで 手 て に 入 い れましょうか」。 イエスは 弟子 でし たちに「パンはいくつあるか」と 尋 たず ねられると、「七つあります。また 小 ちい さい 魚 うお が 少 すこ しあります」と 答 こた えた。 そこでイエスは 群衆 ぐんしゅう に、 地 ち にすわるようにと 命 めい じ、 七つのパンと 魚 うお とを 取 と り、 感謝 かんしゃ してこれをさき、 弟子 でし たちにわたされ、 弟子 でし たちはこれを 群衆 ぐんしゅう にわけた。 一同 いちどう の 者 もの は 食 た べて 満腹 まんぷく した。そして 残 のこ ったパンくずを 集 あつ めると、七つのかごにいっぱいになった。 食 た べた 者 もの は、 女 おんな と 子供 こども とを 除 のぞ いて四千 人 にん であった。
”ところが、 彼 かれ らの 目 め の 前 まえ でイエスの 姿 すがた が 変 かわ り、その 顔 かお は 日 ひ のように 輝 かがや き、その 衣 ころも は 光 ひかり のように 白 しろ くなった。
”さて 彼 かれ らが 群衆 ぐんしゅう のところに 帰 かえ ると、ひとりの 人 ひと がイエスに 近寄 ちかよ ってきて、ひざまずいて、 言 い った、 「 主 しゅ よ、わたしの 子 こ をあわれんでください。てんかんで 苦 くる しんでおります。 何 なん 度 ど も 何 なん 度 ど も 火 ひ の 中 なか や 水 みず の 中 なか に 倒 たお れるのです。 それで、その 子 こ をお 弟子 でし たちのところに 連 つ れてきましたが、なおしていただけませんでした」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「ああ、なんという 不 ふ 信仰 しんこう な、 曲 まが った 時代 じだい であろう。いつまで、わたしはあなたがたと 一緒 いっしょ におられようか。いつまであなたがたに 我慢 がまん ができようか。その 子 こ をここに、わたしのところに 連 つ れてきなさい」。 イエスがおしかりになると、 悪霊 あくれい はその 子 こ から 出 で て 行 い った。そして 子 こ はその 時 とき いやされた。
”それから、 弟子 でし たちがひそかにイエスのもとにきて 言 い った、「わたしたちは、どうして 霊 れい を 追 お い 出 だ せなかったのですか」。 するとイエスは 言 い われた、「あなたがたの 信仰 しんこう が 足 た りないからである。よく 言 い い 聞 き かせておくが、もし、からし 種 だね 一 粒 つぶ ほどの 信仰 しんこう があるなら、この 山 やま にむかって『ここからあそこに 移 うつ れ』と 言 い えば、 移 うつ るであろう。このように、あなたがたにできない 事 こと は、 何 なに もないであろう。〔
”しかし、 彼 かれ らをつまずかせないために、 海 うみ に 行 い って、つり 針 はり をたれなさい。そして 最初 さいしょ につれた 魚 うお をとって、その 口 くち をあけると、 銀貨 ぎんか 一 枚 まい が 見 み つかるであろう。それをとり 出 だ して、わたしとあなたのために 納 おさ めなさい」。
”よく 言 い っておく。あなたがたが 地上 ちじょう でつなぐことは、 天 てん でも 皆 みな つながれ、あなたがたが 地上 ちじょう で 解 と くことは、 天 てん でもみな 解 と かれるであろう。 また、よく 言 い っておく。もしあなたがたのうちのふたりが、どんな 願 ねが い 事 ごと についても 地上 ちじょう で 心 こころ を 合 あ わせるなら、 天 てん にいますわたしの 父 ちち はそれをかなえて 下 くだ さるであろう。 ふたりまたは三 人 にん が、わたしの 名 な によって 集 あつ まっている 所 ところ には、わたしもその 中 なか にいるのである」。
”イエスは 彼 かれ らを 見 み つめて 言 い われた、「 人 ひと にはそれはできないが、 神 かみ にはなんでもできない 事 こと はない」。
”すると、ふたりの 盲人 もうじん が 道 みち ばたにすわっていたが、イエスがとおって 行 い かれると 聞 き いて、 叫 さけ んで 言 い った、「 主 しゅ よ、ダビデの 子 こ よ、わたしたちをあわれんで 下 くだ さい」。 群衆 ぐんしゅう は 彼 かれ らをしかって 黙 だま らせようとしたが、 彼 かれ らはますます 叫 さけ びつづけて 言 い った、「 主 しゅ よ、ダビデの 子 こ よ、わたしたちをあわれんで 下 くだ さい」。 イエスは 立 た ちどまり、 彼 かれ らを 呼 よ んで 言 い われた、「わたしに 何 なに をしてほしいのか」。 彼 かれ らは 言 い った、「 主 しゅ よ、 目 め をあけていただくことです」。 イエスは 深 ふか くあわれんで、 彼 かれ らの 目 め にさわられた。すると 彼 かれ らは、たちまち 見 み えるようになり、イエスに 従 したが って 行 い った。
”そのとき 宮 みや の 庭 にわ で、 盲人 もうじん や 足 あし なえがみもとにきたので、 彼 かれ らをおいやしになった。
”そして、 道 みち のかたわらに一 本 ぽん のいちじくの 木 き があるのを 見 み て、そこに 行 い かれたが、ただ 葉 は のほかは 何 なに も 見当 みあた らなかった。そこでその 木 き にむかって、「 今 いま から 後 のち いつまでも、おまえには 実 み がならないように」と 言 い われた。すると、いちじくの 木 き はたちまち 枯 か れた。 弟子 でし たちはこれを 見 み て、 驚 おどろ いて 言 い った、「いちじくがどうして、こうすぐに 枯 か れたのでしょう」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「よく 聞 き いておくがよい。もしあなたがたが 信 しん じて 疑 うたが わないならば、このいちじくにあったようなことが、できるばかりでなく、この 山 やま にむかって、 動 うご き 出 だ して 海 うみ の 中 なか にはいれと 言 い っても、そのとおりになるであろう。 また、 祈 いのり のとき、 信 しん じて 求 もと めるものは、みな 与 あた えられるであろう」。
”すると、 大 おお きな 地震 じしん が 起 おこ った。それは 主 しゅ の 使 つかい が 天 てん から 下 くだ って、そこにきて 石 いし をわきへころがし、その 上 うえ にすわったからである。
”もうここにはおられない。かねて 言 い われたとおりに、よみがえられたのである。さあ、イエスが 納 おさ められていた 場所 ばしょ をごらんなさい。 そして、 急 いそ いで 行 い って、 弟子 でし たちにこう 伝 つた えなさい、『イエスは 死人 しにん の 中 なか からよみがえられた。 見 み よ、あなたがたより 先 さき にガリラヤへ 行 い かれる。そこでお 会 あ いできるであろう』。あなたがたに、これだけ 言 い っておく」。
”イエスは 彼 かれ らに 近 ちか づいてきて 言 い われた、「わたしは、 天 てん においても 地 ち においても、いっさいの 権威 けんい を 授 さづ けられた。
”ちょうどその 時 とき 、けがれた 霊 れい につかれた 者 もの が 会堂 かいどう にいて、 叫 さけ んで 言 い った、 「ナザレのイエスよ、あなたはわたしたちとなんの 係 かか わりがあるのです。わたしたちを 滅 ほろ ぼしにこられたのですか。あなたがどなたであるか、わかっています。 神 かみ の 聖者 せいじゃ です」。 イエスはこれをしかって、「 黙 だま れ、この 人 ひと から 出 で て 行 い け」と 言 い われた。 すると、けがれた 霊 れい は 彼 かれ をひきつけさせ、 大声 おおごえ をあげて、その 人 ひと から 出 で て 行 い った。 人々 ひとびと はみな 驚 おどろ きのあまり、 互 たがい に 論 ろん じて 言 い った、「これは、いったい 何事 なにごと か。 権威 けんい ある 新 あたら しい 教 おしえ だ。けがれた 霊 れい にさえ 命 めい じられると、 彼 かれ らは 従 したが うのだ」。 こうしてイエスのうわさは、たちまちガリラヤの 全 ぜん 地方 ちほう 、いたる 所 ところ にひろまった。
”それから 会堂 かいどう を 出 で るとすぐ、ヤコブとヨハネとを 連 つ れて、シモンとアンデレとの 家 いえ にはいって 行 い かれた。 ところが、シモンのしゅうとめが 熱病 ねつびょう で 床 とこ についていたので、 人々 ひとびと はさっそく、そのことをイエスに 知 し らせた。 イエスは 近寄 ちかよ り、その 手 て をとって 起 おこ されると、 熱 ねつ が 引 ひ き、 女 おんな は 彼 かれ らをもてなした。
”夕暮 ゆうぐれ になり 日 ひ が 沈 しず むと、 人々 ひとびと は 病人 びょうにん や 悪霊 あくれい につかれた 者 もの をみな、イエスのところに 連 つ れてきた。 こうして、 町中 まちじゅう の 者 もの が 戸口 とぐち に 集 あつ まった。 イエスは、さまざまの 病 やまい をわずらっている 多 おお くの 人々 ひとびと をいやし、また 多 おお くの 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ された。また、 悪霊 あくれい どもに、 物言 ものい うことをお 許 ゆる しにならなかった。 彼 かれ らがイエスを 知 し っていたからである。
”そして、ガリラヤ 全 ぜん 地 ち を 巡 めぐ りあるいて、 諸 しょ 会堂 かいどう で 教 おしえ を 宣 の べ 伝 つた え、また 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ された。
”ひとりのらい 病人 びょうにん が、イエスのところに 願 ねが いにきて、ひざまずいて 言 い った、「みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。 イエスは 深 ふか くあわれみ、 手 て を 伸 の ばして 彼 かれ にさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」と 言 い われた。 すると、らい 病 びょう が 直 ただ ちに 去 さ って、その 人 ひと はきよくなった。 イエスは 彼 かれ をきびしく 戒 いまし めて、すぐにそこを 去 さ らせ、こう 言 い い 聞 き かせられた、 「 何 なに も 人 ひと に 話 はな さないように、 注意 ちゅうい しなさい。ただ 行 い って、 自分 じぶん のからだを 祭司 さいし に 見 み せ、それから、モーセが 命 めい じた 物 もの をあなたのきよめのためにささげて、 人々 ひとびと に 証明 しょうめい しなさい」。 しかし、 彼 かれ は 出 で て 行 い って、 自分 じぶん の 身 み に 起 おこ ったことを 盛 さか んに 語 かた り、また 言 い いひろめはじめたので、イエスはもはや 表立 おもてだ っては 町 まち に、はいることができなくなり、 外 そと の 寂 さび しい 所 ところ にとどまっておられた。しかし、 人々 ひとびと は 方々 ほうぼう から、イエスのところにぞくぞくと 集 あつ まってきた。
”すると、 人々 ひとびと がひとりの 中風 ちゅうぶ の 者 もの を四 人 にん の 人 ひと に 運 はこ ばせて、イエスのところに 連 つ れてきた。 ところが、 群衆 ぐんしゅう のために 近寄 ちかよ ることができないので、イエスのおられるあたりの 屋根 やね をはぎ、 穴 あな をあけて、 中風 ちゅうぶ の 者 もの を 寝 ね かせたまま、 床 とこ をつりおろした。 イエスは 彼 かれ らの 信仰 しんこう を 見 み て、 中風 ちゅうぶ の 者 もの に、「 子 こ よ、あなたの 罪 つみ はゆるされた」と 言 い われた。 ところが、そこに 幾人 いくにん かの 律法 りっぽう 学者 がくしゃ がすわっていて、 心 こころ の 中 なか で 論 ろん じた、 「この 人 ひと は、なぜあんなことを 言 い うのか。それは 神 かみ をけがすことだ。 神 かみ ひとりのほかに、だれが 罪 つみ をゆるすことができるか」。 イエスは、 彼 かれ らが 内心 ないしん このように 論 ろん じているのを、 自分 じぶん の 心 こころ ですぐ 見 み ぬいて、「なぜ、あなたがたは 心 こころ の 中 なか でそんなことを 論 ろん じているのか。 中風 ちゅうぶ の 者 もの に、あなたの 罪 つみ はゆるされた、と 言 い うのと、 起 お きよ、 床 とこ を 取 と りあげて 歩 ある け、と 言 い うのと、どちらがたやすいか。 しかし、 人 ひと の 子 こ は 地上 ちじょう で 罪 つみ をゆるす 権威 けんい をもっていることが、あなたがたにわかるために」と 彼 かれ らに 言 い い、 中風 ちゅうぶ の 者 もの にむかって、 「あなたに 命 めい じる。 起 お きよ、 床 とこ を 取 と りあげて 家 いえ に 帰 かえ れ」と 言 い われた。 すると 彼 かれ は 起 お きあがり、すぐに 床 とこ を 取 と りあげて、みんなの 前 まえ を 出 で て 行 い ったので、 一同 いちどう は 大 おお いに 驚 おどろ き、 神 かみ をあがめて、「こんな 事 こと は、まだ一 度 ど も 見 み たことがない」と 言 い った。
”イエスがまた 会堂 かいどう にはいられると、そこに 片手 かたて のなえた 人 ひと がいた。 人々 ひとびと はイエスを 訴 うった えようと 思 おも って、 安息日 あんそくにち にその 人 ひと をいやされるかどうかをうかがっていた。 すると、イエスは 片手 かたて のなえたその 人 ひと に、「 立 た って、 中 なか へ 出 で てきなさい」と 言 い い、 人々 ひとびと にむかって、「 安息日 あんそくにち に 善 ぜん を 行 おこな うのと 悪 あく を 行 おこな うのと、 命 いのち を 救 すく うのと 殺 ころ すのと、どちらがよいか」と 言 い われた。 彼 かれ らは 黙 だま っていた。 イエスは 怒 いか りを 含 ふく んで 彼 かれ らを 見 み まわし、その 心 こころ のかたくななのを 嘆 なげ いて、その 人 ひと に「 手 て を 伸 の ばしなさい」と 言 い われた。そこで 手 て を 伸 の ばすと、その 手 て は 元 もと どおりになった。
”それは、 多 おお くの 人 ひと をいやされたので、 病苦 びょうく に 悩 なや む 者 もの は 皆 みな イエスにさわろうとして、 押 お し 寄 よ せてきたからである。 また、けがれた 霊 れい どもはイエスを 見 み るごとに、みまえにひれ 伏 ふ し、 叫 さけ んで、「あなたこそ 神 かみ の 子 こ です」と 言 い った。 イエスは 御 ご 自身 じしん のことを 人 ひと にあらわさないようにと、 彼 かれ らをきびしく 戒 いまし められた。
”そこで十二 人 にん をお 立 た てになった。 彼 かれ らを 自分 じぶん のそばに 置 お くためであり、さらに 宣教 せんきょう につかわし、 また 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ す 権威 けんい を 持 も たせるためであった。
”すると、 激 はげ しい 突風 とっぷう が 起 おこ り、 波 なみ が 舟 ふね の 中 なか に 打 う ち 込 こ んできて、 舟 ふね に 満 み ちそうになった。 ところがイエス 自身 じしん は、 舳 とも の 方 ほう でまくらをして、 眠 ねむ っておられた。そこで、 弟子 でし たちはイエスをおこして、「 先生 せんせい 、わたしどもがおぼれ 死 し んでも、おかまいにならないのですか」と 言 い った。 イエスは 起 お きあがって 風 かぜ をしかり、 海 うみ にむかって、「 静 しず まれ、 黙 だま れ」と 言 い われると、 風 かぜ はやんで、 大 おお なぎになった。 イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「なぜ、そんなにこわがるのか。どうして 信仰 しんこう がないのか」。 彼 かれ らは 恐 おそ れおののいて、 互 たがい に 言 い った、「いったい、この 方 ほう はだれだろう。 風 かぜ も 海 うみ も 従 したが わせるとは」。
”それから、イエスが 舟 ふね からあがられるとすぐに、けがれた 霊 れい につかれた 人 ひと が 墓場 はかば から 出 で てきて、イエスに 出会 であ った。 この 人 ひと は 墓場 はかば をすみかとしており、もはやだれも、 鎖 くさり でさえも 彼 かれ をつなぎとめて 置 お けなかった。 彼 かれ はたびたび 足 あし かせや 鎖 くさり でつながれたが、 鎖 くさり を 引 ひ きちぎり、 足 あし かせを 砕 くだ くので、だれも 彼 かれ を 押 おさ えつけることができなかったからである。 そして、 夜昼 よるひる たえまなく 墓場 はかば や 山 やま で 叫 さけ びつづけて、 石 いし で 自分 じぶん のからだを 傷 きず つけていた。 ところが、この 人 ひと がイエスを 遠 とお くから 見 み て、 走 はし り 寄 よ って 拝 はい し、 大声 おおごえ で 叫 さけ んで 言 い った、「いと 高 たか き 神 かみ の 子 こ イエスよ、あなたはわたしとなんの 係 かか わりがあるのです。 神 かみ に 誓 ちか ってお 願 ねが いします。どうぞ、わたしを 苦 くる しめないでください」。 それは、イエスが、「けがれた 霊 れい よ、この 人 ひと から 出 で て 行 い け」と 言 い われたからである。 また 彼 かれ に、「なんという 名前 なまえ か」と 尋 たず ねられると、「レギオンと 言 い います。 大 おお ぜいなのですから」と 答 こた えた。 そして、 自分 じぶん たちをこの 土地 とち から 追 お い 出 だ さないようにと、しきりに 願 ねが いつづけた。 さて、そこの 山 やま の 中腹 ちゅうふく に、 豚 ぶた の 大群 たいぐん が 飼 か ってあった。 霊 れい はイエスに 願 ねが って 言 い った、「わたしどもを、 豚 ぶた にはいらせてください。その 中 なか へ 送 おく ってください」。 イエスがお 許 ゆる しになったので、けがれた 霊 れい どもは 出 で て 行 い って、 豚 ぶた の 中 なか へはいり 込 こ んだ。すると、その 群 む れは二千 匹 ひき ばかりであったが、がけから 海 うみ へなだれを 打 う って 駆 か け 下 くだ り、 海 うみ の 中 なか でおぼれ 死 し んでしまった。 豚 ぶた を 飼 か う 者 もの たちが 逃 に げ 出 だ して、 町 まち や 村 むら にふれまわったので、 人々 ひとびと は 何事 なにごと が 起 おこ ったのかと 見 み にきた。 そして、イエスのところにきて、 悪霊 あくれい につかれた 人 ひと が 着物 きもの を 着 き て、 正気 しょうき になってすわっており、それがレギオンを 宿 やど していた 者 もの であるのを 見 み て、 恐 おそ れた。 また、それを 見 み た 人 ひと たちは、 悪霊 あくれい につかれた 人 ひと の 身 み に 起 おこ った 事 こと と 豚 ぶた のこととを、 彼 かれ らに 話 はな して 聞 き かせた。 そこで、 人々 ひとびと はイエスに、この 地方 ちほう から 出 で て 行 い っていただきたいと、 頼 たの みはじめた。
”さてここに、十二 年間 ねんかん も 長 なが 血 ち をわずらっている 女 おんな がいた。 多 おお くの 医者 いしゃ にかかって、さんざん 苦 くる しめられ、その 持 も ち 物 もの をみな 費 ついや してしまったが、なんのかいもないばかりか、かえってますます 悪 わる くなる 一方 いっぽう であった。 この 女 おんな がイエスのことを 聞 き いて、 群衆 ぐんしゅう の 中 なか にまぎれ 込 こ み、うしろから、み 衣 ころも にさわった。 それは、せめて、み 衣 ころも にでもさわれば、なおしていただけるだろうと、 思 おも っていたからである。 すると、 血 ち の 元 もと がすぐにかわき、 女 おんな は 病気 びょうき がなおったことを、その 身 み に 感 かん じた。 イエスはすぐ、 自分 じぶん の 内 うち から 力 ちから が 出 で て 行 い ったことに 気 き づかれて、 群衆 ぐんしゅう の 中 なか で 振 ふ り 向 む き、「わたしの 着物 きもの にさわったのはだれか」と 言 い われた。 そこで 弟子 でし たちが 言 い った、「ごらんのとおり、 群衆 ぐんしゅう があなたに 押 お し 迫 せま っていますのに、だれがさわったかと、おっしゃるのですか」。 しかし、イエスはさわった 者 もの を 見 み つけようとして、 見 み まわしておられた。 その 女 おんな は 自分 じぶん の 身 み に 起 おこ ったことを 知 し って、 恐 おそ れおののきながら 進 すす み 出 で て、みまえにひれ 伏 ふ して、すべてありのままを 申 もう し 上 あ げた。 イエスはその 女 おんな に 言 い われた、「 娘 むすめ よ、あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく ったのです。 安心 あんしん して 行 い きなさい。すっかりなおって、 達者 たっしゃ でいなさい」。
”イエスが、まだ 話 はな しておられるうちに、 会堂司 かいどうづかさ の 家 いえ から 人々 ひとびと がきて 言 い った、「あなたの 娘 むすめ はなくなりました。このうえ、 先生 せんせい を 煩 わずら わすには 及 およ びますまい」。 イエスはその 話 はな している 言葉 ことば を 聞 き き 流 なが して、 会堂司 かいどうづかさ に 言 い われた、「 恐 おそ れることはない。ただ 信 しん じなさい」。 そしてペテロ、ヤコブ、ヤコブの 兄弟 きょうだい ヨハネのほかは、ついて 来 く ることを、だれにもお 許 ゆる しにならなかった。 彼 かれ らが 会堂司 かいどうづかさ の 家 いえ に 着 つ くと、イエスは 人々 ひとびと が 大声 おおごえ で 泣 な いたり、 叫 さけ んだりして、 騒 さわ いでいるのをごらんになり、 内 うち にはいって、 彼 かれ らに 言 い われた、「なぜ 泣 な き 騒 さわ いでいるのか。 子供 こども は 死 し んだのではない。 眠 ねむ っているだけである」。 人々 ひとびと はイエスをあざ 笑 わら った。しかし、イエスはみんなの 者 もの を 外 そと に 出 だ し、 子供 こども の 父母 ふぼ と 供 とも の 者 もの たちだけを 連 つ れて、 子供 こども のいる 所 ところ にはいって 行 い かれた。 そして 子供 こども の 手 て を 取 と って、「タリタ、クミ」と 言 い われた。それは、「 少女 しょうじょ よ、さあ、 起 お きなさい」という 意味 いみ である。 すると、 少女 しょうじょ はすぐに 起 お き 上 あ がって、 歩 ある き 出 だ した。十二 歳 さい にもなっていたからである。 彼 かれ らはたちまち 非常 ひじょう な 驚 おどろ きに 打 う たれた。
”そして、 安息日 あんそくにち になったので、 会堂 かいどう で 教 おし えはじめられた。それを 聞 き いた 多 おお くの 人々 ひとびと は、 驚 おどろ いて 言 い った、「この 人 ひと は、これらのことをどこで 習 なら ってきたのか。また、この 人 ひと の 授 さず かった 知恵 ちえ はどうだろう。このような 力 ちから あるわざがその 手 て で 行 おこな われているのは、どうしてか。
”そして、そこでは 力 ちから あるわざを一つもすることができず、ただ 少数 しょうすう の 病人 びょうにん に 手 て をおいていやされただけであった。
”また十二 弟子 でし を 呼 よ び 寄 よ せ、ふたりずつつかわすことにして、 彼 かれ らにけがれた 霊 れい を 制 せい する 権威 けんい を 与 あた え、
”多 おお くの 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ し、 大 おお ぜいの 病人 びょうにん に 油 あぶら をぬっていやした。
”ところが、はや 時 とき もおそくなったので、 弟子 でし たちはイエスのもとにきて 言 い った、「ここは 寂 さび しい 所 ところ でもあり、もう 時 とき もおそくなりました。 みんなを 解散 かいさん させ、めいめいで 何 なに か 食 た べる 物 もの を 買 か いに、まわりの 部落 ぶらく や 村々 むらむら へ 行 い かせてください」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「あなたがたの 手 て で 食物 しょくもつ をやりなさい」。 弟子 でし たちは 言 い った、「わたしたちが二百デナリものパンを 買 か ってきて、みんなに 食 た べさせるのですか」。 するとイエスは 言 い われた、「パンは 幾 いく つあるか。 見 み てきなさい」。 彼 かれ らは 確 たし かめてきて、「五つあります。それに 魚 うお が二ひき」と 言 い った。 そこでイエスは、みんなを 組々 くみぐみ に 分 わ けて、 青草 あおくさ の 上 うえ にすわらせるように 命 めい じられた。 人々 ひとびと は、あるいは百 人 にん ずつ、あるいは五十 人 にん ずつ、 列 れつ をつくってすわった。 それから、イエスは五つのパンと二ひきの 魚 うお とを 手 て に 取 と り、 天 てん を 仰 あお いでそれを 祝福 しゅくふく し、パンをさき、 弟子 でし たちにわたして 配 くば らせ、また、二ひきの 魚 うお もみんなにお 分 わ けになった。 みんなの 者 もの は 食 た べて 満腹 まんぷく した。 そこで、パンくずや 魚 うお の 残 のこ りを 集 あつ めると、十二のかごにいっぱいになった。 パンを 食 た べた 者 もの は 男 おとこ 五千 人 にん であった。
”ところが 逆風 ぎゃくふう が 吹 ふ いていたために、 弟子 でし たちがこぎ 悩 なや んでいるのをごらんになって、 夜明 よあ けの四 時 じ ごろ、 海 うみ の 上 うえ を 歩 ある いて 彼 かれ らに 近 ちか づき、そのそばを 通 とお り 過 す ぎようとされた。 彼 かれ らはイエスが 海 うみ の 上 うえ を 歩 ある いておられるのを 見 み て、 幽霊 ゆうれい だと 思 おも い、 大声 おおごえ で 叫 さけ んだ。 みんなの 者 もの がそれを 見 み て、おじ 恐 おそ れたからである。しかし、イエスはすぐ 彼 かれ らに 声 こえ をかけ、「しっかりするのだ。わたしである。 恐 おそ れることはない」と 言 い われた。 そして、 彼 かれ らの 舟 ふね に 乗 の り 込 こ まれると、 風 かぜ はやんだ。 彼 かれ らは 心 こころ の 中 なか で、 非常 ひじょう に 驚 おどろ いた。
”そして 舟 ふね からあがると、 人々 ひとびと はすぐイエスと 知 し って、 その 地方 ちほう をあまねく 駆 か けめぐり、イエスがおられると 聞 き けば、どこへでも 病人 びょうにん を 床 とこ にのせて 運 はこ びはじめた。 そして、 村 むら でも 町 まち でも 部落 ぶらく でも、イエスがはいって 行 い かれる 所 ところ では、 病人 びょうにん たちをその 広場 ひろば におき、せめてその 上着 うわぎ のふさにでも、さわらせてやっていただきたいと、お 願 ねが いした。そしてさわった 者 もの は 皆 みな いやされた。
”さて、イエスは、そこを 立 た ち 去 さ って、ツロの 地方 ちほう に 行 い かれた。そして、だれにも 知 し れないように、 家 いえ の 中 なか にはいられたが、 隠 かく れていることができなかった。 そして、けがれた 霊 れい につかれた 幼 おさな い 娘 むすめ をもつ 女 おんな が、イエスのことをすぐ 聞 き きつけてきて、その 足 あし もとにひれ 伏 ふ した。 この 女 おんな はギリシヤ 人 じん で、スロ・フェニキヤの 生 うま れであった。そして、 娘 むすめ から 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ してくださいとお 願 ねが いした。 イエスは 女 おんな に 言 い われた、「まず 子供 こども たちに 十分 じゅうぶん 食 た べさすべきである。 子供 こども たちのパンを 取 と って 小犬 こいぬ に 投 な げてやるのは、よろしくない」。 すると、 女 おんな は 答 こた えて 言 い った、「 主 しゅ よ、お 言葉 ことば どおりです。でも、 食卓 しょくたく の 下 した にいる 小犬 こいぬ も、 子供 こども たちのパンくずは、いただきます」。 そこでイエスは 言 い われた、「その 言葉 ことば で、じゅうぶんである。お 帰 かえ りなさい。 悪霊 あくれい は 娘 むすめ から 出 で てしまった」。 そこで、 女 おんな が 家 いえ に 帰 かえ ってみると、その 子 こ は 床 とこ の 上 うえ に 寝 ね ており、 悪霊 あくれい は 出 で てしまっていた。
”すると 人々 ひとびと は、 耳 みみ が 聞 きこ えず 口 くち のきけない 人 ひと を、みもとに 連 つ れてきて、 手 て を 置 お いてやっていただきたいとお 願 ねが いした。 そこで、イエスは 彼 かれ ひとりを 群衆 ぐんしゅう の 中 なか から 連 つ れ 出 だ し、その 両 りょう 耳 みみ に 指 ゆび をさし 入 い れ、それから、つばきでその 舌 した を 潤 うるお し、 天 てん を 仰 あお いでため 息 いき をつき、その 人 ひと に「エパタ」と 言 い われた。これは「 開 ひら けよ」という 意味 いみ である。 すると 彼 かれ の 耳 みみ が 開 ひら け、その 舌 した のもつれもすぐ 解 と けて、はっきりと 話 はな すようになった。 イエスは、この 事 こと をだれにも 言 い ってはならぬと、 人々 ひとびと に 口止 くちど めをされたが、 口止 くちど めをすればするほど、かえって、ますます 言 い いひろめた。 彼 かれ らは、ひとかたならず 驚 おどろ いて 言 い った、「このかたのなさった 事 こと は、 何 なに もかも、すばらしい。 耳 みみ の 聞 きこ えない 者 もの を 聞 きこ えるようにしてやり、 口 くち のきけない 者 もの をきけるようにしておやりになった」。
”そのころ、また 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう が 集 あつ まっていたが、 何 なに も 食 た べるものがなかったので、イエスは 弟子 でし たちを 呼 よ び 寄 よ せて 言 い われた、 「この 群衆 ぐんしゅう がかわいそうである。もう三 日間 かかん もわたしと 一緒 いっしょ にいるのに、 何 なに も 食 た べるものがない。 もし、 彼 かれ らを 空腹 くうふく のまま 家 いえ に 帰 かえ らせるなら、 途中 とちゅう で 弱 よわ り 切 き ってしまうであろう。それに、なかには 遠 とお くからきている 者 もの もある」。 弟子 でし たちは 答 こた えた、「こんな 荒野 あらの で、どこからパンを 手 て に 入 い れて、これらの 人々 ひとびと にじゅうぶん 食 た べさせることができましょうか」。 イエスが 弟子 でし たちに、「パンはいくつあるか」と 尋 たず ねられると、「七つあります」と 答 こた えた。 そこでイエスは 群衆 ぐんしゅう に 地 ち にすわるように 命 めい じられた。そして七つのパンを 取 と り、 感謝 かんしゃ してこれをさき、 人々 ひとびと に 配 くば るように 弟子 でし たちに 渡 わた されると、 弟子 でし たちはそれを 群衆 ぐんしゅう に 配 くば った。 また 小 ちい さい 魚 うお が 少 すこ しばかりあったので、 祝福 しゅくふく して、それをも 人々 ひとびと に 配 くば るようにと 言 い われた。 彼 かれ らは 食 た べて 満腹 まんぷく した。そして 残 のこ ったパンくずを 集 あつ めると、七かごになった。 人々 ひとびと の 数 かず はおよそ四千 人 にん であった。それからイエスは 彼 かれ らを 解散 かいさん させ、
”そのうちに、 彼 かれ らはベツサイダに 着 つ いた。すると 人々 ひとびと が、ひとりの 盲人 もうじん を 連 つ れてきて、さわってやっていただきたいとお 願 ねが いした。 イエスはこの 盲人 もうじん の 手 て をとって、 村 むら の 外 そと に 連 つ れ 出 だ し、その 両方 りょうほう の 目 め につばきをつけ、 両手 りょうて を 彼 かれ に 当 あ てて、「 何 なに か 見 み えるか」と 尋 たず ねられた。 すると 彼 かれ は 顔 かお を 上 あ げて 言 い った、「 人 ひと が 見 み えます。 木 き のように 見 み えます。 歩 ある いているようです」。 それから、イエスが 再 ふたた び 目 め の 上 うえ に 両手 りょうて を 当 あ てられると、 盲人 もうじん は 見 み つめているうちに、なおってきて、すべてのものがはっきりと 見 み えだした。
”六日 むいか の 後 のち 、イエスは、ただペテロ、ヤコブ、ヨハネだけを 連 つ れて、 高 たか い 山 やま に 登 のぼ られた。ところが、 彼 かれ らの 目 め の 前 まえ でイエスの 姿 すがた が 変 かわ り、 その 衣 ころも は 真白 まっしろ く 輝 かがや き、どんな 布 ぬの さらしでも、それほどに 白 しろ くすることはできないくらいになった。
”群衆 ぐんしゅう のひとりが 答 こた えた、「 先生 せんせい 、おしの 霊 れい につかれているわたしのむすこを、こちらに 連 つ れて 参 まい りました。 霊 れい がこのむすこにとりつきますと、どこででも 彼 かれ を 引 ひ き 倒 たお し、それから 彼 かれ はあわを 吹 ふ き、 歯 は をくいしばり、からだをこわばらせてしまいます。それでお 弟子 でし たちに、この 霊 れい を 追 お い 出 だ してくださるように 願 ねが いましたが、できませんでした」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「ああ、なんという 不 ふ 信仰 しんこう な 時代 じだい であろう。いつまで、わたしはあなたがたと 一緒 いっしょ におられようか。いつまで、あなたがたに 我慢 がまん ができようか。その 子 こ をわたしの 所 ところ に 連 つ れてきなさい」。 そこで 人々 ひとびと は、その 子 こ をみもとに 連 つ れてきた。 霊 れい がイエスを 見 み るや 否 いな や、その 子 こ をひきつけさせたので、 子 こ は 地 ち に 倒 たお れ、あわを 吹 ふ きながらころげまわった。 そこで、イエスが 父親 ちちおや に「いつごろから、こんなになったのか」と 尋 たず ねられると、 父親 ちちおや は 答 こた えた、「 幼 おさな い 時 とき からです。 霊 れい はたびたび、この 子 こ を 火 ひ の 中 なか 、 水 みず の 中 なか に 投 な げ 入 い れて、 殺 ころ そうとしました。しかしできますれば、わたしどもをあわれんでお 助 たす けください」。 イエスは 彼 かれ に 言 い われた、「もしできれば、と 言 い うのか。 信 しん ずる 者 もの には、どんな 事 こと でもできる」。 その 子 こ の 父親 ちちおや はすぐ 叫 さけ んで 言 い った、「 信 しん じます。 不 ふ 信仰 しんこう なわたしを、お 助 たす けください」。 イエスは 群衆 ぐんしゅう が 駆 か け 寄 よ って 来 く るのをごらんになって、けがれた 霊 れい をしかって 言 い われた、「おしとつんぼの 霊 れい よ、わたしがおまえに 命 めい じる。この 子 こ から 出 で て 行 い け。二 度 ど と、はいって 来 く るな」。 すると 霊 れい は 叫 さけ び 声 ごえ をあげ、 激 はげ しく 引 ひ きつけさせて 出 で て 行 い った。その 子 こ は 死人 しにん のようになったので、 多 おお くの 人 ひと は、 死 し んだのだと 言 い った。 しかし、イエスが 手 て を 取 と って 起 おこ されると、その 子 こ は 立 た ち 上 あ がった。
”イエスは 彼 かれ らを 見 み つめて 言 い われた、「 人 ひと にはできないが、 神 かみ にはできる。 神 かみ はなんでもできるからである」。
”それから、 彼 かれ らはエリコにきた。そして、イエスが 弟子 でし たちや 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう と 共 とも にエリコから 出 で かけられたとき、テマイの 子 こ 、バルテマイという 盲人 もうじん のこじきが、 道 みち ばたにすわっていた。 ところが、ナザレのイエスだと 聞 き いて、 彼 かれ は「ダビデの 子 こ イエスよ、わたしをあわれんでください」と 叫 さけ び 出 だ した。 多 おお くの 人々 ひとびと は 彼 かれ をしかって 黙 だま らせようとしたが、 彼 かれ はますます 激 はげ しく 叫 さけ びつづけた、「ダビデの 子 こ イエスよ、わたしをあわれんでください」。 イエスは 立 た ちどまって「 彼 かれ を 呼 よ べ」と 命 めい じられた。そこで、 人々 ひとびと はその 盲人 もうじん を 呼 よ んで 言 い った、「 喜 よろこ べ、 立 た て、おまえを 呼 よ んでおられる」。 そこで 彼 かれ は 上着 うわぎ を 脱 ぬ ぎ 捨 す て、 踊 おど りあがってイエスのもとにきた。 イエスは 彼 かれ にむかって 言 い われた、「わたしに 何 なに をしてほしいのか」。その 盲人 もうじん は 言 い った、「 先生 せんせい 、 見 み えるようになることです」。 そこでイエスは 言 い われた、「 行 い け、あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく った」。すると 彼 かれ は、たちまち 見 み えるようになり、イエスに 従 したが って 行 い った。
”イエスは 答 こた えて 言 い われた、「 神 かみ を 信 しん じなさい。 よく 聞 き いておくがよい。だれでもこの 山 やま に、 動 うご き 出 だ して、 海 うみ の 中 なか にはいれと 言 い い、その 言 い ったことは 必 かなら ず 成 な ると、 心 こころ に 疑 うたが わないで 信 しん じるなら、そのとおりに 成 な るであろう。 そこで、あなたがたに 言 い うが、なんでも 祈 いの り 求 もと めることは、すでにかなえられたと 信 しん じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。
”するとこの 若者 わかもの は 言 い った、「 驚 おどろ くことはない。あなたがたは 十字架 じゅうじか につけられたナザレ 人 びと イエスを 捜 さが しているのであろうが、イエスはよみがえって、ここにはおられない。ごらんなさい、ここがお 納 おさ めした 場所 ばしょ である。
”信 しん じる 者 もの には、このようなしるしが 伴 ともな う。すなわち、 彼 かれ らはわたしの 名 な で 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ し、 新 あたら しい 言葉 ことば を 語 かた り、 へびをつかむであろう。また、 毒 どく を 飲 の んでも、 決 けっ して 害 がい を 受 う けない。 病人 びょうにん に 手 て をおけば、いやされる」。
”主 しゅ イエスは 彼 かれ らに 語 かた り 終 おわ ってから、 天 てん にあげられ、 神 かみ の 右 みぎ にすわられた。
”弟子 でし たちは 出 で て 行 い って、 至 いた る 所 ところ で 福音 ふくいん を 宣 の べ 伝 つた えた。 主 しゅ も 彼 かれ らと 共 とも に 働 はたら き、 御言 みことば に 伴 ともな うしるしをもって、その 確 たし かなことをお 示 しめ しになった。〕
”神 かみ には、なんでもできないことはありません」。
”すると、 汚 けが れた 悪霊 あくれい につかれた 人 ひと が 会堂 かいどう にいて、 大声 おおごえ で 叫 さけ び 出 だ した、 「ああ、ナザレのイエスよ、あなたはわたしたちとなんの 係 かか わりがあるのです。わたしたちを 滅 ほろ ぼしにこられたのですか。あなたがどなたであるか、わかっています。 神 かみ の 聖者 せいじゃ です」。 イエスはこれをしかって、「 黙 だま れ、この 人 ひと から 出 で て 行 い け」と 言 い われた。すると 悪霊 あくれい は 彼 かれ を 人 ひと なかに 投 な げ 倒 たお し、 傷 きず は 負 お わせずに、その 人 ひと から 出 で て 行 い った。 みんなの 者 もの は 驚 おどろ いて、 互 たがい に 語 かた り 合 あ って 言 い った、「これは、いったい、なんという 言葉 ことば だろう。 権威 けんい と 力 ちから とをもって 汚 けが れた 霊 れい に 命 めい じられると、 彼 かれ らは 出 で て 行 い くのだ」。 こうしてイエスの 評判 ひょうばん が、その 地方 ちほう のいたる 所 ところ にひろまっていった。
”イエスは 会堂 かいどう を 出 で てシモンの 家 いえ におはいりになった。ところがシモンのしゅうとめが 高 たか い 熱 ねつ を 病 や んでいたので、 人々 ひとびと は 彼女 かのじょ のためにイエスにお 願 ねが いした。 そこで、イエスはそのまくらもとに 立 た って、 熱 ねつ が 引 ひ くように 命 めい じられると、 熱 ねつ は 引 ひ き、 女 おんな はすぐに 起 お き 上 あ がって、 彼 かれ らをもてなした。
”日 ひ が 暮 く れると、いろいろな 病気 びょうき になやむ 者 もの をかかえている 人々 ひとびと が、 皆 みな それをイエスのところに 連 つ れてきたので、そのひとりびとりに 手 て を 置 お いて、おいやしになった。 悪霊 あくれい も「あなたこそ 神 かみ の 子 こ です」と 叫 さけ びながら 多 おお くの 人々 ひとびと から 出 で ていった。しかし、イエスは 彼 かれ らを 戒 いまし めて、 物 もの を 言 い うことをお 許 ゆる しにならなかった。 彼 かれ らがイエスはキリストだと 知 し っていたからである。
”話 はなし がすむと、シモンに「 沖 おき へこぎ 出 だ し、 網 あみ をおろして 漁 りょう をしてみなさい」と 言 い われた。 シモンは 答 こた えて 言 い った、「 先生 せんせい 、わたしたちは 夜通 よどお し 働 はたら きましたが、 何 なに も 取 と れませんでした。しかし、お 言葉 ことば ですから、 網 あみ をおろしてみましょう」。 そしてそのとおりにしたところ、おびただしい 魚 うお の 群 む れがはいって、 網 あみ が 破 やぶ れそうになった。 そこで、もう一そうの 舟 ふね にいた 仲間 なかま に、 加勢 かせい に 来 く るよう 合図 あいず をしたので、 彼 かれ らがきて 魚 うお を 両方 りょうほう の 舟 ふね いっぱいに 入 い れた。そのために、 舟 ふね が 沈 しず みそうになった。 これを 見 み てシモン・ペテロは、イエスのひざもとにひれ 伏 ふ して 言 い った、「 主 しゅ よ、わたしから 離 はな れてください。わたしは 罪深 つみふか い 者 もの です」。 彼 かれ も 一緒 いっしょ にいた 者 もの たちもみな、 取 と れた 魚 うお がおびただしいのに 驚 おどろ いたからである。
”イエスがある 町 まち におられた 時 とき 、 全身 ぜんしん らい 病 びょう になっている 人 ひと がそこにいた。イエスを 見 み ると、 顔 かお を 地 ち に 伏 ふ せて 願 ねが って 言 い った、「 主 しゅ よ、みこころでしたら、きよめていただけるのですが」。 イエスは 手 て を 伸 の ばして 彼 かれ にさわり、「そうしてあげよう、きよくなれ」と 言 い われた。すると、らい 病 びょう がただちに 去 さ ってしまった。 イエスは、だれにも 話 はな さないようにと 彼 かれ に 言 い い 聞 き かせ、「ただ 行 い って 自分 じぶん のからだを 祭司 さいし に 見 み せ、それからあなたのきよめのため、モーセが 命 めい じたとおりのささげ 物 もの をして、 人々 ひとびと に 証明 しょうめい しなさい」とお 命 めい じになった。 しかし、イエスの 評判 ひょうばん はますますひろまって 行 い き、おびただしい 群衆 ぐんしゅう が、 教 おしえ を 聞 き いたり、 病気 びょうき をなおしてもらったりするために、 集 あつ まってきた。
”ある 日 ひ のこと、イエスが 教 おし えておられると、ガリラヤやユダヤの 方々 ほうぼう の 村 むら から、またエルサレムからきたパリサイ 人 びと や 律法 りっぽう 学者 がくしゃ たちが、そこにすわっていた。 主 しゅ の 力 ちから が 働 はたら いて、イエスは 人々 ひとびと をいやされた。 その 時 とき 、ある 人々 ひとびと が、ひとりの 中風 ちゅうぶ をわずらっている 人 ひと を 床 とこ にのせたまま 連 つ れてきて、 家 いえ の 中 なか に 運 はこ び 入 い れ、イエスの 前 まえ に 置 お こうとした。 ところが、 群衆 ぐんしゅう のためにどうしても 運 はこ び 入 い れる 方法 ほうほう がなかったので、 屋根 やね にのぼり、 瓦 かわら をはいで、 病人 びょうにん を 床 とこ ごと 群衆 ぐんしゅう のまん 中 なか につりおろして、イエスの 前 まえ においた。 イエスは 彼 かれ らの 信仰 しんこう を 見 み て、「 人 ひと よ、あなたの 罪 つみ はゆるされた」と 言 い われた。 すると 律法 りっぽう 学者 がくしゃ とパリサイ 人 びと たちとは、「 神 かみ を 汚 けが すことを 言 い うこの 人 ひと は、いったい、 何者 なにもの だ。 神 かみ おひとりのほかに、だれが 罪 つみ をゆるすことができるか」と 言 い って 論 ろん じはじめた。 イエスは 彼 かれ らの 論議 ろんぎ を 見 み ぬいて、「あなたがたは 心 こころ の 中 なか で 何 なに を 論 ろん じているのか。 あなたの 罪 つみ はゆるされたと 言 い うのと、 起 お きて 歩 ある けと 言 い うのと、どちらがたやすいか。 しかし、 人 ひと の 子 こ は 地上 ちじょう で 罪 つみ をゆるす 権威 けんい を 持 も っていることが、あなたがたにわかるために」と 彼 かれ らに 対 たい して 言 い い、 中風 ちゅうぶ の 者 もの にむかって、「あなたに 命 めい じる。 起 お きよ、 床 とこ を 取 と り 上 あ げて 家 いえ に 帰 かえ れ」と 言 い われた。 すると 病人 びょうにん は 即座 そくざ にみんなの 前 まえ で 起 お きあがり、 寝 ね ていた 床 とこ を 取 と りあげて、 神 かみ をあがめながら 家 いえ に 帰 かえ って 行 い った。 みんなの 者 もの は 驚嘆 きょうたん してしまった。そして 神 かみ をあがめ、おそれに 満 み たされて、「きょうは 驚 おどろ くべきことを 見 み た」と 言 い った。
”また、ほかの 安息日 あんそくにち に 会堂 かいどう にはいって 教 おし えておられたところ、そこに 右手 みぎて のなえた 人 ひと がいた。 律法 りっぽう 学者 がくしゃ やパリサイ 人 びと たちは、イエスを 訴 うった える 口実 こうじつ を 見付 みつ けようと 思 おも って、 安息日 あんそくにち にいやされるかどうかをうかがっていた。 イエスは 彼 かれ らの 思 おも っていることを 知 し って、その 手 て のなえた 人 ひと に、「 起 お きて、まん 中 なか に 立 た ちなさい」と 言 い われると、 起 お き 上 あ がって 立 た った。 そこでイエスは 彼 かれ らにむかって 言 い われた、「あなたがたに 聞 き くが、 安息日 あんそくにち に 善 ぜん を 行 おこな うのと 悪 あく を 行 おこな うのと、 命 いのち を 救 すく うのと 殺 ころ すのと、どちらがよいか」。 そして 彼 かれ ら 一同 いちどう を 見 み まわして、その 人 ひと に「 手 て を 伸 の ばしなさい」と 言 い われた。そのとおりにすると、その 手 て は 元 もと どおりになった。
”そして、イエスは 彼 かれ らと 一緒 いっしょ に 山 やま を 下 くだ って 平地 ひらち に 立 た たれたが、 大 おお ぜいの 弟子 でし たちや、ユダヤ 全土 ぜんど 、エルサレム、ツロとシドンの 海岸 かいがん 地方 ちほう などからの 大 だい 群衆 ぐんしゅう が、 教 おしえ を 聞 き こうとし、また 病気 びょうき をなおしてもらおうとして、そこにきていた。そして 汚 けが れた 霊 れい に 悩 なや まされている 者 もの たちも、いやされた。 また 群衆 ぐんしゅう はイエスにさわろうと 努 つと めた。それは 力 ちから がイエスの 内 うち から 出 で て、みんなの 者 もの を 次々 つぎつぎ にいやしたからである。
”ところが、ある 百卒長 ひゃくそつちょう の 頼 たの みにしていた 僕 しもべ が、 病気 びょうき になって 死 し にかかっていた。 この 百卒長 ひゃくそつちょう はイエスのことを 聞 き いて、ユダヤ 人 じん の 長老 ちょうろう たちをイエスのところにつかわし、 自分 じぶん の 僕 しもべ を 助 たす けにきてくださるようにと、お 願 ねが いした。 彼 かれ らはイエスのところにきて、 熱心 ねっしん に 願 ねが って 言 い った、「あの 人 ひと はそうしていただくねうちがございます。 わたしたちの 国民 こくみん を 愛 あい し、わたしたちのために 会堂 かいどう を 建 た ててくれたのです」。 そこで、イエスは 彼 かれ らと 連 つ れだってお 出 で かけになった。ところが、その 家 いえ からほど 遠 とお くないあたりまでこられたとき、 百卒長 ひゃくそつちょう は 友 とも だちを 送 おく ってイエスに 言 い わせた、「 主 しゅ よ、どうぞ、ご 足労 そくろう くださいませんように。わたしの 屋根 やね の 下 した にあなたをお 入 い れする 資格 しかく は、わたしにはございません。 それですから、 自分 じぶん でお 迎 むか えにあがるねうちさえないと 思 おも っていたのです。ただ、お 言葉 ことば を 下 くだ さい。そして、わたしの 僕 しもべ をなおしてください。 わたしも 権威 けんい の 下 した に 服 ふく している 者 もの ですが、わたしの 下 した にも 兵卒 へいそつ がいまして、ひとりの 者 もの に『 行 い け』と 言 い えば 行 い き、ほかの 者 もの に『こい』と 言 い えばきますし、また、 僕 しもべ に『これをせよ』と 言 い えば、してくれるのです」。 イエスはこれを 聞 き いて 非常 ひじょう に 感心 かんしん され、ついてきた 群衆 ぐんしゅう の 方 ほう に 振 ふ り 向 む いて 言 い われた、「あなたがたに 言 い っておくが、これほどの 信仰 しんこう は、イスラエルの 中 なか でも 見 み たことがない」。 使 つかい にきた 者 もの たちが 家 いえ に 帰 かえ ってみると、 僕 しもべ は 元気 げんき になっていた。
”町 まち の 門 もん に 近 ちか づかれると、ちょうど、あるやもめにとってひとりむすこであった 者 もの が 死 し んだので、 葬 ほうむ りに 出 だ すところであった。 大 おお ぜいの 町 まち の 人 ひと たちが、その 母 はは につきそっていた。 主 しゅ はこの 婦人 ふじん を 見 み て 深 ふか い 同情 どうじょう を 寄 よ せられ、「 泣 な かないでいなさい」と 言 い われた。 そして 近寄 ちかよ って 棺 かん に 手 て をかけられると、かついでいる 者 もの たちが 立 た ち 止 ど まったので、「 若者 わかもの よ、さあ、 起 お きなさい」と 言 い われた。 すると、 死人 しにん が 起 お き 上 あ がって 物 もの を 言 い い 出 だ した。イエスは 彼 かれ をその 母 はは にお 渡 わた しになった。 人々 ひとびと はみな 恐 おそ れをいだき、「 大 だい 預言者 よげんしゃ がわたしたちの 間 あいだ に 現 あらわ れた」、また、「 神 かみ はその 民 たみ を 顧 かえり みてくださった」と 言 い って、 神 かみ をほめたたえた。 イエスについてのこの 話 はなし は、ユダヤ 全土 ぜんど およびその 附近 ふきん のいたる 所 ところ にひろまった。
”そのとき、イエスはさまざまの 病苦 びょうく と 悪霊 あくれい とに 悩 なや む 人々 ひとびと をいやし、また 多 おお くの 盲人 もうじん を 見 み えるようにしておられたが、 答 こた えて 言 い われた、「 行 い って、あなたがたが 見聞 みき きしたことを、ヨハネに 報告 ほうこく しなさい。 盲人 もうじん は 見 み え、 足 あし なえは 歩 ある き、らい 病人 びょうにん はきよまり、 耳 みみ しいは 聞 きこ え、 死人 しにん は 生 い きかえり、 貧 まず しい 人々 ひとびと は 福音 ふくいん を 聞 き かされている。
”また 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ され 病気 びょうき をいやされた 数名 すうめい の 婦人 ふじん たち、すなわち、七つの 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ してもらったマグダラと 呼 よ ばれるマリヤ、
”ある 日 ひ のこと、イエスは 弟子 でし たちと 舟 ふね に 乗 の り 込 こ み、「 湖 みずうみ の 向 む こう 岸 ぎし へ 渡 わた ろう」と 言 い われたので、 一同 いちどう が 船出 ふなで した。 渡 わた って 行 い く 間 あいだ に、イエスは 眠 ねむ ってしまわれた。すると 突風 とっぷう が 湖 みずうみ に 吹 ふ きおろしてきたので、 彼 かれ らは 水 みず をかぶって 危険 きけん になった。 そこで、みそばに 寄 よ ってきてイエスを 起 おこ し、「 先生 せんせい 、 先生 せんせい 、わたしたちは 死 し にそうです」と 言 い った。イエスは 起 お き 上 あ がって、 風 かぜ と 荒浪 あらなみ とをおしかりになると、 止 や んでなぎになった。 イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「あなたがたの 信仰 しんこう は、どこにあるのか」。 彼 かれ らは 恐 おそ れ 驚 おどろ いて 互 たがい に 言 い い 合 あ った、「いったい、このかたはだれだろう。お 命 めい じになると、 風 かぜ も 水 みず も 従 したが うとは」。
”陸 りく にあがられると、その 町 まち の 人 ひと で、 悪霊 あくれい につかれて 長 なが いあいだ 着物 きもの も 着 き ず、 家 いえ に 居 い つかないで 墓場 はかば にばかりいた 人 ひと に、 出会 であ われた。 この 人 ひと がイエスを 見 み て 叫 さけ び 出 だ し、みまえにひれ 伏 ふ して 大声 おおごえ で 言 い った、「いと 高 たか き 神 かみ の 子 こ イエスよ、あなたはわたしとなんの 係 かか わりがあるのです。お 願 ねが いです、わたしを 苦 くる しめないでください」。 それは、イエスが 汚 けが れた 霊 れい に、その 人 ひと から 出 で て 行 い け、とお 命 めい じになったからである。というのは、 悪霊 あくれい が 何 なん 度 ど も 彼 かれ をひき 捕 とら えたので、 彼 かれ は 鎖 くさり と 足 あし かせとでつながれて 看 み 視 し されていたが、それを 断 た ち 切 き っては 悪霊 あくれい によって 荒野 あらの へ 追 お いやられていたのである。 イエスは 彼 かれ に「なんという 名前 なまえ か」とお 尋 たず ねになると、「レギオンと 言 い います」と 答 こた えた。 彼 かれ の 中 なか にたくさんの 悪霊 あくれい がはいり 込 こ んでいたからである。 悪霊 あくれい どもは、 底 そこ 知 し れぬ 所 ところ に 落 お ちて 行 い くことを 自分 じぶん たちにお 命 めい じにならぬようにと、イエスに 願 ねが いつづけた。 ところが、そこの 山 やま べにおびただしい 豚 ぶた の 群 む れが 飼 か ってあったので、その 豚 ぶた の 中 なか へはいることを 許 ゆる していただきたいと、 悪霊 あくれい どもが 願 ねが い 出 で た。イエスはそれをお 許 ゆる しになった。 そこで 悪霊 あくれい どもは、その 人 ひと から 出 で て 豚 ぶた の 中 なか へはいり 込 こ んだ。するとその 群 む れは、がけから 湖 みずうみ へなだれを 打 う って 駆 か け 下 くだ り、おぼれ 死 し んでしまった。 飼 か う 者 もの たちは、この 出来事 できごと を 見 み て 逃 に げ 出 だ して、 町 まち や 村里 むらざと にふれまわった。 人々 ひとびと はこの 出来事 できごと を 見 み に 出 で てきた。そして、イエスのところにきて、 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ してもらった 人 ひと が 着物 きもの を 着 き て、 正気 しょうき になってイエスの 足 あし もとにすわっているのを 見 み て、 恐 おそ れた。 それを 見 み た 人 ひと たちは、この 悪霊 あくれい につかれていた 者 もの が 救 すく われた 次第 しだい を、 彼 かれ らに 語 かた り 聞 き かせた。 それから、ゲラサの 地方 ちほう の 民衆 みんしゅう はこぞって、 自分 じぶん たちの 所 ところ から 立 た ち 去 さ ってくださるようにとイエスに 頼 たの んだ。 彼 かれ らが 非常 ひじょう な 恐怖 きょうふ に 襲 おそ われていたからである。そこで、イエスは 舟 ふね に 乗 の って 帰 かえ りかけられた。
”ここに、十二 年間 ねんかん も 長 なが 血 ち をわずらっていて、 医者 いしゃ のために 自分 じぶん の 身代 しんだい をみな 使 つか い 果 はた してしまったが、だれにもなおしてもらえなかった 女 おんな がいた。 この 女 おんな がうしろから 近寄 ちかよ ってみ 衣 ころも のふさにさわったところ、その 長 なが 血 ち がたちまち 止 と まってしまった。 イエスは 言 い われた、「わたしにさわったのは、だれか」。 人々 ひとびと はみな 自分 じぶん ではないと 言 い ったので、ペテロが「 先生 せんせい 、 群衆 ぐんしゅう があなたを 取 と り 囲 かこ んで、ひしめき 合 あ っているのです」と 答 こた えた。 しかしイエスは 言 い われた、「だれかがわたしにさわった。 力 ちから がわたしから 出 で て 行 い ったのを 感 かん じたのだ」。 女 おんな は 隠 かく しきれないのを 知 し って、 震 ふる えながら 進 すす み 出 で て、みまえにひれ 伏 ふ し、イエスにさわった 訳 わけ と、さわるとたちまちなおったこととを、みんなの 前 まえ で 話 はな した。 そこでイエスが 女 おんな に 言 い われた、「 娘 むすめ よ、あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく ったのです。 安心 あんしん して 行 い きなさい」。
”イエスがまだ 話 はな しておられるうちに、 会堂司 かいどうづかさ の 家 いえ から 人 ひと がきて、「お 嬢 じょう さんはなくなられました。この 上 うえ 、 先生 せんせい を 煩 わずら わすには 及 およ びません」と 言 い った。 しかしイエスはこれを 聞 き いて 会堂司 かいどうづかさ にむかって 言 い われた、「 恐 おそ れることはない。ただ 信 しん じなさい。 娘 むすめ は 助 たす かるのだ」。 それから 家 いえ にはいられるとき、ペテロ、ヨハネ、ヤコブおよびその 子 こ の 父母 ふぼ のほかは、だれも 一緒 いっしょ にはいって 来 く ることをお 許 ゆる しにならなかった。 人々 ひとびと はみな、 娘 むすめ のために 泣 な き 悲 かな しんでいた。イエスは 言 い われた、「 泣 な くな、 娘 むすめ は 死 し んだのではない。 眠 ねむ っているだけである」。 人々 ひとびと は 娘 むすめ が 死 し んだことを 知 し っていたので、イエスをあざ 笑 わら った。 イエスは 娘 むすめ の 手 て を 取 と って、 呼 よ びかけて 言 い われた、「 娘 むすめ よ、 起 お きなさい」。 するとその 霊 れい がもどってきて、 娘 むすめ は 即座 そくざ に 立 た ち 上 あ がった。イエスは 何 なに か 食 た べ 物 もの を 与 あた えるように、さしずをされた。 両親 りょうしん は 驚 おどろ いてしまった。イエスはこの 出来事 できごと をだれにも 話 はな さないようにと、 彼 かれ らに 命 めい じられた。
”それからイエスは十二 弟子 でし を 呼 よ び 集 あつ めて、 彼 かれ らにすべての 悪霊 あくれい を 制 せい し、 病気 びょうき をいやす 力 ちから と 権威 けんい とをお 授 さづ けになった。 また 神 かみ の 国 くに を 宣 の べ 伝 つた え、かつ 病気 びょうき をなおすためにつかわして
”弟子 でし たちは 出 で て 行 い って、 村々 むらむら を 巡 めぐ り 歩 ある き、いたる 所 ところ で 福音 ふくいん を 宣 の べ 伝 つた え、また 病気 びょうき をいやした。
”ところが 群衆 ぐんしゅう がそれと 知 し って、ついてきたので、これを 迎 むか えて 神 かみ の 国 くに のことを 語 かた り 聞 き かせ、また 治療 ちりょう を 要 よう する 人 ひと たちをいやされた。
”それから 日 ひ が 傾 かたむ きかけたので、十二 弟子 でし がイエスのもとにきて 言 い った、「 群衆 ぐんしゅう を 解散 かいさん して、まわりの 村々 むらむら や 部落 ぶらく へ 行 い って 宿 やど を 取 と り、 食物 しょくもつ を 手 て にいれるようにさせてください。わたしたちはこんな 寂 さび しい 所 ところ にきているのですから」。 しかしイエスは 言 い われた、「あなたがたの 手 て で 食物 しょくもつ をやりなさい」。 彼 かれ らは 言 い った、「わたしたちにはパン五つと 魚 うお 二ひきしかありません、この 大 おお ぜいの 人 ひと のために 食物 しょくもつ を 買 か いに 行 い くかしなければ」。 というのは、 男 おとこ が五千 人 にん ばかりもいたからである。しかしイエスは 弟子 でし たちに 言 い われた、「 人々 ひとびと をおおよそ五十 人 にん ずつの 組 くみ にして、すわらせなさい」。 彼 かれ らはそのとおりにして、みんなをすわらせた。 イエスは五つのパンと二ひきの 魚 うお とを 手 て に 取 と り、 天 てん を 仰 あお いでそれを 祝福 しゅくふく してさき、 弟子 でし たちにわたして 群衆 ぐんしゅう に 配 くば らせた。 みんなの 者 もの は 食 た べて 満腹 まんぷく した。そして、その 余 あま りくずを 集 あつ めたら、十二かごあった。
”祈 いの っておられる 間 あいだ に、み 顔 かお の 様 さま が 変 かわ り、み 衣 ころも がまばゆいほどに 白 しろ く 輝 かがや いた。
”すると 突然 とつぜん 、ある 人 ひと が 群衆 ぐんしゅう の 中 なか から 大声 おおごえ をあげて 言 い った、「 先生 せんせい 、お 願 ねが いです。わたしのむすこを 見 み てやってください。この 子 こ はわたしのひとりむすこですが、 霊 れい が 取 と りつきますと、 彼 かれ は 急 きゅう に 叫 さけ び 出 だ すのです。それから、 霊 れい は 彼 かれ をひきつけさせて、あわを 吹 ふ かせ、 彼 かれ を 弱 よわ り 果 は てさせて、なかなか 出 で て 行 い かないのです。 それで、お 弟子 でし たちに、この 霊 れい を 追 お い 出 だ してくださるように 願 ねが いましたが、できませんでした」。 イエスは 答 こた えて 言 い われた、「ああ、なんという 不 ふ 信仰 しんこう な、 曲 まが った 時代 じだい であろう。いつまで、わたしはあなたがたと 一緒 いっしょ におられようか、またあなたがたに 我慢 がまん ができようか。あなたの 子 こ をここに 連 つ れてきなさい」。 ところが、その 子 こ がイエスのところに 来 く る 時 とき にも、 悪霊 あくれい が 彼 かれ を 引 ひ き 倒 たお して、 引 ひ きつけさせた。イエスはこの 汚 けが れた 霊 れい をしかりつけ、その 子供 こども をいやして、 父親 ちちおや にお 渡 わた しになった。 人々 ひとびと はみな、 神 かみ の 偉大 いだい な 力 ちから に 非常 ひじょう に 驚 おどろ いた。みんなの 者 もの がイエスのしておられた 数々 かずかず の 事 こと を 不思議 ふしぎ に 思 おも っていると、 弟子 でし たちに 言 い われた、
”どの 町 まち へはいっても、 人々 ひとびと があなたがたを 迎 むか えてくれるなら、 前 まえ に 出 だ されるものを 食 た べなさい。 そして、その 町 まち にいる 病人 びょうにん をいやしてやり、『 神 かみ の 国 くに はあなたがたに 近 ちか づいた』と 言 い いなさい。
”わたしはあなたがたに、へびやさそりを 踏 ふ みつけ、 敵 てき のあらゆる 力 ちから に 打 う ち 勝 か つ 権威 けんい を 授 さづ けた。だから、あなたがたに 害 がい をおよぼす 者 もの はまったく 無 な いであろう。 しかし、 霊 れい があなたがたに 服従 ふくじゅう することを 喜 よろこ ぶな。むしろ、あなたがたの 名 な が 天 てん にしるされていることを 喜 よろこ びなさい」。
”さて、イエスが 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ しておられた。それは、おしの 霊 れい であった。 悪霊 あくれい が 出 で て 行 い くと、おしが 物 もの を 言 い うようになったので、 群衆 ぐんしゅう は 不思議 ふしぎ に 思 おも った。
”安息日 あんそくにち に、ある 会堂 かいどう で 教 おし えておられると、 そこに十八 年間 ねんかん も 病気 びょうき の 霊 れい につかれ、かがんだままで、からだを 伸 の ばすことの 全 まった くできない 女 おんな がいた。 イエスはこの 女 おんな を 見 み て、 呼 よ びよせ、「 女 おんな よ、あなたの 病気 びょうき はなおった」と 言 い って、 手 て をその 上 うえ に 置 お かれた。すると 立 た ちどころに、そのからだがまっすぐになり、そして 神 かみ をたたえはじめた。 ところが 会堂司 かいどうづかさ は、イエスが 安息日 あんそくにち に 病気 びょうき をいやされたことを 憤 いきどお り、 群衆 ぐんしゅう にむかって 言 い った、「 働 はたら くべき 日 ひ は 六日 むいか ある。その 間 あいだ に、なおしてもらいにきなさい。 安息日 あんそくにち にはいけない」。 主 しゅ はこれに 答 こた えて 言 い われた、「 偽善者 ぎぜんしゃ たちよ、あなたがたはだれでも、 安息日 あんそくにち であっても、 自分 じぶん の 牛 うし やろばを 家畜 かちく 小屋 こや から 解 と いて、 水 みず を 飲 の ませに 引 ひ き 出 だ してやるではないか。 それなら、十八 年間 ねんかん もサタンに 縛 しば られていた、アブラハムの 娘 むすめ であるこの 女 おんな を、 安息日 あんそくにち であっても、その 束縛 そくばく から 解 と いてやるべきではなかったか」。 こう 言 い われたので、イエスに 反対 はんたい していた 人 ひと たちはみな 恥 は じ 入 い った。そして 群衆 ぐんしゅう はこぞって、イエスがなされたすべてのすばらしいみわざを 見 み て 喜 よろこ んだ。
”そこで 彼 かれ らに 言 い われた、「あのきつねのところへ 行 い ってこう 言 い え、『 見 み よ、わたしはきょうもあすも 悪霊 あくれい を 追 お い 出 だ し、また、 病気 びょうき をいやし、そして三 日 か 目 め にわざを 終 お えるであろう。
”するとそこに、 水腫 すいしゅ をわずらっている 人 ひと が、みまえにいた。 イエスは 律法 りっぽう 学者 がくしゃ やパリサイ 人 びと たちにむかって 言 い われた、「 安息日 あんそくにち に 人 ひと をいやすのは、 正 ただ しいことかどうか」。 彼 かれ らは 黙 だま っていた。そこでイエスはその 人 ひと に 手 て を 置 お いていやしてやり、そしてお 帰 かえ しになった。
”使徒 しと たちは 主 しゅ に「わたしたちの 信仰 しんこう を 増 ま してください」と 言 い った。 そこで 主 しゅ が 言 い われた、「もし、からし 種 だね 一 粒 つぶ ほどの 信仰 しんこう があるなら、この 桑 くわ の 木 き に、『 抜 ぬ け 出 だ して 海 うみ に 植 う われ』と 言 い ったとしても、その 言葉 ことば どおりになるであろう。
”そして、ある 村 むら にはいられると、十 人 にん のらい 病人 びょうにん に 出会 であ われたが、 彼 かれ らは 遠 とお くの 方 ほう で 立 た ちとどまり、 声 こえ を 張 は りあげて、「イエスさま、わたしたちをあわれんでください」と 言 い った。 イエスは 彼 かれ らをごらんになって、「 祭司 さいし たちのところに 行 い って、からだを 見 み せなさい」と 言 い われた。そして、 行 い く 途中 とちゅう で 彼 かれ らはきよめられた。 そのうちのひとりは、 自分 じぶん がいやされたことを 知 し り、 大声 おおごえ で 神 かみ をほめたたえながら 帰 かえ ってきて、 イエスの 足 あし もとにひれ 伏 ふ して 感謝 かんしゃ した。これはサマリヤ 人 びと であった。 イエスは 彼 かれ にむかって 言 い われた、「きよめられたのは、十 人 にん ではなかったか。ほかの九 人 にん は、どこにいるのか。 神 かみ をほめたたえるために 帰 かえ ってきたものは、この 他国 たこく 人 じん のほかにはいないのか」。 それから、その 人 ひと に 言 い われた、「 立 た って 行 い きなさい。あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく ったのだ」。
”イエスは 言 い われた、「 人 ひと にはできない 事 こと も、 神 かみ にはできる」。
”イエスがエリコに 近 ちか づかれたとき、ある 盲人 もうじん が 道 みち ばたにすわって、 物 もの ごいをしていた。 群衆 ぐんしゅう が 通 とお り 過 す ぎる 音 おと を 耳 みみ にして、 彼 かれ は 何事 なにごと があるのかと 尋 たず ねた。 ところが、ナザレのイエスがお 通 とお りなのだと 聞 き かされたので、 声 こえ をあげて、「ダビデの 子 こ イエスよ、わたしをあわれんで 下 くだ さい」と 言 い った。 先頭 せんとう に 立 た つ 人々 ひとびと が 彼 かれ をしかって 黙 だま らせようとしたが、 彼 かれ はますます 激 はげ しく 叫 さけ びつづけた、「ダビデの 子 こ よ、わたしをあわれんで 下 くだ さい」。 そこでイエスは 立 た ちどまって、その 者 もの を 連 つ れて 来 く るように、とお 命 めい じになった。 彼 かれ が 近 ちか づいたとき、 「わたしに 何 なに をしてほしいのか」とおたずねになると、「 主 しゅ よ、 見 み えるようになることです」と 答 こた えた。 そこでイエスは 言 い われた、「 見 み えるようになれ。あなたの 信仰 しんこう があなたを 救 すく った」。 すると 彼 かれ は、たちまち 見 み えるようになった。そして 神 かみ をあがめながらイエスに 従 したが って 行 い った。これを 見 み て、 人々 ひとびと はみな 神 かみ をさんびした。
”そのうちのひとりが、 祭司長 さいしちょう の 僕 しもべ に 切 き りつけ、その 右 みぎ の 耳 みみ を 切 き り 落 おと した。 イエスはこれに 対 たい して 言 い われた、「それだけでやめなさい」。そして、その 僕 しもべ の 耳 みみ に 手 て を 触 ふれ て、おいやしになった。
”そのかたは、ここにはおられない。よみがえられたのだ。まだガリラヤにおられたとき、あなたがたにお 話 はな しになったことを 思 おも い 出 だ しなさい。
”ぶどう 酒 しゅ がなくなったので、 母 はは はイエスに 言 い った、「ぶどう 酒 しゅ がなくなってしまいました」。 イエスは 母 はは に 言 い われた、「 婦人 ふじん よ、あなたは、わたしと、なんの 係 かか わりがありますか。わたしの 時 とき は、まだきていません」。 母 はは は 僕 しもべ たちに 言 い った、「このかたが、あなたがたに 言 い いつけることは、なんでもして 下 くだ さい」。 そこには、ユダヤ 人 じん のきよめのならわしに 従 したが って、それぞれ四、五 斗 と もはいる 石 いし の 水 みず がめが、六つ 置 お いてあった。 イエスは 彼 かれ らに「かめに 水 みず をいっぱい 入 い れなさい」と 言 い われたので、 彼 かれ らは 口 くち のところまでいっぱいに 入 い れた。 そこで 彼 かれ らに 言 い われた、「さあ、くんで、 料理 りょうり がしらのところに 持 も って 行 い きなさい」。すると、 彼 かれ らは 持 も って 行 い った。 料理 りょうり がしらは、ぶどう 酒 しゅ になった 水 みず をなめてみたが、それがどこからきたのか 知 し らなかったので、( 水 みず をくんだ 僕 しもべ たちは 知 し っていた) 花婿 はなむこ を 呼 よ んで 言 い った、「どんな 人 ひと でも、 初 はじ めによいぶどう 酒 しゅ を 出 だ して、 酔 よ いがまわったころにわるいのを 出 だ すものだ。それだのに、あなたはよいぶどう 酒 しゅ を 今 いま までとっておかれました」。 イエスは、この 最初 さいしょ のしるしをガリラヤのカナで 行 おこな い、その 栄光 えいこう を 現 あらわ された。そして 弟子 でし たちはイエスを 信 しん じた。
”過越 すぎこし の 祭 まつり の 間 あいだ 、イエスがエルサレムに 滞在 たいざい しておられたとき、 多 おお くの 人々 ひとびと は、その 行 おこな われたしるしを 見 み て、イエスの 名 な を 信 しん じた。
”この 人 ひと が 夜 よる イエスのもとにきて 言 い った、「 先生 せんせい 、わたしたちはあなたが 神 かみ からこられた 教師 きょうし であることを 知 し っています。 神 かみ がご 一緒 いっしょ でないなら、あなたがなさっておられるようなしるしは、だれにもできはしません」。
”イエスは、またガリラヤのカナに 行 い かれた。そこは、かつて 水 みず をぶどう 酒 しゅ にかえられた 所 ところ である。ところが、 病気 びょうき をしているむすこを 持 も つある 役人 やくにん がカペナウムにいた。 この 人 ひと が、ユダヤからガリラヤにイエスのきておられることを 聞 き き、みもとにきて、カペナウムに 下 くだ って、 彼 かれ の 子 こ をなおしていただきたいと、 願 ねが った。その 子 こ が 死 し にかかっていたからである。 そこで、イエスは 彼 かれ に 言 い われた、「あなたがたは、しるしと 奇跡 きせき とを 見 み ない 限 かぎ り、 決 けっ して 信 しん じないだろう」。 この 役人 やくにん はイエスに 言 い った、「 主 しゅ よ、どうぞ、 子供 こども が 死 し なないうちにきて 下 くだ さい」。 イエスは 彼 かれ に 言 い われた、「お 帰 かえ りなさい。あなたのむすこは 助 たす かるのだ」。 彼 かれ は 自分 じぶん に 言 い われたイエスの 言葉 ことば を 信 しん じて 帰 かえ って 行 い った。 その 下 くだ って 行 い く 途中 とちゅう 、 僕 しもべ たちが 彼 かれ に 出会 であ い、その 子 こ が 助 たす かったことを 告 つ げた。 そこで、 彼 かれ は 僕 しもべ たちに、そのなおりはじめた 時刻 じこく を 尋 たず ねてみたら、「きのうの 午後 ごご 一 時 じ に 熱 ねつ が 引 ひ きました」と 答 こた えた。 それは、イエスが「あなたのむすこは 助 たす かるのだ」と 言 い われたのと 同 おな じ 時刻 じこく であったことを、この 父 ちち は 知 し って、 彼 かれ 自身 じしん もその 家族 かぞく 一同 いちどう も 信 しん じた。
”エルサレムにある 羊 ひつじ の 門 もん のそばに、ヘブル 語 ご でベテスダと 呼 よ ばれる 池 いけ があった。そこには五つの 廊 ろう があった。 その 廊 ろう の 中 なか には、 病人 びょうにん 、 盲人 もうじん 、 足 あし なえ、やせ 衰 おとろ えた 者 もの などが、 大 おお ぜいからだを 横 よこ たえていた。〔 彼 かれ らは 水 みず の 動 うご くのを 待 ま っていたのである。 それは、 時々 ときどき 、 主 しゅ の 御使 みつかい がこの 池 いけ に 降 お りてきて 水 みず を 動 うご かすことがあるが、 水 みず が 動 うご いた 時 とき まっ 先 さき にはいる 者 もの は、どんな 病気 びょうき にかかっていても、いやされたからである。〕 さて、そこに三十八 年 ねん のあいだ、 病気 びょうき に 悩 なや んでいる 人 ひと があった。 イエスはその 人 ひと が 横 よこ になっているのを 見 み 、また 長 なが い 間 あいだ わずらっていたのを 知 し って、その 人 ひと に「なおりたいのか」と 言 い われた。 この 病人 びょうにん はイエスに 答 こた えた、「 主 しゅ よ、 水 みず が 動 うご く 時 とき に、わたしを 池 いけ の 中 なか に 入 い れてくれる 人 ひと がいません。わたしがはいりかけると、ほかの 人 ひと が 先 さき に 降 お りて 行 い くのです」。 イエスは 彼 かれ に 言 い われた、「 起 お きて、あなたの 床 とこ を 取 と りあげ、そして 歩 ある きなさい」。 すると、この 人 ひと はすぐにいやされ、 床 とこ をとりあげて 歩 ある いて 行 い った。その 日 ひ は 安息日 あんそくにち であった。
”すると、 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう がイエスについてきた。 病人 びょうにん たちになさっていたしるしを 見 み たからである。
”イエスは 目 め をあげ、 大 おお ぜいの 群衆 ぐんしゅう が 自分 じぶん の 方 ほう に 集 あつ まって 来 く るのを 見 み て、ピリポに 言 い われた、「どこからパンを 買 か ってきて、この 人々 ひとびと に 食 た べさせようか」。 これはピリポをためそうとして 言 い われたのであって、ご 自分 じぶん ではしようとすることを、よくご 承知 しょうち であった。 すると、ピリポはイエスに 答 こた えた、「二百デナリのパンがあっても、めいめいが 少 すこ しずついただくにも 足 た りますまい」。 弟子 でし のひとり、シモン・ペテロの 兄弟 きょうだい アンデレがイエスに 言 い った、 「ここに、 大麦 おおむぎ のパン五つと、さかな二ひきとを 持 も っている 子供 こども がいます。しかし、こんなに 大 おお ぜいの 人 ひと では、それが 何 なに になりましょう」。 イエスは「 人々 ひとびと をすわらせなさい」と 言 い われた。その 場所 ばしょ には 草 くさ が 多 おお かった。そこにすわった 男 おとこ の 数 かず は五千 人 にん ほどであった。 そこで、イエスはパンを 取 と り、 感謝 かんしゃ してから、すわっている 人々 ひとびと に 分 わ け 与 あた え、また、さかなをも 同様 どうよう にして、 彼 かれ らの 望 のぞ むだけ 分 わ け 与 あた えられた。 人々 ひとびと がじゅうぶんに 食 た べたのち、イエスは 弟子 でし たちに 言 い われた、「 少 すこ しでもむだにならないように、パンくずのあまりを 集 あつ めなさい」。 そこで 彼 かれ らが 集 あつ めると、五つの 大麦 おおむぎ のパンを 食 た べて 残 のこ ったパンくずは、十二のかごにいっぱいになった。 人々 ひとびと はイエスのなさったこのしるしを 見 み て、「ほんとうに、この 人 ひと こそ 世 よ にきたるべき 預言者 よげんしゃ である」と 言 い った。
”四、五十 丁 ちょう こぎ 出 だ したとき、イエスが 海 うみ の 上 うえ を 歩 ある いて 舟 ふね に 近 ちか づいてこられるのを 見 み て、 彼 かれ らは 恐 おそ れた。 すると、イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「わたしだ、 恐 おそ れることはない」。 そこで、 彼 かれ らは 喜 よろこ んでイエスを 舟 ふね に 迎 むか えようとした。すると 舟 ふね は、すぐ、 彼 かれ らが 行 い こうとしていた 地 ち に 着 つ いた。
”そこで 彼 かれ らは 石 いし をとって、イエスに 投 な げつけようとした。しかし、イエスは 身 み を 隠 かく して、 宮 みや から 出 で て 行 い かれた。
”イエスが 道 みち をとおっておられるとき、 生 うま れつきの 盲人 もうじん を 見 み られた。 弟子 でし たちはイエスに 尋 たず ねて 言 い った、「 先生 せんせい 、この 人 ひと が 生 うま れつき 盲人 もうじん なのは、だれが 罪 つみ を 犯 おか したためですか。 本人 ほんにん ですか、それともその 両親 りょうしん ですか」。 イエスは 答 こた えられた、「 本人 ほんにん が 罪 つみ を 犯 おか したのでもなく、また、その 両親 りょうしん が 犯 おか したのでもない。ただ 神 かみ のみわざが、 彼 かれ の 上 うえ に 現 あらわ れるためである。 わたしたちは、わたしをつかわされたかたのわざを、 昼 ひる の 間 あいだ にしなければならない。 夜 よる が 来 く る。すると、だれも 働 はたら けなくなる。 わたしは、この 世 よ にいる 間 あいだ は、 世 よ の 光 ひかり である」。 イエスはそう 言 い って、 地 ち につばきをし、そのつばきで、どろをつくり、そのどろを 盲人 もうじん の 目 め に 塗 ぬ って 言 い われた、 「シロアム(つかわされた 者 もの 、の 意 い)の 池 いけ に 行 い って 洗 あら いなさい」。そこで 彼 かれ は 行 い って 洗 あら った。そして 見 み えるようになって、 帰 かえ って 行 い った。 近所 きんじょ の 人々 ひとびと や、 彼 かれ がもと、こじきであったのを 見知 みし っていた 人々 ひとびと が 言 い った、「この 人 ひと は、すわってこじきをしていた 者 もの ではないか」。
”生 うま れつき 盲 めくら であった 者 もの の 目 め をあけた 人 ひと があるということは、 世界 せかい が 始 はじ まって 以来 いらい 、 聞 き いたことがありません。 もしあのかたが 神 かみ からきた 人 ひと でなかったら、 何一 なにひと つできなかったはずです」。
”イエスは 言 い われた、「 石 いし を 取 と りのけなさい」。 死 し んだラザロの 姉妹 しまい マルタが 言 い った、「 主 しゅ よ、もう 臭 くさ くなっております。四 日 か もたっていますから」。 イエスは 彼女 かのじょ に 言 い われた、「もし 信 しん じるなら 神 かみ の 栄光 えいこう を 見 み るであろうと、あなたに 言 い ったではないか」。 人々 ひとびと は 石 いし を 取 と りのけた。すると、イエスは 目 め を 天 てん にむけて 言 い われた、「 父 ちち よ、わたしの 願 ねが いをお 聞 き き 下 くだ さったことを 感謝 かんしゃ します。 あなたがいつでもわたしの 願 ねが いを 聞 き きいれて 下 くだ さることを、よく 知 し っています。しかし、こう 申 もう しますのは、そばに 立 た っている 人々 ひとびと に、あなたがわたしをつかわされたことを、 信 しん じさせるためであります」。 こう 言 い いながら、 大声 おおごえ で「ラザロよ、 出 で てきなさい」と 呼 よ ばわれた。 すると、 死人 しにん は 手足 てあし を 布 ぬの でまかれ、 顔 かお も 顔 かお おおいで 包 つつ まれたまま、 出 で てきた。イエスは 人々 ひとびと に 言 い われた、「 彼 かれ をほどいてやって、 帰 かえ らせなさい」。
”そこで、 祭司長 さいしちょう たちとパリサイ 人 びと たちとは、 議会 ぎかい を 召集 しょうしゅう して 言 い った、「この 人 ひと が 多 おお くのしるしを 行 おこな っているのに、お 互 たがい は 何 なに をしているのだ。
”このように 多 おお くのしるしを 彼 かれ らの 前 まえ でなさったが、 彼 かれ らはイエスを 信 しん じなかった。
”わたしが 父 ちち におり、 父 ちち がわたしにおられることを 信 しん じなさい。もしそれが 信 しん じられないならば、わざそのものによって 信 しん じなさい。 よくよくあなたがたに 言 い っておく。わたしを 信 しん じる 者 もの は、またわたしのしているわざをするであろう。そればかりか、もっと 大 おお きいわざをするであろう。わたしが 父 ちち のみもとに 行 い くからである。
”わたしの 名 な によって 願 ねが うことは、なんでもかなえてあげよう。 父 ちち が 子 こ によって 栄光 えいこう をお 受 う けになるためである。 何事 なにごと でもわたしの 名 な によって 願 ねが うならば、わたしはそれをかなえてあげよう。
”あなたがたがわたしにつながっており、わたしの 言葉 ことば があなたがたにとどまっているならば、なんでも 望 のぞ むものを 求 もと めるがよい。そうすれば、 与 あた えられるであろう。
”その 日 ひ 、すなわち、一 週 しゅう の 初 はじ めの 日 ひ の 夕方 ゆうがた 、 弟子 でし たちはユダヤ 人 じん をおそれて、 自分 じぶん たちのおる 所 ところ の 戸 と をみなしめていると、イエスがはいってきて、 彼 かれ らの 中 なか に 立 た ち、「 安 やす かれ」と 言 い われた。 そう 言 い って、 手 て とわきとを、 彼 かれ らにお 見 み せになった。 弟子 でし たちは 主 しゅ を 見 み て 喜 よろこ んだ。
”ほかの 弟子 でし たちが、 彼 かれ に「わたしたちは 主 しゅ にお 目 め にかかった」と 言 い うと、トマスは 彼 かれ らに 言 い った、「わたしは、その 手 て に 釘 くぎ あとを 見 み 、わたしの 指 ゆび をその 釘 くぎ あとにさし 入 い れ、また、わたしの 手 て をそのわきにさし 入 い れてみなければ、 決 けっ して 信 しん じない」。 八 日 か ののち、イエスの 弟子 でし たちはまた 家 いえ の 内 うち におり、トマスも 一緒 いっしょ にいた。 戸 と はみな 閉 と ざされていたが、イエスがはいってこられ、 中 なか に 立 た って「 安 やす かれ」と 言 い われた。 それからトマスに 言 い われた、「あなたの 指 ゆび をここにつけて、わたしの 手 て を 見 み なさい。 手 て をのばしてわたしのわきにさし 入 い れてみなさい。 信 しん じない 者 もの にならないで、 信 しん じる 者 もの になりなさい」。 トマスはイエスに 答 こた えて 言 い った、「わが 主 しゅ よ、わが 神 かみ よ」。
”イエスは、この 書 しょ に 書 か かれていないしるしを、ほかにも 多 おお く、 弟子 でし たちの 前 まえ で 行 おこな われた。
”シモン・ペテロは 彼 かれ らに「わたしは 漁 りょう に 行 い くのだ」と 言 い うと、 彼 かれ らは「わたしたちも 一緒 いっしょ に 行 い こう」と 言 い った。 彼 かれ らは 出 で て 行 い って 舟 ふね に 乗 の った。しかし、その 夜 よ はなんの 獲物 えもの もなかった。 夜 よ が 明 あ けたころ、イエスが 岸 きし に 立 た っておられた。しかし 弟子 でし たちはそれがイエスだとは 知 し らなかった。 イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「 子 こ たちよ、 何 なに か 食 た べるものがあるか」。 彼 かれ らは「ありません」と 答 こた えた。 すると、イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「 舟 ふね の 右 みぎ の 方 ほう に 網 あみ をおろして 見 み なさい。そうすれば、 何 なに かとれるだろう」。 彼 かれ らは 網 あみ をおろすと、 魚 うお が 多 おお くとれたので、それを 引 ひ き 上 あ げることができなかった。 イエスの 愛 あい しておられた 弟子 でし が、ペテロに「あれは 主 しゅ だ」と 言 い った。シモン・ペテロは 主 しゅ であると 聞 き いて、 裸 はだか になっていたため、 上着 うわぎ をまとって 海 うみ にとびこんだ。 しかし、ほかの 弟子 でし たちは 舟 ふね に 乗 の ったまま、 魚 うお のはいっている 網 あみ を 引 ひ きながら 帰 かえ って 行 い った。 陸 りく からはあまり 遠 とお くない五十 間 けん ほどの 所 ところ にいたからである。 彼 かれ らが 陸 りく に 上 のぼ って 見 み ると、 炭火 すみび がおこしてあって、その 上 うえ に 魚 うお がのせてあり、またそこにパンがあった。 イエスは 彼 かれ らに 言 い われた、「 今 いま とった 魚 うお を 少 すこ し 持 も ってきなさい」。 シモン・ペテロが 行 い って、 網 あみ を 陸 りく へ 引 ひ き 上 あ げると、百五十三びきの 大 おお きな 魚 うお でいっぱいになっていた。そんなに 多 おお かったが、 網 あみ はさけないでいた。
”ペテロはふり 返 かえ ると、イエスの 愛 あい しておられた 弟子 でし がついて 来 く るのを 見 み た。この 弟子 でし は、あの 夕食 ゆうしょく のときイエスの 胸 むね 近 ちか くに 寄 よ りかかって、「 主 しゅ よ、あなたを 裏切 うらぎ る 者 もの は、だれなのですか」と 尋 たず ねた 人 ひと である。 ペテロはこの 弟子 でし を 見 み て、イエスに 言 い った、「 主 しゅ よ、この 人 ひと はどうなのですか」。 イエスは 彼 かれ に 言 い われた、「たとい、わたしの 来 く る 時 とき まで 彼 かれ が 生 い き 残 のこ っていることを、わたしが 望 のぞ んだとしても、あなたにはなんの 係 かか わりがあるか。あなたは、わたしに 従 したが ってきなさい」。 こういうわけで、この 弟子 でし は 死 し ぬことがないといううわさが、 兄弟 きょうだい たちの 間 あいだ にひろまった。しかし、イエスは 彼 かれ が 死 し ぬことはないと 言 い われたのではなく、ただ「たとい、わたしの 来 く る 時 とき まで 彼 かれ が 生 い き 残 のこ っていることを、わたしが 望 のぞ んだとしても、あなたにはなんの 係 かか わりがあるか」と 言 い われただけである。
”イエスのなさったことは、このほかにまだ 数多 かずおお くある。もしいちいち 書 か きつけるならば、 世界 せかい もその 書 か かれた 文書 ぶんしょ を 収 おさ めきれないであろうと 思 おも う。
”イエスは 苦難 くなん を 受 う けたのち、 自分 じぶん の 生 い きていることを 数々 かずかず の 確 たし かな 証拠 しょうこ によって 示 しめ し、四十 日 にち にわたってたびたび 彼 かれ らに 現 あらわ れて、 神 かみ の 国 くに のことを 語 かた られた。
”ただ、 聖霊 せいれい があなたがたにくだる 時 とき 、あなたがたは 力 ちから を 受 う けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの 全土 ぜんど 、さらに 地 ち のはてまで、わたしの 証人 しょうにん となるであろう」。 こう 言 い い 終 おわ ると、イエスは 彼 かれ らの 見 み ている 前 まえ で 天 てん に 上 あ げられ、 雲 くも に 迎 むか えられて、その 姿 すがた が 見 み えなくなった。
”突然 とつぜん 、 激 はげ しい 風 かぜ が 吹 ふ いてきたような 音 おと が 天 てん から 起 おこ ってきて、 一同 いちどう がすわっていた 家 いえ いっぱいに 響 ひび きわたった。 また、 舌 した のようなものが、 炎 ほのお のように 分 わか れて 現 あらわ れ、ひとりびとりの 上 うえ にとどまった。 すると、 一同 いちどう は 聖霊 せいれい に 満 み たされ、 御霊 みたま が 語 かた らせるままに、いろいろの 他国 たこく の 言葉 ことば で 語 かた り 出 だ した。 さて、エルサレムには、 天下 てんか のあらゆる 国々 くにぐに から、 信仰 しんこう 深 ぶか いユダヤ 人 じん たちがきて 住 す んでいたが、 この 物音 ものおと に 大 おお ぜいの 人 ひと が 集 あつ まってきて、 彼 かれ らの 生 うま れ 故郷 こきょう の 国語 こくご で、 使徒 しと たちが 話 はな しているのを、だれもかれも 聞 き いてあっけに 取 と られた。
”『 神 かみ がこう 仰 おお せになる。 終 おわ りの 時 とき には、わたしの 霊 れい をすべての 人 ひと に 注 そそ ごう。そして、あなたがたのむすこ 娘 むすめ は 預言 よげん をし、 若者 わかもの たちは 幻 まぼろし を 見 み 、 老人 ろうじん たちは 夢 ゆめ を 見 み るであろう。 その 時 とき には、わたしの 男女 だんじょ の 僕 しもべ たちにもわたしの 霊 れい を 注 そそ ごう。そして 彼 かれ らも 預言 よげん をするであろう。 また、 上 うえ では、 天 てん に 奇跡 きせき を 見 み せ、 下 した では、 地 ち にしるしを、すなわち、 血 ち と 火 ひ と 立 た ちこめる 煙 けむり とを、 見 み せるであろう。 主 しゅ の 大 おお いなる 輝 かがや かしい 日 ひ が 来 く る 前 まえ に、 日 ひ はやみに 月 つき は 血 ち に 変 かわ るであろう。
”イスラエルの 人 ひと たちよ、 今 いま わたしの 語 かた ることを 聞 き きなさい。あなたがたがよく 知 し っているとおり、ナザレ 人 びと イエスは、 神 かみ が 彼 かれ をとおして、あなたがたの 中 なか で 行 おこな われた 数々 かずかず の 力 ちから あるわざと 奇跡 きせき としるしとにより、 神 かみ からつかわされた 者 もの であることを、あなたがたに 示 しめ されたかたであった。
”みんなの 者 もの におそれの 念 ねん が 生 しょう じ、 多 おお くの 奇跡 きせき としるしとが、 使徒 しと たちによって、 次々 つぎつぎ に 行 おこな われた。
”生 うま れながら 足 あし のきかない 男 おとこ が、かかえられてきた。この 男 おとこ は、 宮 みや もうでに 来 く る 人々 ひとびと に 施 ほどこ しをこうため、 毎日 まいにち 、「 美 うつく しの 門 もん 」と 呼 よ ばれる 宮 みや の 門 もん のところに、 置 お かれていた 者 もの である。 彼 かれ は、ペテロとヨハネとが、 宮 みや にはいって 行 い こうとしているのを 見 み て、 施 ほどこ しをこうた。 ペテロとヨハネとは 彼 かれ をじっと 見 み て、「わたしたちを 見 み なさい」と 言 い った。 彼 かれ は 何 なに かもらえるのだろうと 期待 きたい して、ふたりに 注目 ちゅうもく していると、 ペテロが 言 い った、「 金銀 きんぎん はわたしには 無 な い。しかし、わたしにあるものをあげよう。ナザレ 人 びと イエス・キリストの 名 な によって 歩 ある きなさい」。 こう 言 い って 彼 かれ の 右手 みぎて を 取 と って 起 おこ してやると、 足 あし と、くるぶしとが、 立 た ちどころに 強 つよ くなって、 踊 おど りあがって 立 た ち、 歩 ある き 出 だ した。そして、 歩 ある き 回 まわ ったり 踊 おど ったりして 神 かみ をさんびしながら、 彼 かれ らと 共 とも に 宮 みや にはいって 行 い った。 民衆 みんしゅう はみな、 彼 かれ が 歩 ある き 回 まわ り、また 神 かみ をさんびしているのを 見 み 、 これが 宮 みや の「 美 うつく しの 門 もん 」のそばにすわって、 施 ほどこ しをこうていた 者 もの であると 知 し り、 彼 かれ の 身 み に 起 おこ ったことについて、 驚 おどろ き 怪 あや しんだ。 彼 かれ がなおもペテロとヨハネとにつきまとっているとき、 人々 ひとびと は 皆 みな ひどく 驚 おどろ いて、「ソロモンの 廊 ろう 」と 呼 よ ばれる 柱廊 ちゅうろう にいた 彼 かれ らのところに 駆 か け 集 あつ まってきた。
”ペテロはこれを 見 み て、 人々 ひとびと にむかって 言 い った、「イスラエルの 人 ひと たちよ、なぜこの 事 こと を 不思議 ふしぎ に 思 おも うのか。また、わたしたちが 自分 じぶん の 力 ちから や 信心 しんじん で、あの 人 ひと を 歩 ある かせたかのように、なぜわたしたちを 見 み つめているのか。
”そして、イエスの 名 な が、それを 信 しん じる 信仰 しんこう のゆえに、あなたがたのいま 見 み て 知 し っているこの 人 ひと を、 強 つよ くしたのであり、イエスによる 信仰 しんこう が、 彼 かれ をあなたがた 一同 いちどう の 前 まえ で、このとおり 完全 かんぜん にいやしたのである。
”人々 ひとびと はペテロとヨハネとの 大胆 だいたん な 話 はな しぶりを 見 み 、また 同時 どうじ に、ふたりが 無学 むがく な、ただの 人 ひと たちであることを 知 し って、 不思議 ふしぎ に 思 おも った。そして 彼 かれ らがイエスと 共 とも にいた 者 もの であることを 認 みと め、 かつ、 彼 かれ らにいやされた 者 もの がそのそばに 立 た っているのを 見 み ては、まったく 返 かえ す 言葉 ことば がなかった。 そこで、ふたりに 議会 ぎかい から 退場 たいじょう するように 命 めい じてから、 互 たがい に 協議 きょうぎ をつづけて 言 い った、「あの 人 ひと たちを、どうしたらよかろうか。 彼 かれ らによって 著 いちじる しいしるしが 行 おこな われたことは、エルサレムの 住民 じゅうみん 全体 ぜんたい に 知 し れわたっているので、 否定 ひてい しようもない。
”主 しゅ よ、いま、 彼 かれ らの 脅迫 きょうはく に 目 め をとめ、 僕 しもべ たちに、 思 おも い 切 き って 大胆 だいたん に 御言葉 みことば を 語 かた らせて 下 くだ さい。 そしてみ 手 て を 伸 の ばしていやしをなし、 聖 せい なる 僕 しもべ イエスの 名 な によって、しるしと 奇跡 きせき とを 行 おこな わせて 下 くだ さい」。 彼 かれ らが 祈 いの り 終 お えると、その 集 あつ まっていた 場所 ばしょ が 揺 ゆ れ 動 うご き、 一同 いちどう は 聖霊 せいれい に 満 み たされて、 大胆 だいたん に 神 かみ の 言 ことば を 語 かた り 出 だ した。
”ところが、アナニヤという 人 ひと とその 妻 つま サッピラとは 共 とも に 資産 しさん を 売 う ったが、 共謀 きょうぼう して、その 代金 だいきん をごまかし、 一部 いちぶ だけを 持 も ってきて、 使徒 しと たちの 足 あし もとに 置 お いた。 そこで、ペテロが 言 い った、「アナニヤよ、どうしてあなたは、 自分 じぶん の 心 こころ をサタンに 奪 うば われて、 聖霊 せいれい を 欺 あざむ き、 地所 じしょ の 代金 だいきん をごまかしたのか。 売 う らずに 残 のこ しておけば、あなたのものであり、 売 う ってしまっても、あなたの 自由 じゆう になったはずではないか。どうして、こんなことをする 気 き になったのか。あなたは 人 ひと を 欺 あざむ いたのではなくて、 神 かみ を 欺 あざむ いたのだ」。 アナニヤはこの 言葉 ことば を 聞 き いているうちに、 倒 たお れて 息 いき が 絶 た えた。このことを 伝 つた え 聞 き いた 人々 ひとびと は、みな 非常 ひじょう なおそれを 感 かん じた。 それから、 若者 わかもの たちが 立 た って、その 死体 したい を 包 つつ み、 運 はこ び 出 だ して 葬 ほうむ った。 三 時間 じかん ばかりたってから、たまたま 彼 かれ の 妻 つま が、この 出来事 できごと を 知 し らずに、はいってきた。 そこで、ペテロが 彼女 かのじょ にむかって 言 い った、「あの 地所 じしょ は、これこれの 値段 ねだん で 売 う ったのか。そのとおりか」。 彼女 かのじょ は「そうです、その 値段 ねだん です」と 答 こた えた。 ペテロは 言 い った、「あなたがたふたりが、 心 こころ を 合 あ わせて 主 しゅ の 御霊 みたま を 試 こころ みるとは、 何事 なにごと であるか。 見 み よ、あなたの 夫 おっと を 葬 ほうむ った 人 ひと たちの 足 あし が、そこの 門口 かどぐち にきている。あなたも 運 はこ び 出 だ されるであろう」。 すると 女 おんな は、たちまち 彼 かれ の 足 あし もとに 倒 たお れて、 息 いき が 絶 た えた。そこに 若者 わかもの たちがはいってきて、 女 おんな が 死 し んでしまっているのを 見 み 、それを 運 はこ び 出 だ してその 夫 おっと のそばに 葬 ほうむ った。 教会 きょうかい 全体 ぜんたい ならびにこれを 伝 つた え 聞 き いた 人 ひと たちは、みな 非常 ひじょう なおそれを 感 かん じた。
”そのころ、 多 おお くのしるしと 奇跡 きせき とが、 次々 つぎつぎ に 使徒 しと たちの 手 て により 人々 ひとびと の 中 なか で 行 おこな われた。そして、 一同 いちどう は 心 こころ を一つにして、ソロモンの 廊 ろう に 集 あつ まっていた。 ほかの 者 もの たちは、だれひとり、その 交 まじ わりに 入 い ろうとはしなかったが、 民衆 みんしゅう は 彼 かれ らを 尊敬 そんけい していた。 しかし、 主 しゅ を 信 しん じて 仲間 なかま に 加 くわ わる 者 もの が、 男女 だんじょ とも、ますます 多 おお くなってきた。 ついには、 病人 びょうにん を 大通 おおどお りに 運 はこ び 出 だ し、 寝台 しんだい や 寝床 ねどこ の 上 うえ に 置 お いて、ペテロが 通 とお るとき、 彼 かれ の 影 かげ なりと、そのうちのだれかにかかるようにしたほどであった。 またエルサレム 附近 ふきん の 町々 まちまち からも、 大 おお ぜいの 人 ひと が、 病人 びょうにん や 汚 けが れた 霊 れい に 苦 くる しめられている 人 ひと たちを 引 ひ き 連 つ れて、 集 あつ まってきたが、その 全部 ぜんぶ の 者 もの が、ひとり 残 のこ らずいやされた。
”ところが 夜 よる 、 主 しゅ の 使 つかい が 獄 ごく の 戸 と を 開 ひら き、 彼 かれ らを 連 つ れ 出 だ して 言 い った、 「さあ 行 い きなさい。そして、 宮 みや の 庭 にわ に 立 た ち、この 命 いのち の 言葉 ことば を 漏 も れなく、 人々 ひとびと に 語 かた りなさい」。 彼 かれ らはこれを 聞 き き、 夜明 よあ けごろ 宮 みや にはいって 教 おし えはじめた。 一方 いっぽう では、 大祭司 だいさいし とその 仲間 なかま の 者 もの とが、 集 あつ まってきて、 議会 ぎかい とイスラエル 人 びと の 長老 ちょうろう 一同 いちどう とを 召集 しょうしゅう し、 使徒 しと たちを 引 ひ き 出 だ してこさせるために、 人 ひと を 獄 ごく につかわした。 そこで、 下役 したやく どもが 行 い って 見 み ると、 使徒 しと たちが 獄 ごく にいないので、 引 ひ き 返 かえ して 報告 ほうこく した、 「 獄 ごく には、しっかりと 錠 じょう がかけてあり、 戸口 とぐち には、 番人 ばんにん が 立 た っていました。ところが、あけて 見 み たら、 中 なか にはだれもいませんでした」。 宮守 みやもり がしらと 祭司長 さいしちょう たちとは、この 報告 ほうこく を 聞 き いて、これは、いったい、どんな 事 こと になるのだろうと、あわて 惑 まど っていた。 そこへ、ある 人 ひと がきて 知 し らせた、「 行 い ってごらんなさい。あなたがたが 獄 ごく に 入 い れたあの 人 ひと たちが、 宮 みや の 庭 にわ に 立 た って、 民衆 みんしゅう を 教 おし えています」。
”さて、ステパノは 恵 めぐ みと 力 ちから とに 満 み ちて、 民衆 みんしゅう の 中 なか で、めざましい 奇跡 きせき としるしとを 行 おこな っていた。
”議会 ぎかい で 席 せき についていた 人 ひと たちは 皆 みな 、ステパノに 目 め を 注 そそ いだが、 彼 かれ の 顔 かお は、ちょうど 天使 てんし の 顔 かお のように 見 み えた。
”四十 年 ねん たった 時 とき 、シナイ 山 ざん の 荒野 あらの において、 御使 みつかい が 柴 しば の 燃 も える 炎 ほのお の 中 なか でモーセに 現 あらわ れた。
”この 人 ひと が、 人々 ひとびと を 導 みちび き 出 だ して、エジプトの 地 ち においても、 紅海 こうかい においても、また四十 年 ねん のあいだ 荒野 あらの においても、 奇跡 きせき としるしとを 行 おこな ったのである。
”群衆 ぐんしゅう はピリポの 話 はなし を 聞 き き、その 行 おこな っていたしるしを 見 み て、こぞって 彼 かれ の 語 かた ることに 耳 みみ を 傾 かたむ けた。 汚 けが れた 霊 れい につかれた 多 おお くの 人々 ひとびと からは、その 霊 れい が 大声 おおごえ でわめきながら 出 で て 行 い くし、また、 多 おお くの 中風 ちゅうぶ をわずらっている 者 もの や、 足 あし のきかない 者 もの がいやされたからである。 それで、この 町 まち では 人々 ひとびと が、 大変 たいへん なよろこびかたであった。
”シモン 自身 じしん も 信 しん じて、バプテスマを 受 う け、それから、 引 ひ きつづきピリポについて 行 い った。そして、 数々 かずかず のしるしやめざましい 奇跡 きせき が 行 おこな われるのを 見 み て、 驚 おどろ いていた。
”ふたりが 水 みず から 上 あ がると、 主 しゅ の 霊 れい がピリポをさらって 行 い ったので、 宦官 かんがん はもう 彼 かれ を 見 み ることができなかった。 宦官 かんがん はよろこびながら 旅 たび をつづけた。 その 後 のち 、ピリポはアゾトに 姿 すがた をあらわして、 町々 まちまち をめぐり 歩 ある き、いたるところで 福音 ふくいん を 宣 の べ 伝 つた えて、ついにカイザリヤに 着 つ いた。
”ところが、 道 みち を 急 いそ いでダマスコの 近 ちか くにきたとき、 突然 とつぜん 、 天 てん から 光 ひかり がさして、 彼 かれ をめぐり 照 てら した。 彼 かれ は 地 ち に 倒 たお れたが、その 時 とき 「サウロ、サウロ、なぜわたしを 迫害 はくがい するのか」と 呼 よ びかける 声 こえ を 聞 き いた。 そこで 彼 かれ は「 主 しゅ よ、あなたは、どなたですか」と 尋 たず ねた。すると 答 こたえ があった、「わたしは、あなたが 迫害 はくがい しているイエスである。 さあ 立 た って、 町 まち にはいって 行 い きなさい。そうすれば、そこであなたのなすべき 事 こと が 告 つ げられるであろう」。 サウロの 同行者 どうこうしゃ たちは 物 もの も 言 い えずに 立 た っていて、 声 こえ だけは 聞 きこ えたが、だれも 見 み えなかった。 サウロは 地 ち から 起 お き 上 あ がって 目 め を 開 ひら いてみたが、 何 なに も 見 み えなかった。そこで 人々 ひとびと は、 彼 かれ の 手 て を 引 ひ いてダマスコへ 連 つ れて 行 い った。 彼 かれ は三 日間 かかん 、 目 め が 見 み えず、また 食 た べることも 飲 の むこともしなかった。
”そこでアナニヤは、 出 で かけて 行 い ってその 家 いえ にはいり、 手 て をサウロの 上 うえ において 言 い った、「 兄弟 きょうだい サウロよ、あなたが 来 く る 途中 とちゅう で 現 あらわ れた 主 しゅ イエスは、あなたが 再 ふたた び 見 み えるようになるため、そして 聖霊 せいれい に 満 み たされるために、わたしをここにおつかわしになったのです」。 するとたちどころに、サウロの 目 め から、うろこのようなものが 落 お ちて、 元 もと どおり 見 み えるようになった。そこで 彼 かれ は 立 た ってバプテスマを 受 う け、
”そして、そこで、八 年間 ねんかん も 床 とこ についているアイネヤという 人 ひと に 会 あ った。この 人 ひと は 中風 ちゅうぶ であった。 ペテロが 彼 かれ に 言 い った、「アイネヤよ、イエス・キリストがあなたをいやして 下 くだ さるのだ。 起 お きなさい。そして 床 とこ を 取 と りあげなさい」。すると、 彼 かれ はただちに 起 お きあがった。 ルダとサロンに 住 す む 人 ひと たちは、みなそれを 見 み て、 主 しゅ に 帰依 きえ した。
”ところが、そのころ 病気 びょうき になって 死 し んだので、 人々 ひとびと はそのからだを 洗 あら って、 屋上 おくじょう の 間 ま に 安置 あんち した。 ルダはヨッパに 近 ちか かったので、 弟子 でし たちはペテロがルダにきていると 聞 き き、ふたりの 者 もの を 彼 かれ のもとにやって、「どうぞ、 早 はや くこちらにおいで 下 くだ さい」と 頼 たの んだ。 そこでペテロは 立 た って、ふたりの 者 もの に 連 つ れられてきた。 彼 かれ が 着 つ くとすぐ、 屋上 おくじょう の 間 ま に 案内 あんない された。すると、やもめたちがみんな 彼 かれ のそばに 寄 よ ってきて、ドルカスが 生前 せいぜん つくった 下着 したぎ や 上着 うわぎ の 数々 かずかず を、 泣 な きながら 見 み せるのであった。 ペテロはみんなの 者 もの を 外 そと に 出 だ し、ひざまずいて 祈 いの った。それから 死体 したい の 方 ほう に 向 む いて、「タビタよ、 起 お きなさい」と 言 い った。すると 彼女 かのじょ は 目 め をあけ、ペテロを 見 み て 起 お きなおった。 ペテロは 彼女 かのじょ に 手 て をかして 立 た たせた。それから、 聖徒 せいと たちや、やもめたちを 呼 よ び 入 い れて、 彼女 かのじょ が 生 い きかえっているのを 見 み せた。 このことがヨッパ 中 ちゅう に 知 し れわたり、 多 おお くの 人々 ひとびと が 主 しゅ を 信 しん じた。
”神 かみ はナザレのイエスに 聖霊 せいれい と 力 ちから とを 注 そそ がれました。このイエスは、 神 かみ が 共 とも におられるので、よい 働 はたら きをしながら、また 悪魔 あくま に 押 おさ えつけられている 人々 ひとびと をことごとくいやしながら、 巡回 じゅんかい されました。
”ヘロデはペテロを 捕 とら えて 獄 ごく に 投 とう じ、四 人 にん 一 組 くみ の 兵卒 へいそつ 四 組 くみ に 引 ひ き 渡 わた して、 見張 みは りをさせておいた。 過越 すぎこし の 祭 まつり のあとで、 彼 かれ を 民衆 みんしゅう の 前 まえ に 引 ひ き 出 だ すつもりであったのである。 こうして、ペテロは 獄 ごく に 入 い れられていた。 教会 きょうかい では、 彼 かれ のために 熱心 ねっしん な 祈 いのり が 神 かみ にささげられた。 ヘロデが 彼 かれ を 引 ひ き 出 だ そうとしていたその 夜 よる 、ペテロは 二重 にじゅう の 鎖 くさり につながれ、ふたりの 兵卒 へいそつ の 間 あいだ に 置 お かれて 眠 ねむ っていた。 番兵 ばんぺい たちは 戸口 とぐち で 獄 ごく を 見張 みは っていた。 すると、 突然 とつぜん 、 主 しゅ の 使 つかい がそばに 立 た ち、 光 ひかり が 獄内 ごくない を 照 てら した。そして 御使 みつかい はペテロのわき 腹 ばら をつついて 起 おこ し、「 早 はや く 起 お きあがりなさい」と 言 い った。すると 鎖 くさり が 彼 かれ の 両手 りょうて から、はずれ 落 お ちた。 御使 みつかい が「 帯 おび をしめ、くつをはきなさい」と 言 い ったので、 彼 かれ はそのとおりにした。それから「 上着 うわぎ を 着 き て、ついてきなさい」と 言 い われたので、 ペテロはついて 出 で て 行 い った。 彼 かれ には 御使 みつかい のしわざが 現実 げんじつ のこととは 考 かんが えられず、ただ 幻 まぼろし を 見 み ているように 思 おも われた。 彼 かれ らは 第 だい 一、 第 だい 二の 衛所 えいしょ を 通 とお りすぎて、 町 まち に 抜 ぬ ける 鉄 てつ 門 もん のところに 来 く ると、それがひとりでに 開 ひら いたので、そこを 出 で て一つの 通路 つうろ に 進 すす んだとたんに、 御使 みつかい は 彼 かれ を 離 はな れ 去 さ った。 その 時 とき ペテロはわれにかえって 言 い った、「 今 いま はじめて、ほんとうのことがわかった。 主 しゅ が 御使 みつかい をつかわして、ヘロデの 手 て から、またユダヤ 人 じん たちの 待 ま ちもうけていたあらゆる 災 わざわい から、わたしを 救 すく い 出 だ して 下 くだ さったのだ」。
”ところが 魔術 まじゅつ 師 し エルマ( 彼 かれ の 名 な は「 魔術 まじゅつ 師 し 」との 意 い)は、 総督 そうとく を 信仰 しんこう からそらそうとして、しきりにふたりの 邪魔 じゃま をした。 サウロ、またの 名 な はパウロ、は 聖霊 せいれい に 満 み たされ、 彼 かれ をにらみつけて 言 い った、「ああ、あらゆる 偽 いつわ りと 邪悪 じゃあく とでかたまっている 悪魔 あくま の 子 こ よ、すべて 正 ただ しいものの 敵 てき よ。 主 しゅ のまっすぐな 道 みち を 曲 ま げることを 止 や めないのか。 見 み よ、 主 しゅ のみ 手 て がおまえの 上 うえ に 及 およ んでいる。おまえは 盲 めくら になって、 当分 とうぶん 、 日 ひ の 光 ひかり が 見 み えなくなるのだ」。たちまち、かすみとやみとが 彼 かれ にかかったため、 彼 かれ は 手 て さぐりしながら、 手 て を 引 ひ いてくれる 人 ひと を 捜 さが しまわった。 総督 そうとく はこの 出来事 できごと を 見 み て、 主 しゅ の 教 おしえ にすっかり 驚 おどろ き、そして 信 しん じた。
”それにもかかわらず、ふたりは 長 なが い 期間 きかん をそこで 過 す ごして、 大胆 だいたん に 主 しゅ のことを 語 かた った。 主 しゅ は、 彼 かれ らの 手 て によってしるしと 奇跡 きせき とを 行 おこな わせ、そのめぐみの 言葉 ことば をあかしされた。
”ところが、ルステラに 足 あし のきかない 人 ひと が、すわっていた。 彼 かれ は 生 うま れながらの 足 あし なえで、 歩 ある いた 経験 けいけん が 全 まった くなかった。 この 人 ひと がパウロの 語 かた るのを 聞 き いていたが、パウロは 彼 かれ をじっと 見 み て、いやされるほどの 信仰 しんこう が 彼 かれ にあるのを 認 みと め、 大声 おおごえ で「 自分 じぶん の 足 あし で、まっすぐに 立 た ちなさい」と 言 い った。すると 彼 かれ は 踊 おど り 上 あ がって 歩 ある き 出 だ した。
”すると、 全 ぜん 会衆 かいしゅう は 黙 だま ってしまった。それから、バルナバとパウロとが、 彼 かれ らをとおして 異邦人 いほうじん の 間 あいだ に 神 かみ が 行 おこな われた 数々 かずかず のしるしと 奇跡 きせき のことを、 説明 せつめい するのを 聞 き いた。
”真夜中 まよなか ごろ、パウロとシラスとは、 神 かみ に 祈 いの り、さんびを 歌 うた いつづけたが、 囚人 しゅうじん たちは 耳 みみ をすまして 聞 き きいっていた。 ところが 突然 とつぜん 、 大 おお 地震 じしん が 起 おこ って、 獄 ごく の 土台 どだい が 揺 ゆ れ 動 うご き、 戸 と は 全部 ぜんぶ たちまち 開 ひら いて、みんなの 者 もの の 鎖 くさり が 解 と けてしまった。 獄吏 ごくり は 目 め をさまし、 獄 ごく の 戸 と が 開 ひら いてしまっているのを 見 み て、 囚人 しゅうじん たちが 逃 に げ 出 だ したものと 思 おも い、つるぎを 抜 ぬ いて 自殺 じさつ しかけた。
”神 かみ は、パウロの 手 て によって、 異常 いじょう な 力 ちから あるわざを 次々 つぎつぎ になされた。 たとえば、 人々 ひとびと が、 彼 かれ の 身 み につけている 手 て ぬぐいや 前掛 まえか けを 取 と って 病人 びょうにん にあてると、その 病気 びょうき が 除 のぞ かれ、 悪霊 あくれい が 出 で て 行 い くのであった。
”ユテコという 若者 わかもの が 窓 まど に 腰 こし をかけていたところ、パウロの 話 はなし がながながと 続 つづ くので、ひどく 眠 ねむ けがさしてきて、とうとうぐっすり 寝入 ねい ってしまい、三 階 かい から 下 した に 落 お ちた。 抱 いだ き 起 おこ してみたら、もう 死 し んでいた。 そこでパウロは 降 お りてきて、 若者 わかもの の 上 うえ に 身 み をかがめ、 彼 かれ を 抱 いだ きあげて、「 騒 さわ ぐことはない。まだ 命 いのち がある」と 言 い った。 そして、また 上 あ がって 行 い って、パンをさいて 食 た べてから、 明 あ けがたまで 長 なが いあいだ 人々 ひとびと と 語 かた り 合 あ って、ついに 出発 しゅっぱつ した。 人々 ひとびと は 生 い きかえった 若者 わかもの を 連 つ れかえり、ひとかたならず 慰 なぐさ められた。
”そのとき、パウロはひとかかえの 柴 しば をたばねて 火 ひ にくべたところ、 熱気 ねっき のためにまむしが 出 で てきて、 彼 かれ の 手 て にかみついた。 土地 とち の 人々 ひとびと は、この 生 い きものがパウロの 手 て からぶら 下 さ がっているのを 見 み て、 互 たがい に 言 い った、「この 人 ひと は、きっと 人殺 ひとごろ しに 違 ちが いない。 海 うみ からはのがれたが、ディケーの 神様 かみさま が 彼 かれ を 生 い かしてはおかないのだ」。 ところがパウロは、まむしを 火 ひ の 中 なか に 振 ふ り 落 おと して、なんの 害 がい も 被 こうむ らなかった。 彼 かれ らは、 彼 かれ が 間 ま もなくはれ 上 あ がるか、あるいは、たちまち 倒 たお れて 死 し ぬだろうと、 様子 ようす をうかがっていた。しかし、 長 なが い 間 あいだ うかがっていても、 彼 かれ の 身 み になんの 変 かわ ったことも 起 おこ らないのを 見 み て、 彼 かれ らは 考 かんが えを 変 か えて、「この 人 ひと は 神様 かみさま だ」と 言 い い 出 だ した。
”さて、その 場所 ばしょ の 近 ちか くに、 島 しま の 首長 しゅちょう 、ポプリオという 人 ひと の 所有 しょゆう 地 ち があった。 彼 かれ は、そこにわたしたちを 招待 しょうたい して、三 日 か のあいだ 親切 しんせつ にもてなしてくれた。 たまたま、ポプリオの 父 ちち が 赤痢 せきり をわずらい、 高熱 こうねつ で 床 とこ についていた。そこでパウロは、その 人 ひと のところにはいって 行 い って 祈 いの り、 手 て を 彼 かれ の 上 うえ においていやしてやった。 このことがあってから、ほかに 病気 びょうき をしている 島 しま の 人 ひと たちが、ぞくぞくとやってきて、みないやされた。
”したがって、 信仰 しんこう は 聞 き くことによるのであり、 聞 き くことはキリストの 言葉 ことば から 来 く るのである。
”しるしと 不思議 ふしぎ との 力 ちから 、 聖霊 せいれい の 力 ちから によって、 働 はたら かせて 下 くだ さったことの 外 ほか には、あえて 何 なに も 語 かた ろうとは 思 おも わない。こうして、わたしはエルサレムから 始 はじ まり、 巡 めぐ りめぐってイルリコに 至 いた るまで、キリストの 福音 ふくいん を 満 み たしてきた。
”ユダヤ 人 じん はしるしを 請 こ い、ギリシヤ 人 じん は 知恵 ちえ を 求 もと める。 しかしわたしたちは、 十字架 じゅうじか につけられたキリストを 宣 の べ 伝 つた える。このキリストは、ユダヤ 人 じん にはつまずかせるもの、 異邦人 いほうじん には 愚 おろ かなものであるが、 召 め された 者 もの 自身 じしん にとっては、ユダヤ 人 じん にもギリシヤ 人 じん にも、 神 かみ の 力 ちから 、 神 かみ の 知恵 ちえ たるキリストなのである。
”兄弟 きょうだい たちよ。わたしもまた、あなたがたの 所 ところ に 行 い ったとき、 神 かみ のあかしを 宣 の べ 伝 つた えるのに、すぐれた 言葉 ことば や 知恵 ちえ を 用 もち いなかった。 なぜなら、わたしはイエス・キリスト、しかも 十字架 じゅうじか につけられたキリスト 以外 いがい のことは、あなたがたの 間 あいだ では 何 なに も 知 し るまいと、 決心 けっしん したからである。 わたしがあなたがたの 所 ところ に 行 い った 時 とき には、 弱 よわ くかつ 恐 おそ れ、ひどく 不安 ふあん であった。 そして、わたしの 言葉 ことば もわたしの 宣教 せんきょう も、 巧 たく みな 知恵 ちえ の 言葉 ことば によらないで、 霊 れい と 力 ちから との 証明 しょうめい によったのである。 それは、あなたがたの 信仰 しんこう が 人 ひと の 知恵 ちえ によらないで、 神 かみ の 力 ちから によるものとなるためであった。
”各自 かくじ が 御霊 みたま の 現 あらわ れを 賜 たま わっているのは、 全体 ぜんたい の 益 えき になるためである。 すなわち、ある 人 ひと には 御霊 みたま によって 知恵 ちえ の 言葉 ことば が 与 あた えられ、ほかの 人 ひと には、 同 おな じ 御霊 みたま によって 知識 ちしき の 言 ことば 、 またほかの 人 ひと には、 同 おな じ 御霊 みたま によって 信仰 しんこう 、またほかの 人 ひと には、一つの 御霊 みたま によっていやしの 賜物 たまもの 、 またほかの 人 ひと には 力 ちから あるわざ、またほかの 人 ひと には 預言 よげん 、またほかの 人 ひと には 霊 れい を 見 み わける 力 ちから 、またほかの 人 ひと には 種々 しゅじゅ の 異言 いげん 、またほかの 人 ひと には 異言 いげん を 解 と く 力 ちから が、 与 あた えられている。 すべてこれらのものは、一つの 同 おな じ 御霊 みたま の 働 はたら きであって、 御霊 みたま は 思 おも いのままに、それらを 各自 かくじ に 分 わ け 与 あた えられるのである。
”そして、 神 かみ は 教会 きょうかい の 中 なか で、 人々 ひとびと を 立 た てて、 第 だい 一に 使徒 しと 、 第 だい 二に 預言者 よげんしゃ 、 第 だい 三に 教師 きょうし とし、 次 つぎ に 力 ちから あるわざを 行 おこな う 者 もの 、 次 つぎ にいやしの 賜物 たまもの を 持 も つ 者 もの 、また 補助者 ほじょしゃ 、 管理者 かんりしゃ 、 種々 しゅじゅ の 異言 いげん を 語 かた る 者 もの をおかれた。 みんなが 使徒 しと だろうか。みんなが 預言者 よげんしゃ だろうか。みんなが 教師 きょうし だろうか。みんなが 力 ちから あるわざを 行 おこな う 者 もの だろうか。 みんながいやしの 賜物 たまもの を 持 も っているのだろうか。みんなが 異言 いげん を 語 かた るのだろうか。みんなが 異言 いげん を 解 と くのだろうか。 だが、あなたがたは、 更 さら に 大 おお いなる 賜物 たまもの を 得 え ようと 熱心 ねっしん に 努 つと めなさい。そこで、わたしは 最 もっと もすぐれた 道 みち をあなたがたに 示 しめ そう。
”たといわたしが、 人々 ひとびと の 言葉 ことば や 御使 みつかい たちの 言葉 ことば を 語 かた っても、もし 愛 あい がなければ、わたしは、やかましい 鐘 かね や 騒 さわ がしい 鐃鉢 にょうはち と 同 おな じである。 たといまた、わたしに 預言 よげん をする 力 ちから があり、あらゆる 奥義 おくぎ とあらゆる 知識 ちしき とに 通 つう じていても、また、 山 やま を 移 うつ すほどの 強 つよ い 信仰 しんこう があっても、もし 愛 あい がなければ、わたしは 無 む に 等 ひと しい。
”愛 あい を 追 お い 求 もと めなさい。また、 霊 れい の 賜物 たまもの を、ことに 預言 よげん することを、 熱心 ねっしん に 求 もと めなさい。 異言 いげん を 語 かた る 者 もの は、 人 ひと にむかって 語 かた るのではなく、 神 かみ にむかって 語 かた るのである。それはだれにもわからない。 彼 かれ はただ、 霊 れい によって 奥義 おくぎ を 語 かた っているだけである。 しかし 預言 よげん をする 者 もの は、 人 ひと に 語 かた ってその 徳 とく を 高 たか め、 彼 かれ を 励 はげ まし、 慰 なぐさ めるのである。 異言 いげん を 語 かた る 者 もの は 自分 じぶん だけの 徳 とく を 高 たか めるが、 預言 よげん をする 者 もの は 教会 きょうかい の 徳 とく を 高 たか める。 わたしは 実際 じっさい 、あなたがたがひとり 残 のこ らず 異言 いげん を 語 かた ることを 望 のぞ むが、 特 とく に 預言 よげん をしてもらいたい。 教会 きょうかい の 徳 とく を 高 たか めるように 異言 いげん を 解 と かない 限 かぎ り、 異言 いげん を 語 かた る 者 もの よりも、 預言 よげん をする 者 もの の 方 ほう がまさっている。 だから、 兄弟 きょうだい たちよ。たといわたしがあなたがたの 所 ところ に 行 い って 異言 いげん を 語 かた るとしても、 啓示 けいじ か 知識 ちしき か 預言 よげん か 教 おしえ かを 語 かた らなければ、あなたがたに、なんの 役 やく に 立 た つだろうか。
”このように、 異言 いげん は 信者 しんじゃ のためではなく 未信者 みしんじゃ のためのしるしであるが、 預言 よげん は 未信者 みしんじゃ のためではなく 信者 しんじゃ のためのしるしである。 もし 全 ぜん 教会 きょうかい が 一緒 いっしょ に 集 あつ まって、 全員 ぜんいん が 異言 いげん を 語 かた っているところに、 初心者 しょしんじゃ か 不信者 ふしんじゃ かがはいってきたら、 彼 かれ らはあなたがたを 気違 きちが いだと 言 い うだろう。 しかし、 全員 ぜんいん が 預言 よげん をしているところに、 不信者 ふしんじゃ か 初心者 しょしんじゃ がはいってきたら、 彼 かれ の 良心 りょうしん はみんなの 者 もの に 責 せ められ、みんなの 者 もの にさばかれ、 その 心 こころ の 秘密 ひみつ があばかれ、その 結果 けっか 、ひれ 伏 ふ して 神 かみ を 拝 おが み、「まことに、 神 かみ があなたがたのうちにいます」と 告白 こくはく するに 至 いた るであろう。
”わたしの 兄弟 きょうだい たちよ。このようなわけだから、 預言 よげん することを 熱心 ねっしん に 求 もと めなさい。また、 異言 いげん を 語 かた ることを 妨 さまた げてはならない。
”わたしは、 使徒 しと たるの 実 じつ を、しるしと 奇跡 きせき と 力 ちから あるわざとにより、 忍耐 にんたい をつくして、あなたがたの 間 あいだ であらわしてきた。
”どうか、わたしたちのうちに 働 はたら く 力 ちから によって、わたしたちが 求 もと めまた 思 おも うところのいっさいを、はるかに 越 こ えてかなえて 下 くだ さることができるかたに、
”さらに 神 かみ も、しるしと 不思議 ふしぎ とさまざまな 力 ちから あるわざとにより、また、 御旨 みむね に 従 したが い 聖霊 せいれい を 各自 かくじ に 賜 たま うことによって、あかしをされたのである。
”さて、 信仰 しんこう とは、 望 のぞ んでいる 事 こと がらを 確信 かくしん し、まだ 見 み ていない 事実 じじつ を 確認 かくにん することである。
”信仰 しんこう がなくては、 神 かみ に 喜 よろこ ばれることはできない。なぜなら、 神 かみ に 来 く る 者 もの は、 神 かみ のいますことと、ご 自身 じしん を 求 もと める 者 もの に 報 むく いて 下 くだ さることとを、 必 かなら ず 信 しん じるはずだからである。
”ただ、 疑 うたが わないで、 信仰 しんこう をもって 願 ねが い 求 もと めなさい。 疑 うたが う 人 ひと は、 風 かぜ の 吹 ふ くままに 揺 ゆ れ 動 うご く 海 うみ の 波 なみ に 似 に ている。
”あなたがたの 中 なか に、 病 や んでいる 者 もの があるか。その 人 ひと は、 教会 きょうかい の 長老 ちょうろう たちを 招 まね き、 主 しゅ の 御名 みな によって、オリブ 油 ゆ を 注 そそ いで 祈 いの ってもらうがよい。 信仰 しんこう による 祈 いのり は、 病 や んでいる 人 ひと を 救 すく い、そして、 主 しゅ はその 人 ひと を 立 た ちあがらせて 下 くだ さる。かつ、その 人 ひと が 罪 つみ を 犯 おか していたなら、それもゆるされる。 だから、 互 たがい に 罪 つみ を 告白 こくはく し 合 あ い、また、いやされるようにお 互 たがい のために 祈 いの りなさい。 義人 ぎじん の 祈 いのり は、 大 おお いに 力 ちから があり、 効果 こうか のあるものである。
”エリヤは、わたしたちと 同 おな じ 人間 にんげん であったが、 雨 あめ が 降 ふ らないようにと 祈 いのり をささげたところ、三 年 ねん 六か 月 げつ のあいだ、 地上 ちじょう に 雨 あめ が 降 ふ らなかった。 それから、ふたたび 祈 いの ったところ、 天 てん は 雨 あめ を 降 ふ らせ、 地 ち はその 実 み をみのらせた。
”そこでわたしは、わたしに 呼 よ びかけたその 声 こえ を 見 み ようとしてふりむいた。ふりむくと、七つの 金 きん の 燭台 しょくだい が 目 め についた。 それらの 燭台 しょくだい の 間 あいだ に、 足 あし までたれた 上着 うわぎ を 着 き 、 胸 むね に 金 きん の 帯 おび をしめている 人 ひと の 子 こ のような 者 もの がいた。 そのかしらと 髪 かみ の 毛 け とは、 雪 ゆき のように 白 しろ い 羊毛 ようもう に 似 に て 真白 まっしろ であり、 目 め は 燃 も える 炎 ほのお のようであった。 その 足 あし は、 炉 ろ で 精錬 せいれん されて 光 ひか り 輝 かがや くしんちゅうのようであり、 声 こえ は 大水 おおみず のとどろきのようであった。 その 右手 みぎて に七つの 星 ほし を 持 も ち、 口 くち からは、 鋭 するど いもろ 刃 は のつるぎがつき 出 で ており、 顔 かお は、 強 つよ く 照 て り 輝 かがや く 太陽 たいよう のようであった。
”わたしはまた、 新 あたら しい 天 てん と 新 あたら しい 地 ち とを 見 み た。 先 さき の 天 てん と 地 ち とは 消 き え 去 さ り、 海 うみ もなくなってしまった。 また、 聖 せい なる 都 みやこ 、 新 あたら しいエルサレムが、 夫 おっと のために 着飾 きかざ った 花嫁 はなよめ のように 用意 ようい をととのえて、 神 かみ のもとを 出 で て、 天 てん から 下 くだ って 来 く るのを 見 み た。
”